第四十七話 光る異形の倒し方
「おい!レッス!あいつはなんだ!」
セリスが大声でレッスを呼ぶ。
「…なんでしょうか!そっちは……なっ…!」
「カヌイさんですか?!本当に?!」
レッスが目を丸くする。
「…セリスさん、カヌイさんですが、あの方は能力【異化・天】を持っております。能力を使用することで体がつくり変わるのですが…」
「なんだ?!早く言え!」
「能力の発動には時間制限があります。そして、能力が強すぎるため、制御が出来ておりません。」
「…そうか。なら!」
セリスが杖を振る。すると、カヌイの腕が凍っていく。
【アクラクス】
「ぐぎゃぁぁああおおぉぉ!!」
電気がカヌイの体を巡る。体中に電気が流れ、悲鳴を上げるカヌイ。
「時間まで動かさなければいいよな。」
「さすがです…が、あの姿は私も見たことがありません。なので、充分に気をつけて下さい。」
「…そうか、分かった。」
すると、カヌイが凍っていた腕を頭でかち割り、杖をセリスへ向けた。
「死゛ん゛て゛天゛に゛!」
外骨格の中から少しくぐもった発狂しているような声が聞こえる。
杖の先に光が宿り、その光があたりを全て包み込む。
【ホ゛ー゛リ゛ー゛ワ゛ー゛ル゛ト゛】
【エ゛ン゛シ゛ェ゛ル゛ピ゛ラ゛ー゛】
光に包まれた中で、上空の雲が消えた。
いや、見えなくなった。それは、光の柱がセリスを飲み込んだためだった。
「くっ…レッス!」
見えないが、レッスとコンタクトをとるため声を上げる。
「すみません、私には出来ることがありません。」
だが、レッスからは、どうしようもないといった返事が返ってきた。
「…しょうが無い、か。」
セリスは、杖を上空へ向ける。
「俺は、これ苦手なんだけどな!」
すると、杖からは黒い煙がもくもくと上がっていく。
「【ナイトメア・コールド】」
氷の結晶の中に黒い煙が入っていく。
あたりに広がる光が、その氷の中に吸収され、氷の中で中和されていく。中和された氷は、だんだんと合体していき、最後にはセリスと同じくらいの大きさになった。
「ひっ!ひぃゃぁ!」
簡単に無効化されたカヌイは、あいからわらず悲鳴を上げている。
「そろそろうざいな。」
セリスが杖を振り、さっきの氷をカヌイに飛ばし、中に閉じ込めた。
「光と闇が中和された氷だ。どれだけつらいかわかるだろ?」
ただの氷に人が包まれるとほとんどの体内活動は動きを止める。だが、この氷は、光と闇が中和されている。それは、光と闇のエネルギーを保持しているということになる。その中に入るとどうなるか。氷による凍傷と爆発的なエネルギーが体中に広がる。たとえ、外骨格に包まれていようと、なんだろうと死は免れないだろう。
「…レッス、殺していいか?」
「…ええ、ご自由にどうぞ。」
そうして、カヌイとセリスの戦いはセリスのかなりの圧勝で終わった。




