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並行世界  作者: さと
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2話

 4月25日


 3週間たった。食・住は、サバイバーな生活環境としては安定してきたが、いまだ生きた人には会えず。


 敷地内に小川からの引込みが完成したから畑ができないかと思い立ち、野草を移植したり何かの種を植えてみたり、じゃがいもを試しに植えてみたりしています。


 町の移住してきた大字部分は、多分探索したと思う。町の他地区まで探索する為にこれ以上歩くとなると、泊まり込みになっちゃうからこれを行うにはまだ怖いし。


 実際、ここまで生き延びれた要因は、並行思考『ミサキ』のおかげだと思う。俺自身は記憶力って自信がなかったけど、ミサキのおかげで俺が前世含めて見聞きしたもの全てが最適化されての情報提供。

 葉っぱを見て「これなんだ?」って思ったらさ、即座に植物図鑑の解説が音声付きで目の前に表示される。

 藪の中を歩いていても、周辺検索をお願いしている場合は、普段なら見落としているようなものでも即座にマーキング表示が出る。ついでにマッピング機能がついていることも数日前に判明。


 ま、そのおかげでさ、生きていない人には会えたけど。



 ◇◇◇


 遡って4月21日


 今日の探索は、キャンプから見て南にある山に行ってみようと思う。この山を越えたら町の違う地区に到達できるけど、実際、遭難の危険もあるしな。


 やはり、元の世界で道がついていたと思われる地形は幾分か歩きやすい。沢が横を流れていて、獣道みたいになってるから。

 元の世界でのこの辺りは、植林がしっかりされていてさ、最後に見たときは花粉で空が黄色くなっていたな。

 とかなんとか考えていると、勾配が急になってくる。見渡すと崖も見えるし、崩落跡もある。流石にこのまま登るのは足場も悪いし辛いなと思って登りやすい場所を暫く探す。

 崩落跡もある沢から離れるように歩きやすい道を探していると、「要確認求めます」とのミサキの電子的な音声がした。視界に矢印が表示され、先程流し見した木の根元の藪に視線を戻す。


 そこで見たものは、元人だったもの。錆びずに光っている刃渡り3尺位の山刀と、白骨化し獣に襲われたか死んだ後に食われたかした散乱した人骨。だって、骨に齧られた様な跡がついてるし。骨の一部には服らしき布を纏い、ブーツの片足も落ちている。


「ミサキ、この事態は俺にも危険があると考えて間違いないよな?」

『遺留物を収集次第、撤収すべきです』


 思わず声に出して確認しちゃった。即座に回答ありがとう。ついでに、収集すべき物をマーキング表示ありがとう。


 この後、遺骨を集めれるだけ集め、木の根元に埋めた後、ミサキに周辺警戒を重ねてお願いして向いて小走りに戻りました。



 ◇◇◇


 本日の成果。

 この世界に人が居る。文字もある。拾ってきたバックパックに入っていた木簡?木の板を革紐で綴じた帳面に書いてある。日本語じゃないけど俺には読める。うん、小遣い帳?な訳ないか。売買の出納簿かな?物の名前と金額が書いてある。あの人は行商人だったのだろう。

 他にバックパックに入っていたものは、鞘付ナイフが2本、金・銀・銅のメダルの入った革袋、麻の布、何かの種が6種類、塩の塊が数個、毛皮モフモフの1畳サイズの敷物?中には羊皮紙?紙じゃない革みたいなものでできた古びた本が3冊。そして、鍋が数種類!

 その他には、葛籠が二つ。中身は、一つの葛籠は麻や木綿の布がたくさん。もう一つは、食糧でも入っていたのか上籠が食い破られていて中身は空。下籠だけでも使い道があるだろうと持ち帰ってきたものだ。


 改めて南の山に向かって手を合わしています。



 ◇◇◇


 5月2日


 午前中に周辺整備を行い、休憩。午後は探索を行い、日が高いうちにチャンプに戻りのんびり。これ、もうルーチンです。


 休憩や、のんびりしている時は、手に入れた本を読んでいる。わざわざページを捲らなくても、ミサキに頼めば目の前に文面が投影されるが、なんとなく本を手に取ってしまう。

 この入手した3冊、写本のようで、内容はすべて同じもの。


 題名は、『魔導の基礎知識』。魔術の行使に伴う基本的な解説書だ。


 掻い摘んで内容を説明すると、体内の魔力を使用し、これを起爆材として自然界の魔力に干渉し術を行使する。魔力を導くから魔導だと。

 この起点となる体内魔力総量が少ないと、体外の魔力にうまく干渉できない。ただし、歴史上の偉大な魔導士は、体内魔力使用の効率が良く、少ない力で干渉できる。ただし、効率化を自得するまでには、体内魔力を使用しての試行錯誤が必要なため、やはりある程度豊富な体内魔力総量が必要らしい。


 行使する術に対し体内魔力残量が少ない場合、通常は術として不発の上の眩暈や体の変調があり、魔力残量より大幅に食い込む時は、運が良くて昏倒、悪くて死亡する。危いよね。経験を積んだ魔導士は、体感的に魔力残量がわかるが、訓練中や駆け出しの魔導士は限界を見極めずに行使しようとするため、注意が必要だとの事。ホントに注意が必要。


 そして、術の行使。これは、明確な行使する意思が必要。体内の使用する魔力、これが干渉する自然界の魔力の範囲・量、どの様な作用・効果を発現するか、又、持続性は等々。これは今日までの実験により、裏取りできてます。


 この、術の行使に一番必要なのは創造性かな?


 例えば、本を読んだ直後に試した『我が血の求めによりここに云々』と、中二病を発症してみたけど何も起こらず。

 次に試したのが、指鉄砲を作り北の山を狙い、『体内の魔力を使用し、この指先から延びる範囲で光を収束・照射を行う』と、言ったとこと、気が付いたら夕方だったはずがお日様が天高く昇ってました。ミサキの声が頭の中で『現在回復中…魔力量0.8%、危険範囲です。…』と繰り返してました。


 死ななくてよかったよ。

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