仲間の三人は…
「っ!なんなのよこいつらは!」
ユリナが、アカリとセリスの後ろで声を荒げる。
三人の周りには、ワニに毛が生えたような生き物が集まり、三人を取り囲んでいた。
「ハヤトも見つかってないっていうのに!」
「文句ばかり言っていても意味が無いだろう!」
「ひとまずこいつらを倒すぞ!」
「倒すって、殴っても効いてる気がしないんだけど!」
先程から、アカリとセリスがワニに攻撃するも、ダメージを負うどころか怯むことすらしない。
「しょうがない。アカリ、退いていろ!」
その言葉で、アカリがユリナのそばに戻った。
すると、セリスが杖をワニへ向け、
「【アニマル・アイスロード】」
すると、杖の先にいたワニが一直線上に凍りついた。
「速く行くぞ!」
そうして、氷の道をセリスは走っていく。
それに続くように、ユリナとアカリも氷の道を走っていく。
だが、後ろからワニが追いかけてくる。
喉を鳴らしながらセリス達と同じくらいの速度で走ってくる。
「なんなのよ!あのワニは!」
「知らないわよ!いいからさっさと走るわよ!」
そうして、氷が届かなくなっても、三人は必死で走っていく。
──数分後、目の前に小屋を見つけた。
「俺が足止めする。お前らはあの小屋に逃げ込め!」
「え?!でも!」
「いいから行け!」
セリスは、二人を小屋に入れた後、後ろから来るワニに杖を向ける。
「…てめえら、何者かはしらねぇが、覚悟しろよ?」
「【ア・ヴァランガ】」
杖の先から勢いよく雪が飛び出し、ワニへと襲いかかる。
避ける場所も暇もなく、雪は一瞬にしてワニを覆い隠し、奥へと流していった。
「っ!体力が…」
ハァハァと息を切らしたセリスは、二人が待つ小屋に入っていった。
「っ!セリス!大丈夫?!」
「あぁ、すまん、少し寝る…」
そうして、セリスは、小屋の中で気絶したように眠った。
「はぁ、とりあえずはここで待機ね。」
「そうね、ハヤト君にも分かりやすいし…」
「ハヤト君…大丈夫かな…」
寂しそうにするアカリを無視して、ユリナは部屋の探索を始めた。
「なにか、泥で汚れてるわね…」
「あれ?このコップ、まだ温かいような…」
机の上においてあったコップを手に取ると、少し温かいような気がする。
「もしかしたら、近くに人がいるかもしれないわね」
「えー?何かあったのー?」
「うるさいわね、セリスと一緒に寝てても良いわよ」
「じゃあお言葉に甘えて。」
アカリが、壁にもたれ掛かったまま目を瞑った。
「はぁ、なんでこんな奴が…」
「二人共寝ちゃったし…」
「…人がいるならその人に頼るしかないか」
そうして、アカリは椅子に座って人を待つことにした。




