人の振りをする。
0歳の頃から、否、母親の腹の中に居る時から人に在らず。
産声を上げて誕生したのが運の尽き。
まずは手始めに、母親に気に入られようとおどけてみた。
人の振りをする。
けれど母親は僕の正体に気づき、憎しみ、不気味に扱った。
僕は笑うことを覚えた。
僕の正体を見抜く人々はきっと利口な人々。
人の振りをする。
死んだ魚の目に映る僕。
人の皮を被った何か。
何故愛してくれないのと問う君に、精一杯愛情のある振りをする。
けれど結局は、君だっていずれ僕の正体に気づいてしまう。
人の振りをする。