VSカボチ
カボチの実…地球でいうとカボチャのような野菜。皮が恐ろしくかたいが、モンスターに狙われにくいことから、人間には重宝されている。ユーナ母は魔力を使わずとも素手で割れる。
トールの事は割とまともな精霊だと思っていた。
だから、信じて硬い石のような野菜を思いっきりぶん殴った、結果、
小指が変な方向に曲がり、手から血が噴き出した。
「そうじゃないって、割れろって魔力を込めんと割れるはずがないじゃろが!」
ええーーーー。
なんで怒られてるんですかね。そういうとトールは俺の手の痛みもお構いなしに乱暴に手を握り、
俺の手のひらをカボチの実にそっとあてた。
「ほら、割れろって。
念じてみ、割れろって。」
俺は正直、骨にひびが入ったくらい痛くてそれどころじゃなかったのだが、時間がたつごとに
トールが手にこめる力が強くなっていき、割れるまでこいつは俺を帰さないつもりだと悟った。
俺が涙を蓄えた目でユーナに助けを求めると、
「おにいちゃん、がんばって、応援してるよ。」
それから2分ほどして、カボチにひびが入り、更に魔力を送り続けるとカボチは「バキン」と音を立てて割れた。
「お前さんはまだ魔力の使い方がなっていないようだな。そこの女の子に教えたら2秒で粉々にしたぞ。」
「おじいちゃんの力、すごい!これでユーナひとりでもカボチの皮むけるようになったよ!」
ユーナはチートだった。
後で力の使い方をいつものように教えてもらうことにしよう。
けが?ユーナが先月ロキに教わった高等回復魔法で3秒で完治したよ。
ロキは俺に魔法を教えてくれることもあるが、覚えの悪い俺に教えるのが面倒で飽きてくると、
隣の天才少女に魔法を教え、俺への一切の教育をユーナ先生に任せる。
「だから、拳がカボチにあたる瞬間に、手の中に集中させた魔力を解放するんだよ!」
次の日から修業が始まり、ひたすらにカボチを殴り続けた。
ユーナ先生のご指導のもと無心で殴り続けていたら、1週間してカボチを一撃で粉砕できるようになった。
「はあ?この店もカボチが売り切れやと?なアホな!」
イストの街は一時的なカボチの供給不足に陥ったという。




