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「あらあら、少しはお淑やかになったかと思えば、セルバチコは変わりませんね。」


「黙れっ!王族たる私をお前ごときが呼び捨てにするなど不敬だぞっ!!」


「不敬はあなたです。王妃たる私への言葉遣いではない。

まあ、今更不敬罪が増えたところででしょうけれども。」


これが側妃…なるほど教養など感じさせない言葉と態度です。

ルッコラが可愛く見えてしまいますね。

王妃(おかあさま)は何をなさる気なのかしら。


「セルバチコ、ルッコラ。あなた方はあと数日でこの塔から出されます。

しかし、出されるまでの間はその処遇を私の好きにして良いと陛下から許可をいただきました。


従ってこの時より塔の部屋では無くこの牢で過ごしてもらいます。」


「お、お義母様!何故私もこの様な?!

私はお義母様に何もしておりません!!」


「ルッコラ、実の娘にあのような事をされ黙っている訳がないでしょう?」


「そんな…お母様!貴女のせいですよ!!何とかして下さい!!」


「黙れっ!失敗した分際で!!!」


あら?側妃はルッコラの所業を知っているのですか。

まあ、今更どうでも良い事ですが……。


「さぁその五月蝿い口も塞いでしまいましょう。食事の時のみ外す事は許可をします。」


口が布で塞がれるととても静かになりました。

やはりこういう物は必要ですわね。

そして二人の身体に筆で何かが塗られました。

何をされたのでしょう。


「自身の犯した罪は自身に返るべきです。

一生続く訳ではありませんから安心なさい。」


まったく安心出来ませんわ。

王妃(おかあさま)なんて恐ろしい拷問を考えたのかしら。

笑顔が怖すぎます。


「さぁレスターニサ、戻りましょうか。」


王妃(おかあさま)に続いてその日は塔をでましたがそれから一週間、王妃(おかあさま)に連れられ毎日塔に側妃とルッコラを見に行きました。


一言、大惨事という言葉に尽きます。

あれは正気を保っているのでしょうか…。


ルッコラはガタガタと震えながら真っ青な顔で俯いていますがドレスはボロボロ。

側妃は…お顔がだらしなくなって口液や涙でグチャグチャですわね。


「すっかり大人しくなったようね。」


「そうですね……。」


「このまま連れては行けませんから簡単に身体を清め着替えをさせなさい。セルバチコには気つけも必要かしら。」



一通り体裁を整えると王妃(おかあさま)を先頭に私が続き、その後ろに拘束されたルッコラと側妃が連れられます。

気つけが効いたのか側妃は王妃(おかあさま)を睨みつけていますが静かにはしていますね。

ルッコラは変わらず震えています。


謁見の間に着くと陛下(お父様)とカタピオ兄様の他に見知らぬ男性が二人居ました。


「陛下!ご無沙汰しております。私は…」


「誰が口をきく許可をした。」


「も、申し訳ございません…。」


側妃をみてルッコラが開きかけた口を閉じましたね。

本当に似た者親子ですわ。


「決定のみを伝える。黙って聞くが良い。

セルバチコ並びにルッコラはアブラナ国にて余生を過し、二度と我が国の地を踏む事は許さん。」


「離縁だなんて…あんまりです!」


「お、お父様!何故私まで?!」


「……黙れと言っておる。


セルバチコよ、塔に入れられた時点で婚姻の事実は無かった事となっておる。

王妃への毒殺未遂に襲撃、不義…どれも重罪だが他国の王族故に生かし、アブラナ国が引取りを拒否した故留まらせていただけだ。」


「不義…?」


「ルッコラに我が血は流れておらん。

セルバチコと従者間に出来た子だ。証拠もある。

しかし幼子に罪はないと迎え入れたが…無用の情けだったようだ。

レスターニサへの毒殺未遂に外交問題になり兼ねん行動は許されるものでは無い。


セルバチコと共にアブラナ国へ行くが良い。

もちろん二度と我が国の地を踏む事は許されん。

ああ…アブラナ国の王も大層憤慨されつおる。楽な暮らしは出来ぬと思え。」


側妃…ではないわね。

セルバチコとルッコラが強制退場すると見知らぬ男性二人も共に退場しました。

どうやらアブラナ国の迎えだったようです。

きちんと管理してくださる事を祈ります。


これでやっと平和になりました。

しかし、アルフレッド様……。


「レスターニサ、アルフレッド殿の捜索はしている。その内見つかるだろう。」


「カタピオ兄様、本当ですか?!」


「ああ。既にアプリコット国に向かったの事は掴んだ。」


「アプリコット国に…。」


ああ…アルフレッド様…。

私は早くお会いして誤解を解きたいです。



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