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「ハルーーーーーーーー!」
目の前の人の死体を抱えて叫ぶ俺。
「おっと、手が滑ってしまったようだね」
目の前にいる謎の男の言葉に何故か怒りを覚える。
「ハルが手が滑っただけで死ぬ?ふざけるのも大概にしろ!」
「ふざけてなどいないさ。ただ君の言うハルが弱かっただけのこと。君も死にたいかい?」
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なんだ、夢か。にしても嫌な夢を見た。
{code=143 "スキルの獲得を完了しました" スキル名=魔導図書室 }
突然目の前に現れた半透明の板に見間違えでなければ「魔導図書室」というスキルを獲得してさらに時間、空間の特殊属性を含む5属性の初級魔法が全て使えるらしい。まぁどうせ誰かのイタズラだろう。
なぜって?この世界でスキルや魔法の獲得には1つあたりに年単位の修行が必要で、マナという制限もあるから魔法系のジョブに需要はない。そして俺の天職は魔道士。魔道士は魔力効率や魔力量にも恵まれていて修行をしなくてもグリモワールを媒介として魔法を使えるが、グリモワールは貴重でとんでもなく高い。庶民の俺が手を出せる代物じゃない。よって俺は用なしの雑魚冒険者を続けている。なぜ冒険者になったかって?そりゃ孤児で貧乏だから雇ってくれる店や屋台を立ち上げる資本金すら用意出来ないからだよ。
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冒険者ギルド入り口にて
「スキル確認よろしくお願いします」
ステータス
Lv:13
Hp:800
Mp:5000
【スキル】
固有スキル:なし
ユニークスキル:魔道図書室←New!
【魔法】
asnsdn@zt5400○…×€4231÷895なかの.zip
「まじかっ、よ」
イタズラだと思っていた俺はとても驚いたがそれよりもエレナさんの方が驚いていた。
「魔道図書室ですって!」
いつもは冷静でクールなエレナさんが珍しく取り乱している
「落ち着いてください、」
「落ち着いてられますか。魔道図書室はあの賢者マーリンのスキルと言われている、『レジェンドクラス』以上のスキルですよ!」