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新時代

作者: スゴロク

 「別れよう」

 どちらからともなく発せられた最後の一言が会話に終わりを告げた。もぞもぞと体を動かし、男性と女性はテーブルを去りレジに歩いていった。

 ふう、とため息が出た。最後まで顔を上げることができなかった。こういう時スマホを見る他に選択肢はない。気まずい時間だった。目がしばしばする。

 何を考えているのか知らないが、ファミリーレストランで大っぴらに喧嘩などしてほしくない。

 店を出るとさきほどの男女がまだ言い合いをしていた。私は俯いた。

 私は二十歳。来年、大学受験を控えている。さっきまで勉強していたがかなりの時間をロスした気分になっている。場所を間違えたか。自室で勉強するべきだった。

 そしてこう思う。切羽詰まっていたり、真剣な表情をしている人の顔を見るのはやはり苦手だ。帰ればノートを開いて勉強をしよう。テーブルに顔を突っ伏して、血眼になって集中しよう。

 さきほどの、喧嘩別れの男女が、別々の方向に向かっていった。

 帰ろう。もうひと頑張りだ。

 

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