第二十六話 ラドロの魔物の正体
「魔物化した人間だ。」
「…は?」
「ラドロの能力は【生命操作】。他人や自身の肉体を作り替えることが出来る。」
「これを応用すれば人間をあのような見た目にも出来るだろう。」
「でも、魔物化って…そんなこと」
「人間は元から魔物になり得る細胞。【魔細胞】を持っている。それは普通はなにも起きんが、何かがきっかけでそれが増殖すると人も魔物するのだ。」
「ちなみに魔法使は【魔細胞】が多いほど魔法が強くなる。」
「そして、きっかけと言ったが、そのきっかけの一つに【-能力】と言われる能力を手にしたときと、いうのもあるのだが、これもまあ今はいいだろう。」
「そしてラドロは【魔細胞】が特に集まる心臓を集め、【魔細胞】を増殖し人を魔物にしているのだろう…」
「…なんてことをしているんだ」
ハヤトがぶつけようのない怒りを拳に込める。
「…それじゃあ私、人を殺めていたってこと…?」
「いや、あいつらは魔物だ。人の記憶を持つただの魔物。死体を魔物が動かしていると考えれば分かりやすいだろう。」
「…そっか」
「とりあえず俺達は戻る。ここにいるとバレたら、俺達もこうなるからな。お前達も早く逃げろ。」
「最後に聞いて良いか?お前達はラドロの仲間じゃないのか?」
「…十分前まではな。」
「そうか」
「では、また会おう。」
「一ヶ月後に。」
「ああ。」
そうして足早にそこから去って行った。
都市に戻るとユリナとフリスが待っていた。
「時間かかってたみたいだけど、何かあったの?」
「ああ。心臓の山を見つけて…」
「え?本当に!?」
「双司に出会った。」
「えっ…だ、大丈夫だったの?」
「大丈夫。今では心強い奴だ。」
「…なにがあったの」
「ところでそっちはどうだった?」
「こっちはレッス?とか言う奴が来て一ヶ月後になんとかって話されたの。」
「それじゃあそのへんの話をしっかりしたいからとりあえずギルド行こうよ。」
「えぇ。賛成よ。」
そうして五人はギルドに行ってお互いにあったことを話し合った。
「…そんなことがあったのね。」
「うん。」
「とりあえず、これからすべきことは、今日からちょうど一ヶ月後にノートリアムでラドロ達を迎え撃つってことですね。」
「えぇ、そうね。」
「それなら早速出発しますか?」
「いいえ、ちょっとすることがあるから五日後にしても良い?」
「どうして?」
「路銀が足りなくなってきたのよ。いままでお金なんて稼いでなかったから。」
「じゃあみんなでギルドで稼ぎますか?」
「そうね。みんなが良いなら良いわね。」
「じゃあみんなで行こう!」
「おー!」
「え?でもバンディードを倒した時の報酬は?」
「そんなのユカイの家に置いてきたわよ。」
「えっ、大丈夫なの?それ」
「大丈夫です。金庫をしっかり閉じて家の地下においてきたので。」
「地下あったんだ…」
そうして五人でギルドで稼ぐことにした。
一ヶ月後のバンディード殲滅が予想だにしない結末を迎えることを知らずに…




