超短編 砂海の舟渡
久しぶりの投稿で、覚えている奴がいるかな。必勝祈願をこめて、これをつけておこう。
うぐっ、心臓と喉ぉ
あとこれおまけね
ぐわぁ、何故か股間にもぉ
砂海と呼ばれる場所がある。
もとはただの砂漠だったのだが、砂の質が変化して非常にきめ細やかになり、絶えず流動する液体の様になり砂海と呼ばれるようになったという。
さて、この砂海、ある大陸の国と国の国境沿いに存在し、国同士の貿易に使われる経路の一つになっている。つまり、砂海にはそれを渡るための乗り物が大量に行きかっているということだ。
それらは渡し船と呼ばれ、その船で砂海を渡る者を舟渡と呼んだ。
これは、舟渡と、その船に乗船した旅人を巻き込んだ。ちょっとした事件のお話。
§
「すみません」
突如として掛けられた言葉に、新米舟渡のグライは一瞬硬直した。
「は、はい、なんでしょう」
少し口ごもりながらも、ちゃんと応対できた。グライはとりあえず自分が舟渡として。一番最初の関門を突破できたことに内心で胸をなでおろした。
グライに声をかけてきたのは、古びて色あせた外套を着て、フードを深くかぶり、大きな背嚢を背負った若い女性だった。
「あの、舟渡をお願いしたいのですが」
グライの心臓が高く跳ねた。(やっぱり、舟渡の依頼なんだ。・・・・・・まあ、ここに来る人はみんなそうだよな)
グライが居るのは、砂海の西側、陸地と砂海の境目に存在する港町ゾーイ、その桟橋のそばに浮かんだ渡し船の上だった。
舟渡に依頼をするにはいくつかの形式があるが、今回の形式は、依頼人が舟渡に直接依頼するものである。(しかし、この形式がとられるのはそれなりに名が通ってからのはずだけれど……)グライはとりあえず、この少し風変わりな依頼人に、詳しい依頼内容を聞いた。
「わかりました、どちらまで?」
「東の港町の・・・・・・ええと、「インテ?」はい! インテまでお願いします」
インテとは、同じように砂海の東側にある港町だ。距離はなかなかに遠く、グライの所有する船では、だいたい三日はかかる。
「インテですか・・・・・・」
グライは少し頭を悩ませた。グライはつい昨日自分の渡し船を持ったばかりの新米で、インテに自分一人の力量で渡ったことはないのだ。
グライが思慮していると、依頼人の女が話しかけてきた。
「あの、無理そうですか」
女の顔はフードに隠れて見えないが、その声色は不安げだった。
「いえ、大丈夫です!」
思わず大声を出した自分に、グライははっとした。なぜこんなにも、意地でも張っているように声が出てしまったのか。そんなことを考えているグライに、女は嬉しそうに話しかける。
「ありがとうございます! 私、イーリっていうんです、よろしくお願いしますね」
「は、はい! こちらこそ、よろしくお願いします」
イーリと名乗った女性に、グライは少し照れ臭い気持ちで返事をした。しかし、新米とはいえ一端の舟渡であるグライは、すぐに依頼の詳細をイーリに聞いた。
「ええと、いつ頃出発しますか?」
「できるだけ早くお願いします」
「できるだけ早く・・・・・・じゃあ、明日の朝ごろにここに来てください」
「わかりました、では、また明日」
「はい」
イーリが去ったあと、グライはほっと息をついた。
(おかしな女の人だった。なぜわざわざ桟橋まで来て俺に依頼したのだろう)グライはイーリがなぜ自分を選んだのかわからなかった。
なんであれ、グライが仕事を受けたことに変わりはない。早速グライは仕事の準備に取り掛かっていった。
§
「おはようございます」
桟橋で、渡し船に荷物を詰め込んでいたグライは、背後から投げかけられたあいさつに一瞬身が固まり、危うく荷物を落としそうになった。後ろを振り向くと、昨日の女性、イーリが立っていた。彼女は今日も、フードを深くかぶっていた。
「お、おはようございます・・・・・・その恰好は?」
「ええっと、何かおかしいですか?」
イーリは昨日と同じ外套を着ていた。昨日と違うのは、その背中に大きな背嚢を背負っていることだ。
グライが反応したのはその背嚢ではなく、昨日と同じ外套を着ていることだった。
「その外套だと、砂蜥蜴に食べられちゃいます。」
彼女の着ている外套は、ごわごわした麻製である。これの何がいけないのか、彼女は専門家であるグライに聞いた。
「どうしてこの格好じゃいけないんです?」
「すみません、説明してませんでした。砂海には砂蜥蜴という、植物に由来する物を持っていると襲ってくる生き物が居まして、だから、植物に関係する物は持たないよう。昨日イーリさんの依頼を受けたときに説明しなければならなかったんです」
グライは、桟橋付近にある小屋を指さした。
「あそこに行けば、どのような物を持っていると、砂蜥蜴に襲われるか、教えてくれます、もう少し準備が必要なので、その間に、行ってきてください、植物関係の物は、陸路でインテに送るよう手配できます」
「わかりました、行ってきますね」
イーリはグライの指さした小屋へ向かった。
しばらくして、イーリは小屋で渡された実に重い外套を着こんで、グライのいる桟橋に帰ってきた。
グライはもう荷物を積み込み終えて、依頼人を待って手持ち無沙汰になっていた。時折自分の船の、各所を動かして、簡易的な点検をして、暇をつぶしていた。
「お待たせしました」
「いえ、こちらの不手際で、お手数をおかけしました、船の準備はもう済んでます、出港しますか?」
イーリはグライを真正面から見据えていった。
「ええ、今すぐにも、行きましょう」
その目はこれから始まる、初めての砂海渡りを前にして、興奮と期待を隠し切れない。純粋な目だった。
「・・・・・・わかりました、では、乗ってください、すぐに出港します」
グライに言われて、イーリは渡し船の中に入った。渡し船は、イーリの身長の二倍ほどの長さと、1,5倍ほどの高さの、帆のない、櫂で漕ぐ船だ。
イーリはスオート(腰掛梁)上に座り、出港を待った。
グライはほんの少し、恐怖を感じ始めていた。(俺はちゃんと漕げるだろうか、このつかみどころのない砂海に、上手く櫂を漕いで進めるだろうか。)グライは今、初仕事の緊張から、自分が今までに培ってきた舟渡としての経験を、すっかり忘れていた。しかし、グライは櫂を取り出し、砂海に、その先を触れさせた。
櫂越しに感じるさらさらと流れる砂粒の感触が、彼の心を躍らせた。この時、彼は自分がこれまで何をしてきたのか、これから何になるのか、はっきりと分かった。はじめは恐る恐るだった櫂の動きが、だんだんと小気味よく前後に漕がれ始めた。
渡し船はやがて、太陽が照り付ける砂海に飛び出していった。
「わあ・・・・・・」
後ろから、思わずこぼれ出たような感嘆のため息が聞こえた。グライも同じ気持ちだった。
やがて二人は歌い出した。この国に古くから伝わる。船乗りの唄を・・・・・・
§
「あの」
イーリが声をかけてきた。櫂で舟をこいでいたグライは、その動きを少しも遅らせることなく応じた。
「なんです、そういえば、あなたの名前、なんていうんでしたっけ」
あ、しまった。グライは全くそのことを忘れていた。自己紹介をするのは舟渡の基本だ。二日から三日の間一緒に航行することになるのだ、依頼人からの信頼を得ることは舟渡の最低条件といえる。
「グライ、です。僕の名前は」
なるべくそっけなくグライは言った。グライは自分の負い目をこれ以上増やしたくなかった。ただでさえいろいろとイーリに説明しそびれているのに、これ以上何か後ろめたさを感じたくなかったのだ。しかし、彼女を騙すようにしていることが、余計にグライの罪悪感を強くさせた。
「グライさんですか、素敵な名前ですね」
イーリはそんな罪悪感にさいなまれるグライに気づくことはなかった。しかし、イーリはグライよりも早くそれの来襲に気づいた。
「・・・・・・あれは何でしょう」
グライはイーリの方を向いて、彼女の指さす方を見やった。
「あれは・・・・・・まずい、逃げます! 振り落とされないように、底の方を掴んで身をかがめてください!」
イーリの指さした方から現れたのは、何隻かの渡し船の集団、一隻に一人ずつ乗船していて。背中に背負った背嚢からは、剣や銃などの柄がちらりと見えている。
彼らはこの砂海を渡る者たちから財産や食料、時には命まで奪う残酷な盗賊団。彼らの手によって沈められた船の数は百を下らないと言われている。
今や、その恐るべき盗賊団の狙いは彼らだ。グライとイーリは、すぐさま全速力で船を旋回し、全力で漕いだ。
盗賊団は豆粒に見えるほど遠いが、彼らの船には船を加速させるさまざまな仕掛けが施されていて。完全に振り切るまでは、一瞬たりとも油断できない。
グライは櫂を振り回すように漕いだ。船はまるで馬の様に荒々しく進んでいく。しかし、盗賊はだんだんと近づいてきていた。イーリが叫ぶように言った。
「駄目です! 追いついてきている」
その言葉にグライは、冷や汗を一つ掻いた。それでも懸命に船を漕いだ。
しかし、その瞬間は訪れる。
「あっ」
櫂がグライの手から滑った。グライの掴んでいた部分は汗でびっしょりと濡れていた。
もう一度取り直してまた漕ぐも、その間に盗賊はさらに近づいてきていた。
盗賊はもうすぐそこまで来ていた。盗賊は無力な舟渡のすぐ後ろまで近づき。その一人が船に乗り移った。
揺れる船、イーリは思わず、短い悲鳴をあげてしまった。
盗賊はバンダナで口を覆い、背嚢を背負い、ローブのようなものを身にまとっていた。盗賊はグライに殴り掛かった。
グライは殴り掛かる盗賊を何とか避けて、持っていた櫂で思い切り殴り返した。ばこんといい音が鳴り、盗賊は砂海に飛んで行った。
ぼしゃんと沈んでいく盗賊、仲間を救おうと砂海にもぐりこんだ盗賊たち、グライはすかさず船を漕ぎ出そうとする。
また思い切り旋回して、盗賊たちから距離をとった。盗賊たちはまだ仲間の救出をしている。
このままなら逃げられる。グライがそう思った時だった。
ばしゅううん!!
奇妙な、空気の爆ぜるような音が聞こえたと思うと、体中にパラパラと何かが降り注いだ。
グライはそれを見ると、一瞬気を失いかけた。
「これ、植物!?」
イーリの叫ぶ声が聞こえ、何とか意識を取り持つ。
そう、植物である。この砂海にはこの植物のにおいをどこからともなく嗅ぎつけて、それを持つものに襲い掛かるという、厄介な性質を持つ砂蜥蜴という生き物がいるのだ。
イーリはそれを、ちょっと厄介な動物程度に思っていた。しかし、違った。
全く、イーリの思っているような動物ではなかったのだ。砂蜥蜴は・・・・・・
ふと、グライは盗賊のいた方を見た。そこにはもう盗賊の姿はなかった。
イーリはそれを見てほっと安心したようにため息をつき。
グライは、自分に降り注いだものが正真正銘の植物だと理解し、恐怖した。
逃げねば、恐怖に消え入りそうな意識の中で、グライは櫂をやっとのことで握り、漕ぎだした。
その時だった。
光が消えた。
そう呼ぶほかにない現象が、二人に襲い掛かった。
太陽の方角に、何か、巨大な、山のようなものが現れたのだ。それが太陽の陽をふさぎ、光が消えたように感じられたのだ。
一瞬、イーリは何が起こったのかわからなかった。しかし、陽をふさぐものの正体がわかると、恐怖にふさぎ込んだ。
グライは最初から分かっていた、だから、もう、必死に櫂を漕いだのだ。
「種を・・・・・・投げ捨ててください」
「え?」
「船に入った種を拾って、砂海に捨てるんです! そうしないと、ずっと追ってくる。」
イーリは一瞬。どうして私がそんなこと、と思った。しかし、陽をふさぐ巨大なものが、身じろぎ一つする気配を感じて、それどころではない。と、グライに言われた通りに、船の底に散らばっている種を掴んで、砂海に投げ捨てた。
しかし、植物の種は小さく、見つけることも、投げ捨てることも、非常に困難だった。
その間にも、山は、その大きさからは想像もつかないような速度で二人を追ってくる。
その時、グライが起死回生の手法を思いつく。
「降ります!」
言ったとたんグライは行動した。船から飛び降りたのだ。砂海の砂はすぐさま、グライに襲い掛かった。グライは砂に飲み込まれて姿が見えなくなった。イーリはそのさまを見て恐怖と心配の気持ちの双方が沸き上がってきた。
この砂海は、入れば二度と出られない、底なしの海でもあるのだ。そういう場所であることを知っているイーリは、近づく山も気にせず、グライの名を叫んだ。
「グライさん!」
その叫びは、虚しくも砂海に飲み込まれる。
はずだった
「イーリさん! こっちへ!」
はっとして顔を上げた。砂海の波間に、グライの姿が見えた。グライは何かを掴んでいるような姿だった。
「大丈夫です。こっちに! 早く!」
イーリは、砂海への恐怖を断ち切り、グライのいる砂海へ思いっきり飛び込んだ。
イーリが砂の中に入っていたのはわずかな間のみ、暗い砂の中で目をつぶっていると、何かに捕まれるような感覚の後、イーリの体は勢いよく引き上げられた。砂面上に上がったイーリは口に入った砂を吐き出した。そこには櫂を握ったグライが居た。櫂は砂海に沈まないようだった。イーリはグライに櫂をつかまされた。
迫っていた山は、種が乗った船をじっと見つめ、がぱっと口を開くと、ずるずると飛び出たぶつぶつの突起を持つ舌のようなもので絡め取って、口のようなものが開いたところに戻っていき。口の中に飲み込んだ。
「畜生ッ! 俺の船がッ!」
グライは、命を狙われなくなったことに安心し、船を失ってしまったことを悔やんだ。
「・・・・・・ごめんなさい、私が急がせたばっかりに・・・・・・」
イーリが沈んだ表情でグライに謝った。
「え?」
一瞬、グライは自分が何を言われたのかわからなかった。
理解した直後、グライはとてつもない怒りに包まれた。これは彼女のせいだろうか。いや、違う、俺のせいだ。これは、すべて俺のせいなのだ。
それをなぜ、この人は自分のせいかの様に、俺に謝るのだ。グライは怒りのままに言った
「謝る必要なんてありませんよ、これは僕のせいなんですから」
「でも、グライさんの船が・・・・・・」
「船が何だっていうんです。命があるだけいいでしょう。それに、船をなくしたのだってつまるところ僕のせいなんですから」
さっきまで船を失っていたことを悔やんでいたグライだが、この時、グライの中で、船の価値はないも同然になっていた。
「・・・・・・そうですか?」
「そうです」
「・・・・・・そうですか」
イーリは少し落ち着いたようだった。
「それよりも、早くインテに向かわないと、幸い、ほんの数時間で、つきそうですが」
グライはしがみついていた櫂から片手を放し、砂海を泳ぎ始めた。
イーリはその姿を見て、自分も何かできることはないかと、とりあえず、自分も手で砂海を漕いだ。だが、すぐに疲れてやめざるを得なくなった。疲れたグライを励ますことしかできなかった。
グライとイーリはインテまでの航路で、少しずつ言葉を交わし始めた。
「イーリさんは、どうしてあの時、僕に声をかけたんですか?」
グライは初めにイーリに遭った時のことを思い出した。桟橋のそばで、他の舟渡がごまんといる中で、どうして自分を選んだのか、グライは知りたかった。
「えーと、ちょっと失礼な言い方になるんですけど、なんとなくです」
「なんとなく?」
「はい、桟橋まで来て、一番最初に目に入ったのがグライさんでした」
なんとなく。確かに、普通だったら、その言い方にはむっと来るものがあった。ロウ。しかし、いま、グライの中には、特別な感慨があった。
グライはうれしくなった、漕ぐ手は疲れていたが、元気よく漕いだ。
数時間後、朝方に二人は無事に港に着いた。その後、二人は船がない状態で港に流れ着いたことで、いろいろ事情聴取があったせいで、解放されたのが昼頃になってしまった。
「遅くなっちゃいましたね」
「はい」
「多分そろそろゾーイに預けた、植物に関係するものが届きます。取りに行きましょうか」
イーリはゾーイで、預けた植物に関係する物を、陸路でインテに届くように手配していた。
「はい、行きましょう」
イーリはグライと一緒に荷物の受取所まで行った。
「・・・・・・実は、嘘なんです」
「え?」
「なんとなくで選んだって言ったの」
道すがら、イーリはグライにこう明かした
「どうしてそんなことを?」
「だって、言えるわけないじゃないですか」
受取所についたイーリは、持ってきた荷物の一つをグライに差し出した。
「インテでプレゼントをあげるなんて」
「え?」
差し出されたのは木でできた時計。
「おめでとうございます、グライ様」
「まさか、イリエ!?」
差し出された時計を見て、、そして、フードを下ろし、あらわになった素顔を見て、グライは彼女の正体に気づいた。
「俺は・・・・・・」
「遠慮なさらないでください、ご主人様は純粋にグライ様の門出を祝っていらっしゃるのですから。」
実は、グライはゾーイの領主の息子だった、しかし、子供の頃から舟渡に憧れていたグライは、領主の後を継ぐことを拒み、単身家を出たのだ。
そして、イーリと名乗った女は、その領主の館で働いている。女従だったのだ。幼い頃からグライとともに育ち、彼女とグライの間には、ただならぬ信頼関係があったのだ。しかし、グライは彼女に何を告げることもなく、家を出た。
渡航中、グライが常に感じていた後ろめたさは、渡航中の不手際のみならず。無意識の中で、イーリがイリエだと気づいていた、イリエに対する後ろめたさでもあったのだ。
グライがうろたえていると、イリエが
「グライ様、でも、私は怒っていますよ」
「うっ・・・・・・」
「でも、許します、グライ様の格好いい姿、いっぱい見られたし」
「えっ・・・・・・」
イリエはにっこりと笑った。
「グライ様、今のあなたはただの舟渡です」
イリエは妙なことを喋り出した。それが一体どういうことなのか、グライには分からなかった。
「あの頃の、領主様の息子だったあなたとだったら叶わなかった願い、今なら叶いますね:
グライは女が何を言おうとしているのか分かった。グライは彼女がそれを言う前に自分の方から言ってやろうと思ったが、口をふさがれた。
「グライ様、好きです、結婚しましょう」
グライは何も言わなかった、しかし、行動で示した。傅き、手を取り、額に押し当てたのだ。これは、ゾーイのある国特有の結婚を申し込む作法なのだ。
この状況でこの作法があらわす意味は一つ。
パラパラと、周りから祝福の拍手が送られる。
そんな中グライは
(これから舟渡としてどうやって行こう、了承しちゃったけど、まだ十分稼げないよ)
グライの思考は、現実的だった。
ごめんなさい