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ディセンデントプルーフ  作者: 流川 氷陽
第一章 父親の行き先
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第九話 勝利?と宴

「双司さまー!」


入口のあたりから声がした。


声がした方を見ると、そこには子供のような、だが、どこか大人びた雰囲気を感じる男が立っていた。


「どうした?」

双司が問う


「ラドロ様からのご連絡です。幹部の者は皆、ウェステリスに集まるように。とのことです。」


「了解した。」

「命拾いしたな。奇術師の少年よ。」


「おい、まだ終わってねぇぞ?」


男の方へ歩いて行く双司へユカイはヨーヨーのような物を投げる。


すると、ヨーヨーは双司へ巻き付き、本体がユカイの手元へ戻ってきた。


そして、ユカイが本体の中央についているボタンを押すと、ギュルギュル!と音が鳴り紐が本体へと戻っていく。


「ぐっ」

双司が変な声を出している間も紐はどんどんと本体へ吸い込まれていく。


「終わりだ。」

ユカイがヨーヨーを後ろへ引くと、スパッと双司の着ていた服が真っ二つになった。


「なっ」

ユカイが服に目をやると、そこには切れた服と丸太が転がっていた。


「その程度で私を倒せると思うなよ?」

「また会ったときがお前の最後にしてやろう。」

「まて!」

どこからか声が聞こえたが、どこにいるかはユカイには把握出来なかった。 


数十分後


ハヤトとユリナは致命傷を負ったはずだが、傷はもう塞がっている。

実は、戦闘の前にユリナが念のために三人に魔法をかけていたのだ。


一つは一度だけなら致命傷を完全に回復できる魔法。


一つは一時間の間、自身の身体能力を大幅にあげる魔法。


そして最後に焦りや緊張などを抑える魔法。


これを三人にかけていたため、盗賊を何人相手しても余裕を持ちつつ倒せたということだ。

デメリットは殺人に対する躊躇が無くなっているため、少しやり過ぎることがあることだ。実際、盗賊の中には数か月は動けない状態になっている者も数名いた。


幹部は倒せなかったけど、サウストリアを襲う盗賊は懲らしめることが出来たので結果的には勝利と言っていいだろう。


だが、幹部が全員ウェステリスに集まるということが少し気になる点であるが…


とりあえず目的は達したので帰宅することにした。


「そういえば私たち家が無いんだけど、あなたの所に泊めてくれたりしない?」

ユリナがユカイに問うと、


「良いですよ!それじゃあ今日は自分の家で宴ですね!」

なぜかユカイの家で宴をすることになってしまった。


そういえば、ユリナの住んでいた小屋はあの後何者かに壊されたらしい。恐らく盗賊団のだれかが証拠隠滅でもしたのだろうということだった。


話を戻してユカイの家に来たのだが、普通の一軒家だった。

家族で住んでいそうな、一人で住むには広すぎるような普通の一軒家だった。


「そういえばユカイ、家族に何も言ってないけど大丈夫なの?」


「大丈夫です。家族は他の所へ引っ越しましたので。」


「なにかあったの?」

ユリナが聞くと、ユカイは少し考えてから口を開いた。


「自分の親や兄弟は、数ヶ月前にウェステリスに引っ越しました。」

「そのとき、自分はこの家を好きにしていい代わりにここに一人で置いていかれました。」


「…それは災難だったわね。」


「まぁ、そのおかげでこの広い家を一人でつかえるので楽しいですけどね。」


「さぁ、こんな話は後にしてさっそく宴を始めましょう!」


「…そうだね、今日は楽しもう!」


そういってユカイの家に入って三人で一晩中楽しんだ。


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