第70話 増えていた古竜からの裸天国温泉パラダイス
到着したスタジアムの内部を見渡す。
「おお、広い、広すぎる、ガーベラ殿、あれは芝生か」
「この天然芝は移動式で、天気の良い日はスライドして外で干していますよ」
「あの天井は開くのか」「はい、丁度、エンシェントドラゴンが帰ってきました」
本当に天井が左右に開き、
古竜が降りてくる、しかも二匹も?!
「一匹ではなかったのか、銀の首輪と銅の首輪か」
「はい、最近ドラールがナンパしてきたドラルマさんですね」
「つがいなのか」「そうです、仲良さそうですよ」「ムムムーン、ただいまと言っています!」
スプーン片手に條辺ラスカル氏が翻訳してくれる、
地下鉄内で聞いた話によればエンシェントドラゴンは人には聞こえない声を出すが、
黒猫獣人があのスプーンを手にすることで会話が出来るらしい、芝生の上で翼を広げる二匹。
(うお、芝生から水が?!)
気持ち良さそうに浴びている。
「叔父様、あれは温泉入浴前の準備ですわ」
「そうなのか、おっと水が止まった、芝生も動き始めたが」
「ダンバム殿、あの下に温泉への入口があってだな、我々もエレベーターへ行こう」
地下への移動中、
エンシェントドラゴンについて尋ねる。
「それにしても、よくあのような古竜を、しかも二匹とは、ハルク殿」
「まあ色々ありまして、人間を崇拝しれくれるらしいです、といっても僕限定ぽいですが」
「なんと、それでは」「お願いすれば何でも言う事をきいてくれますね、最近は彼女さんも」
完全に一国など滅ぼせる戦力ではないか!
エレベーターは壁がまたも透明になっており、
二匹のエンシェントドラゴンが降りて行くのが見える。
「……食費が大変ではないのか」
「基本的には三食マグマですね、最近噴火した山があるので」
「なんと、それを食べに出ていたのか」「あとはたまに、おやつで『竜やみつきチュルチュルゼリー』を100個ずつ」
そうこう話しているうちに、
地の果てへと到着したようだ、
ガーベラ氏がここでも案内してくれる。
「自動受付はこちらです、魔石ひとつ分、あと下着も売っていますよ」
「ありがたい、これは綺麗な、ふむ、質感も素晴らしい」「これも魔石ひとつですよ」
「なんと、まとめて買って持ち帰りたい」「ハルクパークレジデンスの『1魔石ショップ』でも買えますから」
人間用の更衣室へ、
途中で男女別に分かれているが、
その間、中央に家族風呂用の入口もある、『ハルク様貸切』と書かれているな。
<脱衣シーン省略 ※事情により女性陣はバスタオルを巻いています>
ガラガラガラッ
脱衣所を抜け家族風呂へ行くと、
解放感が凄い、天井が遥か上というか、
浴槽は岩を掘ったような感じでその先に崖が。
「おお、エンシェントドラゴンが浸かっている」
「ムムム~ン、毎晩入らないと眠れなくなったようです!」
猫獣人たちもしれっと入ってきているが、
服装はそのままなので、あくまでガイドか。
「さあ皆さん、お風呂に浸かりながらこちらのステージをご覧ください!」
ガーベラ氏の言う方を向くと、
岩盤のステージがあって奥に洞窟が、
そこに黒いカーテン、あの先にはいったい……??
「ではここで温泉ショー『裸天国温泉パラダイス』の始まりです、どうぞお楽しみ下さい!」
♪ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃんちゃかちゃ~~ん!!
カーテンから出てきたのは七体の黒猫獣人だ、
中央には背の高いのが居て、片腕を挙げて挨拶してくる。
「おいっすー! リーダーのベラチョーです、
これから60分間、ベラスターズのコミックショーをお楽しみ下さい、
ベラコージ、ベラブー、カトベラ、シムベラ、ベラチュー、ベラシンジの七名でお送りします、行ってみよう!!」
こうして黒猫獣人による、
大爆笑のおもてなしショーを観たのであった、
ここまでして貰うと何だか申し訳ないし、我々だけではもったいないな。
(ただ、低俗なのもあって陛下に見せるには躊躇する)
だが、アイリスは大満足だったようだ。
おおいに笑ったら腹が減ったな、夕食は早めに、
ここへ到着したときに『ラーメンライス』を奢っていただいたのだが。
(やはり気になる、あれを食べに行こう)
そう、カレーという、未知なる料理を。




