序章
短いです。
「……………時間ですね。さぁ、行きましょうか。」
「……………………。」(コクッ)
この日、私は----
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私はある裕福な家に生まれた。普通に恵まれた家にだったと思う。だけどそこに私が本当に欲しかったものは無かった。私が欲しかったものは全部妹が持っていた。両親の無償の愛、家族の家族愛、友人の親愛、後輩の敬愛、「愛」と名のつくものは全て妹が持って行ってしまった。
別にそれが与えられなくても特に何も思わなかった。私が生まれて一度も与えられた事のない物を溢れるほど持っている妹をみても。
私には一欠片ももらえない。妹には溢れるくらいもらえる。
私には笑いかけない。妹には満面の笑みを浮かべる。
私には些細なことで罰を与える。妹には何があっても怒らない。
それが普通だったから。それが日常だったから。それが常識だったから。
違和感や寂しさなんか感じなかった。
あの日まではーーーーー。
「この子が私の妹のマリーナです。エドモンド様。」
「初めまして。、マリーナともうします。」
「…………………………………………。」
「…………エドモンド様?」
「……ッあぁ、すまない。…………初めまして妹君。私は君の姉の婚約者のエドモンドだ。気軽にエド、とでもよんでほしい。」
「………ッッッッッ!!!!………………」
「わぁっ!ありがとうございます!ぜひそう呼ばせていただきますね!エド様!よければ私のこともマリーと呼んでください!」
「あぁ。では、これからマリーと呼ばせてもらおう。」
「はいっ!!」
「………………………。」
ツッッッッッ!!!!-----------
この時私は思い出した。私は、いやこの世界は同じ刻を繰り返しているのだと。
妹と婚約者が結ばれることも。
私には幸せになる未来なんてないことをーーーーーーーーーーーーーーー
続くので、それも読んでもらえたら嬉しいなー。