第三十三話 部族の優しさと凶悪さ
バシュッ
「うわっ!」
突然矢が飛んできた。
「おぬしら、何者だ」
そこには、布のようなものを体に巻いている女が虎のような獣に乗ってやってきた。
「俺達はただの旅人だ。歩いて何が悪い。」
ユカイが言った。
「ここは神聖なるクルナ様の土地だ。」
「それはすみません。ただ、私たちも急いでるんです。」
ユリナが丁寧に返事をする。
「…通りたければクルナ様にあいさつでもしてこい。」
「ありがとうございます。…その、クルナ様はどこに居られるのですか?」
「…着いてこい」
「皆、行きましょう。」
そうして女に案内されるがままについていくと、まだ、成長途中のような少女がいる場所にたどり着いた。その子の隣には普通の三倍程の大きさの熊が寝ていた。
「おぬしら、旅人と聞いたが、本当か?」
「はい。」
「あのバカの仲間ではないな?」
「バカ…とは?」
「…脳筋ばかりの奴らのリーダー、カルラトじゃ!」
「すみませんが存じ上げません。」
「もう、その丁寧な喋り方をやめろ!気が散る。」
「はあ…」
「カルラトを知らないなら、本当にただの旅人だったのか…」
「まあ、旅の途中というだけなら止める必要もない。さっさと行け。」
「良いんですか?」
「良いといっておろう!」
「はぁ、ここにはたまに旅人が迷い込むのだ。いちいち止めていると面倒だといっておいたのだがな。」
クルナが案内してくれた女をにらんだ。
「殺さないのか?」
「あ?殺して何になるというんじゃ。」
「クルナ様!」
突然、大声でクルナの所へ他の女が来た
「カルラトが攻めてきました!」
「なに?チッ、面倒な…」
「そうだ!おぬしら、あいつらを説得してくれんか?」
「はい?」
「あいつらに戦をやめるよう促すのじゃ。」
「聞かなかったら力でも良い。」
「え、何故私たちが?」
「私らの部族が行っても押さえ込まれるだけじゃ。だが、おぬしら、かなり強いじゃろう。だからじゃ。」
「…はあ。でも、私たちにメリット無いですよね?」
「いいや?うまくやってくれたらこのベアロウに次の目的地まで連れて行かせよう。」
そういって隣で寝ている熊を指す。
「まぁ、それなら…」
「よし!決まりじゃ!そこにいる二人、こやつらを連れていけ!」
「はい」
そうして戦場に案内されたハヤト達。
「…何者だ?お前ら!カルラトを呼べ!」
ハヤト達に気づいた相手の部族の一人がカルラトを呼んだ。
「応!なんだ?」
「あいつら……」
「…よし!任せろぉ!」
「【炎拳】!」
何も考えず、突撃してくるカルラト
「うわあああぁぁぁ」
ギリギリで避けた。カルラトを見ると、その拳からは炎があがっていた。
「能力?!」




