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りかけいおとこの安息なる休日。

作者: 四葉咲大翔

せっかくの休日だと言うのに特にする事が無く、いや正確に言えばしたいことは沢山あるのだがする気にならないといったことの方がまだ状況を説明する言葉としては的確であるか。

だが時間の流れは止まることなく悠久の流れであるのに対して私の思考はこの時間をどう使おうかという楔にせき止められているのだ。

だからこそそのどうしようもないこの感情をどうにかして表現しようとこの文字が羅列された盤面を叩いている。これを楽しいとは思わないが、この盤面は私の満たされない心をなんとか形にしようとして頑張ってくれるのだ。ならば私もそれに応えねばならないとは感じる、別に義務ではないが。

私は椅子を引き机から離れた。


部屋には積まれた無数の小説、やりかけのゲーム機、蒸発して底が黒く染まったコーヒーカップ。


私の思考は一時停止する。確か他にもこうやって休日をどう過ごせばいいか分からないからずっと外の景色を眺めて一日中過ごした事を少し疲れた表情で報告してきたバイト仲間がいたのを私は思い出す。

真似をしてみようか。きっとその行為は社会が循環していく上で金銭的価値が無く無意味な行動であると私の思考は語りかけてくるが、しかし机の上で何もせずさして興味もない画面を見続けている自分は金銭的価値を生み出しているのであろうか。私は鼻で笑った。

ならばいっそ騙されたと思って外の景色を眺めてみようではないか、私は埃のにおいがするカーテンをシャーっと開いた。


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