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Reflection  作者: 染めい
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日常の終わり

私事ではございますが大変多忙な時期に書いた為、とても期間が空いてしまいました。

今は時間も取れるようになったので少しずつ更新していこうと思います。



太陽が照りつける、

もう八月も終わるっていうのに最高気温も更新したらしい・・・



同級生たちは

海だの旅行だの音楽フェスだのとみんな夏休みをエンジョイしている中

僕はというと、昼間から

エアコンの効いた涼しい部屋でネットサーフィンをしている。

海には行かなくとも僕は泳ぐし、旅行はしなくとも世界と繋がっている。

音楽を流せば僕だけの音楽フェスさ。この部屋一つでね。



しかし、虚しい。実に虚しい。

僕の高校最後の夏は何処で間違えてしまったんだ?

人といると気疲れするから一人で夏を過ごしていたのであって、

別に友達がいない訳じゃないんだ

数えるくらいは友達と出かけたしな。地元だけど...。


花火や祭り、彼女なんて浮いた話も一切ないし、「貴方の今年の夏の思い出はなんですか?」と尋ねられても「何もない」と断言できる。


だが、そんな引きこもり気味の僕が今、深夜のコンビニで待ち合わせをしている

腕時計を見ると、8月30日午前一時

もうすぐだろう。と視線を横にやると


「おぉ!開人(かいと)!早いじゃねーか!」


そう言って笑いながら僕の方へやってきた男。

同級生の辰巳祐介(たつみゆうすけ)。サッカー部に入っていて、クラス一女子にモテるやつだ

僕とは生きる世界が違うが、誰とでも仲良くなれる気さくなやつでもある。


「あぁ、僕も今来たところだ」


それを聞いて祐介はきょろきょろと、周りを見た


「なあ、開人。もしかして...お前、独り?」


「そうだよ」


祐介は数秒固まった後、ポケットから携帯を取り出した。


・・・なるほど、みんな来てないのか。


おいおい、冗談だろ?あんなにみんなで行くって話だったのにイケメンと二人きりで隣町の廃校に行かなきゃいけないのかよ

これ誰に言えばいいんだ?「夏はイケメンと廃校に行きました」って

何の自慢にもならねぇぞ?

二人で行ったところで何で盛り上がればいいんだよ


そんな二人の沈黙を裂く様に



「ごめーんお待たせー」


長いポニーテールを揺らしながら女の子が走ってきた。

同級生の千石雅せんごくみやびだ。

陸上部に所属している元気な女の子で、その容姿からは考えられないくらい活発な子だ。


僕と祐介は二人で顔を合わせて安堵のため息を漏らした。


「予定より少なくなったが、もう出発するか!他のやつらは寝落ちしたか用事でも出来たんだろうし。」


そう言うとさっきまでの焦りがなくなった祐介は軽い足取りで歩き始めた。

その後ろを僕らもついて行った。



「あそこの廃校の近くって街灯も少ないし怖いよねーなにか出そうだもん」


雅は楽しそうにはしゃぎ始めた。


「そうだな、都内とは思えないくらいここら辺は暗いからな。まじに何かでるかもな」


笑いながら祐介は言った。


なんか想像してたのと違う。

もっとこう、怖がってるところに僕が男気を見せる。みたいな

そういうの期待してたんだけど、こいつらは逆に頼もしい...


そんな淡い期待とは裏腹に二人は楽しそうに歩いていく。

雅が振り返り、僕の方に気づくと



「口数が少ないけどもしかして、開人君...怖いの?」


心配になったのか僕に聞いてきた。


「いいや、怖くなんかないって」


気遣いは嬉しいがそう言い放った直後、


雅の後ろから物音も立てずに黒い影が「ささっ」、と動いた。

僕は咄嗟に

「うおおぉぉぉぉっ!」

と声を上げ、後ずさりした拍子に尻もちをついてしまった

二人も何事かと振り返るとそこには、小さな子猫がいた。

子猫も僕の声に驚いたらしく、その場で少し固まっていたが

程なくして走って逃げていった。


僕らは猫の姿が消えるまで見送った後、三人で顔を合わせた。



「あはははは!開人君いくらなんでも子猫に怖がるなんてー」


「まったく、開人は怖がりだな」


二人は吹き出す様に笑った。


こんな街灯も少ない道で何か影が動けばビビるだろう?

そんな弁論をしたいが、まず恥ずかしさには勝てなかった。



「いつまでも座ってないで、ほらー」


雅が笑いながら僕に手を差し出した。

これじゃあ男気を見せるどころか見せられてるよ

僕が女ならお前みたいなやつに惚れてるよ、くそぅ



「ありがとう悪いな」



そう言って雅の手を借りて立ち上がろうと脚に力を込める。

それは至って普通の行動、今まで何度も繰り返した動作なのに

脚に力が入らない。


おまけに目の前がチカチカしてきやがった、立眩みだなこれ・・


まるで全身の力を抜いた様に身体が足元に吸い寄せられた。



ごっ、と鈍い音が聞こえた

どうやら僕は倒れたらしい。地面に頭をぶつけた様だが、痛みは感じない。


雅と祐介の心配そうな声が聞こえるけど、

音も遠くなってきたし、考えるのも難しくなってきたな・・・

ダメだ、起き上がれそうにない。少し休もう


僕は瞼を閉じ、暗闇に落ちていった。




ゆっくりと目を覚ますと

僕は自室のベッドに寝ていた。

頭を触ってみたが怪我はない。



_____夢?



机の上に置いてあるデジタル時計は8月29日午前三時になっている。

あぁ、夢か。確かに楽しみにはしてたけど夢まで見るか?

我ながら可笑しいな



「おかえり開人君。」



聞いたことのない女の声が聞こえて

僕は部屋の隅の方を振り返った。



誤字、脱字等あるかもしれませんが

伝わりやすく楽しい作品を作れたらと思います。

是非、御指摘や御質問お待ちしております。

読んでいただきありがとうございました。


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