表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
fallen  作者: 流転
65/178

65

「すいませんライザ遅れました・・・。あぁ、お邪魔しちゃいましたかね」

「イヤ、イマオワッタ」


僕がライザとの待ち合わせに少し遅れると、そこには墓に祈っているライザがいた。それだけで、自然と笑みが零れる。ライザも日々変わろうとしている証拠なのだ。


「それでライザどうしたんですか?こんなに早い時間から話したいって」

「アァ、ソレはダナ。コレからシバラクはアエナクナルとイウハナシだ」

「え?なんでいきなり・・・」

「ニンゲンタチがカエッテクルソウダカラな」

「あー、騎士団と冒険者の遠征がそろそろ終わるという話を最近よく聞きます。確かにそうなったら、僕とライザが秘密裏に会うのは難しくなりますね。そうですね、また騎士団と冒険者がどこかに行ったら会いましょう」

「アァ、シバシのワカレだ」


・・・大丈夫だ。騎士団と冒険者も遠征終わりで暫くは殺気立っているだろうが、それが永遠に続く訳ではない。落ち着いたら、またライザとも会えるだろう。ちょっと寂しくはあるけど、ライザにとってもいい機会となるだろう。


「じゃあこの機会に部族の皆との仲を深めてください」

「イワレナクトモ。ワレをダレダトオモッテイル」

「自称ガルの英雄、でしょ?」

「・・・チガイナイ」


そんな他愛のない会話を交わして、ライザと別れる。暫くしてこの王都は騎士団と冒険者が帰ってきたという話題で持ち切りになった。遠征組の表情は努めて笑顔だ。


「大量だぜ、大量」

「魔物を沢山討伐したぞ!これで一安心だ」


そんな風に騎士団と冒険者が口を揃えて言う。それらに歓喜する群衆を見て、この前の国王の演説と同じ空気が漂っている気がして怖くなる。誰も突っかかることもなく、全員がその流れに身を任せるのだ。しかし、今回は前回とは違った。


「はっ!そんなに魔物を討伐したのを自慢したいのかよ。騎士団も冒険者も、何も魔物を討伐することだけが仕事じゃねぇだろうがよ」

「なんだリク、手柄をたてられたなったことが不満なのか?そう拗ねるなよ」


リクさんがこの流れに一石を投じている。周りが茶化すが、リクさんは素知らぬ風を装い、さらに嫌味を垂れ流す。


「オメェらが手柄に執着し過ぎているだけだろ。そもそも魔物を倒して大厄災が収まるなら文句はねぇが、こんなもの焼け石に水だろ。騒ぎすぎなんだよ」

「な、なんだと・・・」

「騒ぎたいなら騒いどけ。俺様は好きに生きるぜ」


それだけ言い残しリクさんは群衆の群れから外れる。残った群衆がリクさんの陰口を言っていたが、僕には群れることなく自分の行きたい道を生きようとしているリクさんの姿だけが鮮明に記憶に残った。おじいちゃんの件もきっとそうだったのだろう。リクさんは良くも悪くも、自分に正直者なのだ。そんなリクさんだからこそ、この王都ではリクさんははみ出し者なのだ、そう知った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ