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fallen  作者: 流転
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「さてとじゃあ俺らも現場検証をしていくか、お前は最初だから俺のやることを見とけよひよっこ」


相変わらずひよっこひよっこ五月蝿いじいさんだ。一昔前の時代遅れな探偵を彷彿とさせる。そんなことを考えていたらおっさんがあの刑事と挨拶をしている。


「初めまして、依頼人から依頼を受けた幸田探偵事務所の幸田源之助と言います。現場は荒らさないようにしますのでよろしくお願いします」

「これはご丁寧にありがとうございます。私は五十嵐幾蔵と言います。こちらこそよろしくお願いします」


物腰が柔らかく人当たりのいい中年刑事のような印象を受けるその男の名前を記憶する。五十嵐幾蔵か、覚えたぞ。だがあの顔、どこかで見た記憶があるような・・・。しかし俺の思考はすぐに途切れる。


「おい集中しろ。出来るだけ警察の足を引っ張らないように、そして依頼人のことを最優先に考えて行動する事」

「分かっていますよそんなこと」

「分かってねぇから言ってんだろうが。一刻も早く犯人特定となる証拠を見つけて依頼人の無念を晴らしてやるぞ」


しかし犯人捜しは難航した。事件は物取りと怨恨、二つの路線から捜査したが被害者は特に誰かの恨みを買っていたというような事実はなかった。これは依頼人本人も言っていたので事件は物取りの路線で進んだが、物取りというのは犯人特定が困難を極める。凶器も持ち去られており、指紋もついていない。事件は暗礁に乗り上げていた。


「おうひよっこお疲れ。今日も収穫はなしだ。やるせねぇな、依頼人の泣き顔を見るってのはよ」

「はい、そうですね・・・。正直ここまで捜査が難航するとは思っていませんでした」

「すぐに犯人を捕まえられると思ってたか?」

「思っていましたね。心理学を習ったので、犯人の考えてることなどすぐにわかると思っていました。この世界は厳しいですね」


俺は適当に話を切り上げようとする。まぁ今回の犯人が見つかろうが迷宮入りしようが、俺には関係ない。もし迷宮入りしたら運が悪かったってだけだ。他の事件を頑張って解決すればすぐに信頼も取り戻せるだろう。


「・・・おいお前。本当に大学で心理学習ったんだろうな?」

「嘘なんてつきませんよ、源さん」

「それならなんでテメェは依頼人の前に本性を表さねーんだよ!依頼人の前で仮面をつけっぱなしにしやがる!落ち込む依頼人にかける言葉の一つもねぇ!答えろひよっこ!」


急におっさんの雰囲気が変わる。なんだ?いきなり激怒してきて。話の脈絡も何もなく、俺が間違っていると決めつけて上から目線で物を語る。こいつはあの警察や野次馬、住所特定者と同じ部類の人間だ。何を熱くなっているかは分からないが、言われ放題を許す俺じゃねぇぞ・・・。

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