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fallen  作者: 流転
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僕の目の前には古びた協会が建っている。中に入ろうと扉を押すと立て付けが悪いのかギギィという音を立てながら開く。埃を捲き起こす風と同時に協会の中に入る。朝日が協会内部に入り込み埃に反射して、幻想的な美しさを醸し出す。


「すいませーん。冒険者組合で薬草採集の依頼を受けたのですが、誰かいませんか?」


すると暫くして奥からシスターがやってくる。


「冒険者の方ですね。依頼を受けて頂いてありがとうございます。早速以来の話に移りますが、ヒエラ草を10本にまとめたのを5束ほど取ってきて欲しいのです」

「わかりました、ヒエラ草を合計50本ですね」

「話が早くて助かります」


薬草についてはおじいちゃんの家でこの世界のことを学ぶために読んだ本の中に載っていた。確か喉の調子が良くなるだけではなく、体のだるさもいくらかとれる薬草だったはず。そうと決まれば早速出発だ。


「では行ってきます」

「お気をつけて、貴方に最高神ガダーディス様の加護がありますように」

「・・・僕はガダーディス信者ではないので」

「それは失礼しました。差し支えなければどの神様を崇めているのか伺ってもよろしいでしょうか」


思わず漏れた僕の本音を聞き漏らさずに質問してくるシスター。もうここまで来たら隠さずにを言ってしまった方がいいかと思い、本当のことを言う。


「僕が信仰するのはイスファ=リアです」

「イスファ=リア、というのは・・・。あの、もしかして伝説上の命照らす大樹のことですか?」

「はい、そうです。そのイスファ=リアです」

「なんというか、その不思議ですね、伝説上の存在に敬意を払うというのは・・・」

「不思議、ですかね?貴方たちも神という存在を信仰しているのだから同じだと思いますけど」

「最高神ガダーディス様は実際に存在します。我々の魔法も神の奇跡を真似したものですし、呼び寄せの魔法を使えば実際に神の恩恵をその身に受けた勇者が現れます。我々は最高神ガダーディス様がいるからこそ大厄災という神の試練を乗り越えられ、そして成長するのです」

「・・・」


シスターさんが長々と神について話してくる。それは神を絶賛する内容で、このガダードという星が神の実験場になっていると僕が今言えば殺されてもおかしくない、そんな剣幕だった。まぁ人の考えは人それぞれだし、僕は他人の意見を否定する権利を持っているわけでもない。


(相手を理解するには相手の背景や生い立ちを理解してから、だよねおじいちゃん)


僕の隣におじいちゃんは居ないけど、今僕が怒りを表すといつものように優しい眼差しを向けてくるだろう。そしてこう言うんだ。昔の顔をしていたぞ、って。だから僕は笑顔で見送るシスターに向けて笑顔を返しながら薬草採集に出かけた。

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