第四十一話 襲撃に向けての仲間達
「どうも、こんにちは。」
ギルドの受付に話しかけると、相変わらず綺麗な声で話していた。
なんだ?受付になるための声の学校でもあるのか?
そんなことは置いておいて、受付にバンディード襲撃について話した。すると、
「オーナーを呼んできます。」
と言われたのでしばらく待っている。
「なんでバンディード襲撃の事を伝えたんですか?」
「これ、ビビって人来ないと思うんですけど。」
「理由なんて一つよ。ギルド側から対策してもらうために決まってるわ。」
「ギルド側?」
「ギルドにはギルドの職員がいて、その職員は町とか、都市を巻き込む戦いだったり、人が来なくて放置されたクエストだったりを解決するために動くの。」
「へえー」
「まぁ、実力は都市の騎士と同じかそれ以下だけどね。」
「なら充分だね。」
「ええ。」
そうして話していると、受付の人が帰ってきた。
「お待たせいたしました。」
「こちらがノートリアムギルドのオーナーです。」
そうして一緒に歩いて来た隣の男を見る。男は、特にガタイが良い訳でも無く、かといってガリガリでもない。力強さは感じられず、魔法を使うタイプでも無さそうだ。
ただこれだけは言える。若い。
ぱっと見の年齢はまるで十三歳の子供のようだ。男と言うよりも少年と言ったほうがいいかもしれない。
すると、男、オーナーが口を開いた。
「これはこれは、どうも皆さん。いつも当ギルドをご利用いただきありがとうございます。」
「わたくし、当ギルドのオーナーをしております。ヨラズと、申します。」
年相応の声だ。だが、喋り方はかなり丁寧で、成長期の子供の喋り方とはとても思えない。
まあ、クルナも特徴があったが、なぜかあれは納得できる。
「ところで、バンディード襲撃と言うのは本当でしょうか。」
「え、えぇ、本当、です…?」
見た目と喋り方のギャップに驚いて、ユリナの声が出ていない。
「そうですか。ならば我がギルドの職員に御用ですね。」
「あ、はい。」
ヨラズが手をパンパンパンと三回鳴らす。すると筋肉質な男が走ってきた。
「お呼びでしょうか。」
「ああ。詳しいことは後で。とりあえずこの方達について行きなさい。」
「了解しました。」
「君達がバンディード襲撃からノートリアムを守ってくれる勇者か。」
「俺はゴラ。よろしく。」
「よ、よろしく…」
「ノートリアムを守るためなら協力は惜しまない。いつでも声を掛けてくれ。」
「…ユリナ、攻められるのって聖教会じゃなかった?」
「ん?攻められるのは聖教会じゃないかと?」
「うぇ、聞こえてた…」
「聖教会はノートリアムの心臓!聖教会が攻められるのはノートリアムが攻められるのとほとんどおなじだからな。」
「はあ…」
「そういうことで。待た会おう。」
…そうしてギルドから出た。
「よかった。協力者がいてくれて。」
「本当によかった。無駄足にはならなかった。」
「これからどうするんだ?」
「そうね…まあ、とりあえず休養よね。」
「一週間後まで体が鈍らないように鍛えつつ休養。一週間後はギルド集合。以上!」
「了解。」
そうして散り散りになっていく五人。これからどう行動するのか。
ハヤトとアカリは休んで手合わせの繰り返し。ユリナはたまにフリスと行動し、休養。ユカイは自由に。とそれぞれ行動して三日が過ぎた日の昼。ハヤトとアカリが相変わらず手合わせをしているところに一人の男がやってきた。
「ん?あ!双司!」
「おう、ハヤトとその彼女。」
「どうしたの?」
「スルーか…まあ良い。」
「バンディード襲撃まであと六日だが、準備は出来ているか?」
「うん。バッチリだと思うよ。」
「なら良い。ただ、一つ気になる点があってな…」
「ラドロのことなんだが、あいつ、最近いないんだ。」
「いない?」
「ノートリアムの拠点に滞在してるんだが、あいつ、朝から晩まで外に出てるんだ。」
「それで?」
「それで、今日、ラドロをレッスがつけているんだが、いまだになにが起きるのか分からないんだ。」
「もしかしたら、あのときの魔物を生むかもしれないし、それ以外のなにかをしてくる可能性もある。だから、充分に注意してくれ。」
「…わかった。」
「よし。後は襲撃の一日前にお前らに会って情報を伝える。襲撃当日は俺はラドロの近くで行動するはずだ。だから、ラドロは俺が止める。その後は…分かるな。」
「分かった。」
「あ!そういえばこっちはギルドに協力を呼びかけて、聖教会もこの事を把握したんだけど、どう?」
「…ギルドと聖教会か。そこに、俺とレッスの事を伝えておいてくれたらそれで良い。」
「分かった。」
「それじゃあ、五日後に。」
「うん。それじゃ」
バンディード襲撃まで、あと六日




