表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

魔法少女アカネ

魔法使いの少女の名前はアカネ、今は夕飯に夢中だ。

俺と同じく気が付いたら異世界にいたらしく、直前の記憶がなかった。

歳は16、小柄だが年相応に胸が発育している。胸に目が行ってしまうのは悪い癖だ。



で、路銀がなくなって3日前からろくに食べ物にありつけず、道で偶々会ったおれの服に染み付いたレーナ庵の料理の匂いにつられてここまでついてきたらしい。


「ごちそうさまでした!ここの料理は大変美味ですね。」

「美人にそういってもらえると、おじさん益々やるきでちゃうね。」

「わたし、今日泊まるところがないんですう…。」

「なになに、どうした。…ふむふむ。ちょっとお母ちゃんに聞いてくるよ、ジョー君、ここをよろしく。」


レーナ父はちょろかった。そのあと、だいぶ叱られたらしいが、アカネが本当にお金を持っていないこと、今日の時間が遅いことも考慮して、れーなのおばさんは無賃泊をOKしてくれた。



「ふう、ざっとこんなもんやな。」

おれはレーナ父を気の毒に思いつつ、同じ異世界から来たものとして気になることがあったので、いくつか質問してみた。


「えーと、俺はいまからちょうど1週間前くらいにこの世界にきたんだ。君はいつからこっちの世界にいたのかな?」

「3か月前くらいかな。最近は野宿してたから時間感覚がマヒしちゃって。」

「野宿?それってかなり危なくない?」

「大丈夫だよ。私はこう見えても魔術士だから。君よりずいぶん前に異世界に来て、ひたすら魔法の修行をしてたの。この町の魔術師の中じゃ、私が一番強いから。」


かなりの自信家だな。おれも1週間とはいえ、レーナ師匠のガチ魔術修行のおかげで、だいぶ強くなった自覚はある。まあ、召喚術しか使えないから俺自身の強さであるかは微妙だけど。


「じゃあいつも俺が魔法の練習に使ってる中庭で、君の魔法みせてよ。」

「ほほう、いいですとも。そのかわり、君の魔法もみせてね。」



魔術師は常に研究を重ね、独自の魔法を編み出す。しかし、凡庸魔法で知られている「ファイア」のように、いちど術式がわかってしまえば、それなりに練習すれば他の魔術師でもその魔法は使える。

だから、あまり自分の得意魔法を人に教えるべきではないそうだ。


これは、アカネから後できいた話で、当時の俺にくらべると彼女はベテランだった。



そうして俺たちは中庭に出たわけだが、なぜかアカネと一緒にレーナちゃんがついてきた。

「レーナちゃん?今日は修行お休みの日じゃない?」

「アカネさんに手伝ってほしいことがあるって誘われたの。それになんか面白そうだし。」

まあいいか。アカネがちょっと準備があるといっていたのは、レーナちゃんを連れてくるためだったようだが、一体、なぜ連れてくる必要があったのか。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ