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ディセンデントプルーフ  作者: 流川 氷陽
第二章 三つの陰謀
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第四十九話 戦いの終わり新たな始まり

こちらに向かってくる謎の生物。

それは、あのとき森で見た魔物と同じだと気づいた。


そして、その上に一つの人影が見える。

そうだ。ラドロだ。


「くっ…ラドロォ!!」

双司が怒りをあらわにして声を荒げる。


「双司、落ち着いて!」


「だが、あの数…十人、二十人なんてレベルじゃないぞ!」


そう。魔物の数は、目の端から端まで隙間無く埋まるほどの数なのだ。それだけラドロは人を殺し、魔物を創り出した事になる。


「な…なんだい?あれは…?」

ウリンとサリン、ユリナ達も魔物に気づいた。


そして、ユリナ達はハヤトの元へ向かっていく。

「ハヤト、あれって…」


「ああ、魔物だ。それも、以前より強くなっている」

双司がいった。


「それが、あの数か…」


「それより双司!まさかあんた、バンディードを裏切ったのかい!?」


「ん?…その話は後にしてくれ。」


「はぁ?……逃がしはしないからね。」


「ああ。」


「それより、どうすんだ?あの数、かなり厳しいだろ。」


「…そうだな。」

双司が頭を抱えた。


「お困りかい?」

そのとき、後ろで声が聞こえた。最近聞いたような声だ。


振り返ると、男が立っている。だが、足は地面についていなかった。

「ナ、ナポレティス?!手は出さないって…」


「流石にあの数で攻められては教会は持たない。」

「それに、あの数だと、君達もすぐやられるだろう?」


「まあ、そうだけど…」


「でも!あの数は流石に厳しいでしょ!?」


「…騎士団はなんのためにあると思う?」


「え?騎士団?」


「騎士団は教会を敵対する物を抑制するためにある。抑制といっても、それ相応の実力が無ければ相手にねじ伏せられるだけだ。そのため、俺達は常に強さを求めている。それをすることで得た力がある。」

「それは、圧倒的な防衛力だ。攻めでは無く、守りに特化した者、それが騎士団というものだ。」

「守りに特化する。それは、言い方を変えればどれだけ少ない戦力で相手の攻撃を受けるかということにもなる。」


「…何が言いたいんだ?」


「自分は、あの数の敵を一人で倒せる。ということだ。」


「なっ…!」


「特別だ。自分の力をしっかりみておきな。」

「能力【星の力】」

シュッ!


ナポレティスが能力を発動させた瞬間、魔物の中に突っ込んだ。

姿が見えなくなった瞬間、魔物が吹き飛び、魔物の数が半分近くまで減った。


「す…すごい…」


「ええ、あんな…強さ…」


「ば…ばけもんじゃねえか…」


「おーい!しっかり見ているんだよ!」

そして、ナポレティスが魔物を吹き飛ばしていく。


そうして減っていった魔物の中に、ラドロだけが立っている。

「やあ、ラドロ。久しぶり。」


「ナポレティスゥ!」

ラドロがナポレティスへと向かって走る。拳を固め、殴りかかる。


だが、ナポレティスは攻撃を軽く避ける。

「ラドロ、さっさと諦めて帰れ。」


「はあ?ガキが大きくなったからって調子に乗っていたら怪我するのは自分だぞ?」

ラドロが再び攻撃を仕掛ける。だが、やはり軽々とかわされた。

「子供の頃と変わらないな…」


「そんなことはないだろう。」


すると、ナポレティスの上から巨大な魔物が落ちてきた。


ズッ


だが、ナポレティスは魔物を遠くへ投げ飛ばした。


「…くっそ、」

「だが、これで終わりだ。」

ラドロがズボンから紙のような薄いものを取り出した。


それは、みるみるうちに鎖のようになり、ナポレティスへと飛んでいった。


「くっ」


避けようとしたナポレティスだったが、鎖は、避けたナポレティスへ飛んでいき、捕まえてしまった。


「…このまま帰るのも味気ない。これだけ使わせてもらう。」


そうして、さらにポケットからビー玉のようなものを取り出した。

「それでは、さようなら。」


ビー玉のようなものを教会へと投げると、それが爆発し、教会に穴を開けてしまった。


「しまっ…!」

ナポレティスが動こうとするが、鎖は外れるどころかびくとも動かない。


そうしている内にラドロの姿が消えていた。

「…っ!逃げられた!」


そうして、結果はラドロ以外は全員逮捕、ラドロが失踪ということになってしまった。

逃げられはしたが、結果的にバンディードの壊滅となったので良かったとナポレティスは語っていた。


ハヤト達は教会から勲章をもらい、ナポレティスとの面談をしていた。

「いやぁ、世界的な盗賊団を壊滅に追いやれたのは充分な成果だった。ありがとう。」


「いやいや、僕たちは…」


その瞬間、穴が空いた。他の世界へと向かう穴が。ハヤト、ユリナ、ユカイ、アカリ、セリス、を飲み込み消えていった。この世界から消えたかのように…



…その後のラドロの行き先は海だった。海の先の大陸へと向かっていた。

大陸が見え、上陸したとき、瞬間に、ラドロの胸を何かが貫いた。エネルギーの塊のような、何かがラドロの胸を貫き、その先の空気さえも燃えたかのような熱を持っていた。そうして、肉塊となったラドロは、飲み物として、肉として、飾りとして、体が使われた。証拠が一切残らないように…

第二章終わりです

第三章 魔界からの脱出は近日公開予定です。

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