第8話 拠点購入からのお前また来たのか
「よっしゃ500げっとおおおおおおおお!!!」
魔物を倒しに倒しに倒しまくって、
エリア内ほぼ全ての魔物を倒し終えた所で、
ようやく達成した魔石500個、長かった……そして疲れた。
「まだかろうじて日が残ってる、良かったぁ」
さあ、夕方のうちにさっさと建ててしまおう、
東屋の最上位、『六角堂』とかいうのを!!
「場所は、タコ滑り台を中心とした、多目的トイレの反対側で良いよな?」
……うん、ここで良い、
開いた小箱から半透明の立体画面を浮かび上がらせて、
これ確か前世でいうタブレットとかいうやつだっけ立体映像だけど。
「……あったあった六角堂、最後の魔石を箱に放り込んで、購入!」
そして箱の口を向けると……出たあ!!
「うん、瓦屋根で朱色の、立派な建物だ!!」
見た感じ狭いっちゃあ狭いが、
ガラスの窓から中を見ると畳の上で両手両足を伸ばして眠れる、
よし、入ろう! ガラガラガラッと引き戸を引いて中へ……靴は脱いで、っと。
「うん、中に入ると広く感じる! そして……あったあった、これだ!」
エアコン完備!!
うん、リモコンもある、
電源を入れて……おっ、懐かしい電子音!!
(……あぁ、この暖かさ、前世の感覚を思い出す……)
とはいえあいかわらず詳細は出てこないが。
「何はともあれ、これで快適な住居は手に入れた!」
これでやっと、細かい備品を手に入れられるかな?
ええっと、この東屋、他に何か……さすがにコンセントは無いか、
上の灯りは……ってあれ? 無いぞ、これひょっとして、室内灯が……無い?!
「なんでそんな大事な物が無いんだよー!!」
……あっそうか、
ここはあくまで東屋だ、
そう考えると無いのも無理は……いやいやいや困るだろう!
(仕方ない、ここは外に街灯を、園内灯をつけるか)
幸いにも雨戸があるから、
寝る時は真っ暗にも出来る。
「追加の魔石を入手するか」
今ならまだ残りを狩れる、
全て狩り切った訳じゃないし……
ということで夕方のうちに魔石を15個ゲット。
「ひとつは公園街灯、うん、六角堂が綺麗」
図らずもライトアップしてしまった。
「残りの5個で、あったあった単品設備、持ち運びキャンプランプ」
実は六角堂の天井に何か引っ掛ける棒があったんですよ、
それでピンと来た、これは灯りを吊るすんじゃないかって、
探したらこのキャンプランプが丁度良く引っかかりそうだったんですよ!
「さてさてこれで夜も安心、
なんなら夜中だって動かない魔物を倒せるし穴も掘れるぜ!」
となぜか声に出して喜ぶ、
一人だからね孤独だからね独り言も出ますよ、
さあ夕食を寒くなる前に焼こう、とBBQセットで魔物肉を焼く。
(公園でパンを焼く施設とか無いかなあ)
材料はどうする、まあいいや、
しばらくはお肉オンリーでしょうがない、
と焼いて食べているうちに外はかなり暗くなったきた。
「……夕焼けが完全に消える前に、アイツを助けるかぁ」
焼けた肉を少し食べたのち、
冷めたやつをスコップに乗せ、
俺は急いで残っている魔物の方へ向かう。
「いたいた、お前まーた来てたのか、この一角巨大にゃんこめ!」
「ん”に”ゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”~~~~!!!」
「おおこわ、怖いから逃ぃーげよっ」「ん”びゃっ?! んなあ”~~~ごお~~~……」
急に媚びやがって……
「今日は焼いて来てやったぞ、猫舌だろ、ふうふうしてやる」
とはいえ外気ですぐ冷めてるか。
「ん”なあああう」「ほい、あーん」「ん”っ……んみゃいんみゃいんみゃい」
焼いてると美味いかそうか。
「……しばらく喰うとまた口に溜めるのな」「ん”ん”ん”」
「喉が渇くからか、まあいい、水場で残りを喰え、介抱するから森へ逃げろよ」
「んびゃっ!!」「向かってきたらピッチフォークで刺すからな、そらっ!」「んにゃああ~~~」
相変わらず物凄い勢いで駆けていった、
まあいい、それはそうともう完全に夜だ、
街灯の下、もうちょっと肉を食って、腹いっぱいになったら寝よう。
「今夜こそは、熟睡できるぞおおお!!!」
==============================================
一方その頃、辺境伯邸では……
「今夜のパーティーも盛況だったな」
「ええクライヴ様、来賓の方々へのゴーレムの説明、ご立派だったわ」
「今は整備で動いてないと言って誤魔化したが、あのゴーレム、王都で造る兵器に転用したいそうだ」
大ババアが居たら猛反対しただろうが、
死んだ今となっては止める者は誰も居ないだろう、
ババアが勝手に後継者に指名したという弟も、もうこの世には居ない。
(まったく、それがなければ生かしていたものを……)
とにかくもう邪魔者は居ない、
これでこの城塞都市も、それを護るゴーレムも、
そしてこの結界を作っている『秘宝』とやらも父上の、そして俺のものだ。
「あのそれでクライヴさま」「どうしたケティ」
「王都から来た魔道士団の方々が、魔法結界が薄れていると」
「それも同じだ、大ババアが死んでしばらくはそうなったようだが三日で戻った、ハルクのせいだ」
また三日で戻る、
そう高をくくっていたクライヴであったが、
その薄れゆく防御魔力壁は、じわじわと本当に消え去ろうとしていた事を、まだ知らなかった。
(ハルクなんて弟は居ない、そう、最初から居なかった、それを皆に、民衆にも通達するか……父上に相談だ)




