第四十二話 短い作戦会議
五日後
「皆大丈夫?体は休まった?」
「はい。もうバッチリです。」
「僕らも大丈夫だよ。」
「俺もだ。」
「よし。それじゃあ双司を待ちましょう。」
体を休め、双司を待つ。すると、数分後、
「よお。」
双司がレッスと共にやってきた。
「あ、久しぶりですね。」
「双司…」
「さて、手短に話そう。まず、ラドロの行方についてだが、あのときの心臓の山と同じものを作っていた。そして、魔物を生み出し続けている。」
「詳しくは分からないが巨大な戦力には間違いない。」
「そして、俺達に向けた作戦は三つのチームに分けられた。」
「一つ目は聖教会の騎士団を襲い、注意を引くチーム」
「二つ目は聖教会内の宝を奪うチーム」
「三つ目は宝を奪うチームの護衛をするチーム」
「俺はラドロと共に宝を奪うチームに当てられた。」
「レッスは、注意を引くチームだ。」
「どうだ?ここまでで分からないことはないか?」
「いや、大丈夫よ。」
「それで、俺達はどうすれば良い?」
「お前達にはそれぞれに分かれて止めて欲しい。」
「注意を引くチームは、レッスもいるから一人でいい。」
「だが、問題は護衛するチームだ。」
「あのチームには厄介な奴らがいてな…」
「あいつらは個人だと対した脅威にはならない。だが、二人でいるときは話は別だ。圧倒的な連携でラドロさえも超える力を発揮する。」
「なら、そこに三人当てて、ラドロは双司ともう一人で対処するのはどう?」
「…ラドロを俺ともう一人か。」
「…それをするなら俺は、ハヤトと組ませてもらうぞ?」
「えっ?なんで自分?」
「初めてで相手に合わせる場合、ハヤトのようなシンプルな強さのほうが戦いやすい。それに、この中でラドロとまともにやり合えるのは多く見積もって三人だからな。」
「…分かったわ。ラドロにはハヤトを当てる。」
「それ以外はどうするの?」
「レッスは誰が良い?」
「私は課せられた使命は必ず果たします。なので、好みはあまりありません。」
「だとよ。」
「ちなみに言っておくと、レッスと相手するのは魔法使だ。それも一生の半分を魔法に費やしたイカれやろうだ。」
「…なるほど、面白そうだ。その魔法使の相手、俺がやっても良いか?」
「え?セリス?大丈夫なの?」
「ああ。その魔法使、興味がある。」
「分かった。レッス、それで良いか?」
「もちろんでございます。」
「よし、決まりだ。後は場所だけ伝えておく。」
そうして短い作戦会議が終わり、次の日に向けて行動を開始した。
翌朝
「ユリナ、本当にここなの?」
「えぇ、双司が言っていたのは確かにここよ。」
「って言っても…聖教会の真ん前ですよ!?」
「ハヤト君、寒いよ、暖めて?」
「ちょ、アカリ?離れ…」
「まぁ、朝、こんな早い時間だとそりゃあ寒いわよね。」
ハヤト達は今、朝の日が昇って間もないくらいの時間に聖教会の入り口の前にいる。
そこでこんな話をしていると、
「お前ら、何者だ?」
門番のような人から怪しそうに話しかけられた。
「あ、私達、ちょっと観光に来ていて…」
「ああ、観光者か。こんな季節に来るとは災難だな。」
「え?どういうことですか?」
「ん?知らないのか?今、聖教会は多方面からの事件に巻き込まれてかなり忙しいんだ。」
「事件ってなんですか?」
「…それは言えないな。」
「…そうですか。」
「ま、観光にきたんだったら握手でもしておくか?」
「いえ、遠慮します。」
「…そうか。ま、気をつけろよ。」
そうして一時的に聖教会の前から離れたハヤト達。
「そういえばセリスは向こうの教会騎士団のほうだったよね。」
「行ってみる?」
「…ああ、一度見に行こう。」
そうして、セリスの集合する場所に来た。すると、奥に見覚えのある影があった。
「…あれ?あの人見たことあるような…」
すると、その影はこちらに気づくとぐんぐんと近づいて来た。
「やあ!ハヤト君とその仲間達!」
「うわ!びっくりした…」
…やはりナポレティスであった。
「バンディードの件は順調かい?」
「…はい。今日の夜に開戦です。」
「そうか。自分も覚悟しておこう。」
「なにか話すことはあるか?」
「そういえば、バンディードの仲間に双司とレッスって人がいるんですけど、その人は味方ですと伝えておきます。」
「…なるほど、了解した。」
「他にはないか?」
「もう、特には…」
「そうか、ではまた。」
「幸運を祈る。」
そうしてナポレティスは飛び去っていった。
「…それじゃあ、今日の夜まで自由ね。」
「おっけ。」
そうして、それぞれ休息だったり、特訓だったりをし、夜になった…




