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ルッコラが地下牢に入って一週間後、幽閉される事が決まりました。


側妃が幽閉された塔の下の階の部屋だそうで親子でギャンギャン騒がしくしているそうです。


処刑にならなかったのは側妃が他国から嫁いできた王女で、戦争にはしたくないので二人共生かされたよう。

まあ、私としては幽閉で十分ですわ。



それよりもアルフレッド様です。

美青年に成長されて婚約者がいないのは把握しておりました。

しかし紳士と言うには些か女性に軽口を囁くと…私以外を口説くなんて許されませんわ!


陛下(おとうさま)から婚約の打診をしていただきましょう。

邪魔者(ルッコラ)はいなくなったのです。

アルフレッド様は第五王子でらっしゃいますし、大国キャッサバ国の王女という立場ならばお断りは無いはずです。


婚約者になってから少しずつ距離を縮めていき結婚する頃には周りも認める仲睦まじい夫婦に…。

なんて素晴らしい未来!!


早速陛下(おとうさま)に会わなくてわ。


「キャロット。」


「はい。御用でしょうか。」


陛下(おとうさま)に会いたいの。」


「伺ってまいります。」


キャロットは元々ルッコラの侍女でしたが不憫な扱いを受けていたので私が貰い受けました。

とてもしっかり者で頼れる存在です。


キャロットが退室してから三十分後、戻って来たキャロットは十分後に五分だけお話を聞いていただけると言いました。流石ですわ。


「急ぎお父様の元へ行きましょう。」


キャロットに案内され辿り着いたのは執務室でした。

ノックをすれば入室を許されます。


「お時間いただきありがとうございます。」


「よい。して何用だ?」


「単刀直入に。私は婚約したい殿方がおります。打診をして頂けないでしょうか。」


「ほう…何処の誰だ。」


「アニイドフ国の第五王子、アルフレッド殿下です。」


「第五王子か……。」


やはり第五王子では弱いですか。

陛下(おとうさま)の表情は良くありませんね。

しかし、ここで負けては乙女の恥ですわ。


「アニイドフは穀物の大産地、我が国では扱いの無い黒米等栄養価の高い穀物も作っています。

今まで隣国という事で輸入はしておりましたが我が国での栽培は成功しておりません。


王子ばかりのアニイドフ王家は一から三番目の王子は既に妃を娶り側妃も持たないと宣言しております。

四番目の王子は学者気質で婚姻の意思は無いとか。

第五王子のアルフレッド様は外交に長けた方と聞いております。


この婚約を機に我が国でも栄養価の高い米作りが出来るよう手を貸していただき、我が国からはアニイドフ国が悩んでいる獣害について手助けをしてはどうでしょう。」


「なるほど…確かに、アニイドフとの関係を更に強固なものにする事は我が国の利益につながる。

獣害についても深刻化すればコチラに流れてくる可能性あるが…。」


あと一押し、何が必要そうですわ。

何か無いかしら…。


「お酒……。アニイドフ国内でも滅多に出回らないお酒があるそうですわ。名前は確か…。」


「幻の酒、白光。まるで水の如きクリアな見た目からは想像出来ぬ程の芳醇な香りと滑な舌触りがあると聞く。」


「……。」


「……。」


「先ずは見合いからだ。性格が合わぬ可能性もあろう。」


「ありがとうございます!」


一本前進しましたわね。

アルフレッド様は私の事を覚えていて下さっているかしら。

お会いする日が楽しみですわ。


アルフレッド様は何色をお気に召すかしら。

可愛らしい少女のような清純さか大人びた妖艶さどちらがお好みかしら。


「殿下の興味を引いた女性リストでございます。」


「流石キャロット。明日商人を呼んで。」


「すでに手配済みでございます。明日の昼過ぎに登城予定です。」


「では本日はこの資料を読み込みイメージを確立していきましょう。」


アルフレッド様が今まで声をかけているのは……


お菓子作りが得意な伯爵令嬢、後に日持ちするクッキーを作り携帯食として普及。

乗馬の得意な男爵令嬢、後に馬術講師として騎兵への指南役に抜擢。

フルートの名手として有名な侯爵令嬢、後に笛で鳥を操る術を発見。


「アルフレッド様の…好み?」


「恐れながら、殿下がご興味を示され懇意になさった方々は後に大輪の花を咲かせておいでです。

ご容姿に関しましては規則性は無く、唯一共通します事は華美に着飾る方々では無い事でございます。」


私の今の格好は王族として恥ずかしくない程度に豪華ですが、資料の女性達より華美かもしれませんね。


「キャロット。」


「商人にはお忍び用の品々をとお伝えしてあります。」



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