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おっちゃん召喚

一週間に一話の投稿です。

ユーナの宿屋は冒険者たちの酒場となっていて、その日の晩は俺が魔法も使わずに盗賊を倒したという話で盛り上がった。

「俺一人の力じゃないし、そもそも運が良かっただけなんだが、、、」

「ユーナ、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるー」

妹は日本にはいなかった。

もし仮にいたとしても、これほどかわいいと思うことはなかっただろう。


他の冒険者が眠りにつく頃、皿洗いを手伝っていた。

「助けて頂いた上に、手伝いまでしていただいてありがとうございます。」

「もしよろしければ、数日は好きなように宿を使ってくれて構いませんよ!」

「ありがとうございます。それより、ユーナさんをお借りしたいのですが。」


「まさか、娘はまだ10歳ですよ」

あわてて誤解を解き、目的を伝える。

だって、魔法が使えるようになったんだぜ、一刻も早く使えるようになりたい。



「ユーナ、ここにいるよ。」

ユーナちゃんは寝る時間には早かったみたいで、魔法の特訓に付き合ってくれるそうだ。

「レッツ・ラ・召喚魔法!」


庭に出ると、ユーナは実際に火の玉を出して、魔法の使い方を俺に教えてくれた。

それから2時間後、手から青白い光のようなものが発せられた。

「お兄ちゃん、ユーナ眠くなったから、続きは明日でもいい?」

「こちらこそ、遅くまでありがとう。」


翌日、一家はとても早起きだった。

これは、とてつもなく健康的な異世界生活を送れそうだな・・・

「あー、おはよう、おにいちゃん」

「おう、おはよう」

朝から元気な妹のあいさつ付きだ。

とりあえず、居場所を探してふらふらしていると、掃除用具が置きっぱなしだったので、恩着せがましいかとはおもったが、掃除を手伝うことにした。

「まあ、おそうじありがと、朝ご飯食べたら、お皿洗いお願いね。」

意外とすんなり受け入れられているようだ、というか、さらっと仕事を押し付けられているような気がする。


結局、一日働かされたが、魔法の特訓は休むわけにはいかない、そう思っていると、

「お兄ちゃん、レッツ・ラ・魔法特訓」



ユーナちゃんに引っ張られるような形で中庭に向かう。

「そういえばユーナは、いつごろから魔法を使えるようになったんだ?」

「んー、私は生まれた時から、というか、物心ついた時から、魔法がせいかつのいちぶだったの。」

「それって、天才ってやつか?」

おじさんの話では、人間の子供は12歳になると魔法学校に入学し、15-20歳ほどで魔法がようやく使えるようになるそうだ。

「ふふふ、気づいてしまったようだね、お兄ちゃん。天才に教わっていることを、光栄に思うがいいよ。」

「へいへい、頼むぜ天才少女。」



昨日の復習が終わったところで、いよいよ精霊を召喚する。


まず、左手に魔力をこめると、夜の中庭に青白い光が浮かぶ。


左手を地面につけると、俺を中心に魔法陣が広がっていく。


魔法陣が畳6畳くらいの大きさになったところで、力を抜いて、それから魔力を開放する。


「出でよ、俺の精霊!!」

この詠唱は適当だ。ユーナは召喚で何が出るか、というところまでは教えられなかった。

とはいえ、初心者の俺に、自分が使えない召喚魔法をここまで教えられたのだから、やはり天才なのだろう。


魔法陣から、光の粒子が立ち上り、精霊が顕現する。

現れたのは、、、

「なんか、おじいさんが出てきたんだけど…」

「ねえ、なんかヒザかくかくしてない?」

いまにも足が折れて転倒しそうである。


「でも、わりとガッチリした体格だね」

異世界でメタボ体系のおじいさんを見るとは思わなかった。


「召喚魔法って、こんな感じなのか?」

「私もわからないよ。明日ギルドに行って、魔術師の人に聞いてきたら?」


おじいちゃん(精霊)は、心の中で強く念じると光の粒子に戻っていった。

試しにその後も召喚を続け、2時間ほど練習したところで、その日の特訓を終えた。


おじいちゃん以外の精霊を召喚する方法はないものか、明日は情報収集してみよう。



翌日は1時間早く起床し、掃除を済ませる。朝食を食べ、用があるからとユーナ母に告げると、帰りに買い出しを頼まれ、一日外出を許可された。


ギルドにきたはいいが、年齢層が高い。

話しかけづらいが、情報収集のため、いざとなればやむを得ない。

ふらふらしていると、暇そうな受付嬢と目が合った。


「シアさん、でしたよね。」

「これはジョーさん、お困りのようですね、新米魔導士のお手伝いをするのも、ギルド嬢の務めです。なんでもお聞きになってください。」

「助かります。じつはー」

「それなら、買い取りカウンターにいるベーゼフさんにお聞きしてはどうでしょう。召喚一筋40年のベテランですよ。」


シアさんにお礼を言って、足早にカウンターへ向かう。

「初めましてベーゼフさん、私は魔導士見習の丈と申します。あなたを歴戦の魔導士と見込んで、少々お話を聞いて頂けますでしょうか。」



昨日の召還されたおじいちゃんは頭つるつる腰よぼよぼだったが、こっちのおじいちゃんは白髪で荘厳な雰囲気漂う、いかにも賢者といった雰囲気だ。 


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