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fallen  作者: 流転
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「先生、長い間お世話になりました。先生のおかげで無事卒業できます」


俺はお世話になった先生に感謝の言葉を伝えた。実際に大変感謝している。先生に心理学というものを教えてもらい、母とも元通りになったのだから。


「私を拾ってくれる探偵事務所も見つかって良かったです。私の様な不肖者を拾ってくださって、探偵事務所の所長には感謝の念がたえませんね」


先生は何も言わない。俺の話を一通り聞くつもりなのだろう。そういう先生の気遣いが出来るところも素晴らしいと思う。


「まずは功績を立てて、ある程度有名になってから親友の捜索に乗り出します。警察を頼るときもあるでしょうが実績さえあれば大丈夫でしょう。舐められないように、私を恐れるように頑張ります。全ては親友を見つけるために」


ニッコリと嗤う。警察にはいろいろとお世話になった。リューが見つかった暁には、警察よりも俺という正義を目立たせてやる。警察から正義という建前を引っぺがし、本質を社会に曝け出させてやらないとな。そこまで考えたところで先生が口を開く。


「勝、正直在学中のお前には色々ときついことを言った自覚はある。大学生はまだ自分の考えを制御することなんて出来やしない。それなのに俺はお前を正そうとしていた。日に日に変わっていくお前を見て、生き急がせてしまったと反省している。すまなかったな・・・。」

「先生、何言ってるんですか?私は先生に本当にお世話になったんですよ。そんな先生に頭を下げられても、反応に困りますよ。見ていてください先生、すぐに龍之介を見つけて見せますので。吉報をお待ちしていてください」


そうだ先生にはお世話になった。過去の事件を調べていて気になることも見つかったし、両親とも和解した今、まさに順風満帆と言えるだろう。ネットのニュースを見る。今日もどこかで事件が起きて、住所特定を試みるものが現れている。目立ちたくない匿名希望の有象無象が、リストラされた容疑者を虚仮にしている。リストラされた人の気持ちすら理解できないやつらがほざいているのを見て、反吐が出る。見ていろ、八代勝という探偵のデビューを。正義の皮をかぶった悪の警察と愚民。それらに鉄槌を与えてやらねばなるまい。くつくつと笑みを浮かべる。


「・・・何かあったらいつでも俺のところに帰って来いよ。俺はいつでも変わらずお前を出迎えてやるからな」


後ろで先生が何か言っているが、聞こえないふりをした。


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