第三十話 トーナメント本戦②
「さあ、試合も残りわずか!」
「準決勝の始まりです!」
「準決勝第一回戦は期待のルーキー、ハヤトォ!」
「対するは、現在、大会三連勝中の最強の男!ガルトルトォ!」
「皆様、用意は良いですか?それでは、スタートォ!」
対戦相手は大会三連勝中の男だ。何度か試合を見ていたが、勝利のためには手段を問わない男だった。本気でやることもあれば、姑息な手、隠しナイフだったり、砂埃による目眩ましだったりということを悪びれもなくしていた。
ハヤトはかなり注目されていたため、対策はされているだろう。なので、いままでしてこなかった速攻で決着をつける。
そうしてアカリのように速く動いた。だが、そう簡単に勝てるものではない。
剣で斬りかかった瞬間、なにかの力で後ろに吹っ飛ばされた。
「っ…!」
「なめるなよガキが、お前みたいな初心者は大人しく帰って寝てろ!」
吹っ飛ばされたのはただの腕力だと気づくのにそう時間はかからなかった。
「なんて、力」
「驚いたか?だって、いままで姑息な手ばっか使ってたやつが急にこんなバカ力出すんだもんな。そりゃあ驚くだろう。」
「さあて、お前に名誉を与えよう。俺の勝利の贄となれ。」
「くっ…」
やられると思った瞬間、勝手に体が動いていた。
「うおおおおお!!」
敵を切る。そのためだけに剣を振るった。
すると、出た。
あのときの、竜のような力が。
「一日で我が力を使いこなすとはな…」
振るった先を見ると、そこには倒れたガルトルトと昨日よりも深い傷を負った壁があった。
「なっ…」
「…勝者!ハヤトォ!」
「まさかの、初戦で見せたあの技を、いまここで見せた!ハヤト選手!」
「…なんだ?これ」
昨日とは違い、今ではあの技が自身の体に定着している感覚を覚えた。
その後、二回戦を見にきたハヤトだったが、そこでみたのは圧倒的な力による一方的な暴力だった…
二回戦はマッセナ対元殺し屋のデス・スロイだったのだが、マッセナの圧倒的な力にスロイはついて行けず、一方的にやられ、ついには降参していた。スロイはかなり有名らしく、この大会でも一度優勝したことがあるらしい。
マッセナ、次の決勝の相手か…
ハヤトは覚悟を決め、最後の決勝の舞台へと向かっていった。
「お前か!」
顔を合わせて最初の言葉がそれだった。
「はい?」
「お前が、【竜の血をつぐもの】の田舎者だな?」
「竜…?」
「とぼけなくて良い。俺は全部知ってる。お前の父親も、【血をつぐもの】についても…」
「本当に?!」
「ああ。本当だ。だが、教えるのは条件がある。一つ目、この試合、お前は負けること。二つ目、その後、ノートリアムまで俺についてくること。三つ目、俺の話にお前は合わせること。」
「どうだ?これを呑めば情報、全てを話そう。」
「…」
「おっと、考えてる時間は無いぜ、もうすぐ試合は始まるからな。」
…負けてもお金を失うだけで、それと引き換えに情報を手に入れられる。しかも、これを逃すともう手に入れられない情報の可能性もある。だが、ついていくとバンディードは倒せないだろう。どうする…?
「自分は…」




