表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

その名はファイ

申し訳ございません。間違えて即投稿してしまいました。まだ途中です

「私はファイ。よろしくね」



 スライムを倒し終わってからの休憩時間。見渡す限りの草原に尻をつき、湿気の多い不快な風を浴びていると、女神さまが自己紹介を始めた。


「火の女神よ」


 差し出された手をおずおずと握り返し、頭を垂れる。


「俺のせいで女神様をこんな世界に……大変申し訳ございません」


「いいのよ。仕事に飽きてたところだから」


 まるで女神のような――実際女神だけど――笑みを浮かべたファイ様。なんと神々しい。


「これからどうしましょうか」


 俺が訊ねると、ファイ様は遠く、遠く、豆粒のように小さななにかが見える方角を指さす。


「あっちの方向に街があるわ。なかなか大きな街よ。そこで拠点を構えて、異世界を堪能しましょう」


「はあ」


 なにか考えがあるのだろう。俺をここに転生させてくれようとしたのだ、きっとこの世界に詳しいのだろうと推察する。なにも知らない俺からしたら、それに従うのが至極当然といえる。


 しかし。


「遠すぎませんか? 歩いて向かったら何日かかるか分かりませんよ?」


 6年以上引きこもりだった俺には、スタミナなぞない。1時間も歩けないだろうことは断言できる。


 そんな俺に、豊満な胸に手を置いたファイ様は得意げに笑む。


「女神様に任せない」


 なんと頼もしいのだろう。思わず膝まづき、拝んでしまう。


「うむ苦しゅうない。崇める心を持つ人間は嫌いじゃないわ」


「ありがたや」


 本当にファイ様には申し訳ないのだが、それでも仲間として一緒に――強引だが――来てくれたことに感謝。


「じゃあ行くわよ。ほら、手につかまって」


「あ、はい」


 少し躊躇してからファイ様の手を握る。顔が熱くなるのを感じた。






 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ