第三十九話 魔法と奇術の手合わせ
「ユカイはどうするの?」
「僕は…ハヤトさんとやりたかったですけど、しょうが無いので、フリスさんとやりたいです。」
「俺はセリスだ。」
「セリスさんと。」
「セリス、いい?」
「ああ。」
ユカイとセリスが位置についた。
始まった瞬間、セリスが小さな氷を飛ばした。
ユカイは、それを分かっていたかのように炎を纏ったトランプを飛ばし、相殺した。
「次だ。」
間髪入れずにセリスが上空に杖を振り、暗雲が生まれた。
「まさかっ!」
ユカイは何かを察してルービックキューブをそろえ始めた。
「何をする気だ…」
「これですよ。」
ユカイはルービックキューブの白い面が揃ったことをセリスに見せた。
そして、ルービックキューブを上へと投げると暗雲から落ちてきた雷をルービックキューブが全て吸い込み、そのままユカイの手のひらの上へ戻ってきた。
ルービックキューブには、損傷や色の変化などは見られなかった。
「…さすが、と、言うべきか…」
「まさか、これをつかうとは思いませんでしたよ。」
「記憶喪失じゃないんですか…?」
「その答えは後で答えよう。」
そう言って、セリスがユカイに向かって杖を振ると、セリスとユカイを繋ぐ氷の橋が出来た。そこに、また杖を振ると、
「【アクラクス】。」
氷の中を電気が通り、ユカイに直接電気が届いた。
「がっ…はっ…」
ユカイが声にならない音を出してその場に倒れ込んでしまった。
「ちょっとセリス!」
「耐性が無い人にアクラクスなんてうってるんじゃないわよ!」
「はっ!すまん!ユカイ。」
「がっ…ごほっ、ごほっ。」
「大丈夫?ユカイ。」
「はぁ、はぁ、大丈夫、です。」
ユリナが杖を振った。すると、焦げ掛けていた皮膚などが元に戻っていった。
「まったく、気をつけてね。セリス。」
「ああ、二人とも、すまなかった。」
「ユリナさんがいなければ死んでましたね、僕」
そうして、話していると、ハヤトと、アカリが戻ってきた。
「あ、アカリ、もう大丈夫なの?」
「えぇ、もう問題ないわ。」
「良かった。」
「それにしても、何人かとんでもないくらい成長したわね。」
「ハヤトさんが、感覚への攻撃が出来て、セリスさんが記憶を取り戻した。」
「あ、あとアカリの力強さもあがってたよ。」
「らしいです。」
そうして、もう少しお互いの実力を測った。すると、時間的にもちょうど良い時間になっていた。
「お互いの実力も分かった所でバンディードと戦う際の戦力を考えておきましょう。」
「順当に考えて、ハヤトとアカリが前にでて、セリスは援護、私とユカイがサポートに回るって形でいいかしら?」
「うん、それでいいわよ。」
「了解」
バンディードと戦う際の配置も終わった所で、ベアロウと共に待っているクルナの所へ戻っていった。
「ん?おぬしら、終わったのか?」
「えぇ、待たせたかしら。」
「いや、ちょうど良い。テントを張っていた所じゃ。」
「ありがとう。クルナ。」
「感謝はええ。百年続く争いを抑えてくれた礼はこれでも返しきれんからな。」
「…あの争い、本当に百年続いていたんだ。」
「今までも続いた原因も恋だったりしてね。」
「まさか…」
「ほら!おぬしら、明日は速いぞ。早う寝ろ!」
そうして、早めに眠りについたハヤト達一行だった。
バンディードの襲撃まで、あと十一日




