第62話 ハルクパークスタジアムからの王都へカチコミ
「ええっと、あえて徒歩で行ってみたいのですが」
「正門から10分、西門から8分ですが地下鉄ですとすぐですよ」
「あっそうか、ドワーフ地下帝国までの途中だから」「中間駅もセットで設置されています」
そんなにすぐなんだ、すごいな。
「まあ、てくてく歩いて」
「タワマンから正門や西門まで結構ありますよ」
「うーん、じゃあドラモン、ってタクシーにしちゃ悪いか」
ガーベラさんが玄関まで先導してくれる、
いや41階のウチのね、このタワマンの玄関じゃないよ!
当然のごとくフィーナさんアイリス姫もスウェットに着替えて。
「地下五階で待っている方々が居ますよ」
「えっと、あっそうか、一応はそっち方面で駅と繋がったから」
「三人目の鉄道警察官を」「低身長と超爆乳のミニスカポリスが待っているからね」
上層階専用エレベーターから一気に地下五階へ、
何気にエレベーター内で『エンシェントドラゴン移住へ』て文字ニュースが流れてら、
これ天気予報が毎日見られて便利なんだよなぁ『あきにゃんビキニ姿初披露』だって、どこに需要があるんだどこに。
「さあ改札内へ」
「はいはいカードぽちっと」
「きちんともってきておりますわ」「もはやこれが無いと生活できん」
首から下げるICカード、
身分証兼電子お財布だからね、
家から出る時は鍵にもなるから必需品だ。
「きたわね」「お待ちしておりましたぁ~」
「えっと、さな、いえラッキーちゃんと、しず、じゃなくてララさん」
「いよいよ三人目よ」「そろっちゃいますねぇ~」「セクシーギルテなんとかかんとかって前世に置いてきたから」
そんなユニット名は置いといてっと、
あっ、なんだか知らないけど警察官の購入欄、
特殊能力オプション設定済みってある、クリスタルちょっと高め。
「乗るしかないでしょ、このビッグウェーブに!」
購入、っと……
出現させると、なぜか銀のスプーンを持った、
ミニスカポリス黒猫AIアンドロイドが! これが特殊能力?!
「ムムムムム~~ン! 園長初めまして、條辺ラスカルと申します!」
「アライグマかよっ!!」「尻尾は普通に黒ですよ?」「そのスプーンは」
「なんと! これを媒介に、エンシェントドラゴンと会話が出来ます!」「サイキックだ!!」
エスパー爆誕である。
「ではスタジアムまでご一緒しますよお!」
「うん、お願いユッコ」「ラスカルのどこに掛かっているのでしょうか」
「あっごめんなさい」「あんまり変な事を言うと、いくら園長でも怒られますよ?」
地下鉄に乗る、
こっち側のホームは初めて乗るな、
トレインビジョンではマスコットのアニメがプロレスしてら。
「僕らだけですね」「そりゃあ初開通ですから」
「ドワーフ山はまだなんですね」「実は駅をあえて未完成にして、巨大空洞を」
「あー、そういう方法で街を、地下帝国を」「駅舎を先に造ると、それで終わってしまうんですよ」
あれ、姫とフィーナさんは?
と思ったらお弁当を選んでいる、
まだ買ってないな、よし、さっさと呼ぼう。
「おそらくスタジアムにありますよー」
「そうですの?」「それを早く言って欲しかった」
「んじゃまあ、この五人(三人と二体)で」「はい、出発」「しんこ~~ムムムン」
ラッキー&羅良さんに見送られ、
地下鉄が発射する、次はハルクコロシアム駅ですって、
電車内はちゃんと広告もあるんですよ、タワマン内のお店の。
「さあ、到着しましたよ」「本当にすぐですね」
「そして自動販売機です」「ベースボールランチボックスにサッカーボールおにぎり、
なんですかこの『お前、弁当だろ』って」「プロレスラーの覆面型お弁当ですね」
あっ、ちゃんと『エンシェントドラゴン弁当』もある!
「これをじゃあ人数分買います」
「まあ、奢りですの?」「きちんと五人分頼むぞ」
「黒猫さんは食べませんって」「にゃあ」「ムムム~ン」「いや私が三箱喰う」
改札を出ると『本日のイベント エンシェントドラゴン移住』ってあるや、誰だこれ書いたの。
「ガーベラさん」「何も無いと寂しいので」
「ちなみに今後のイベントは」「所属別に野球チームやサッカーチームを作りますか?」
「手っ取り早いのは相撲、ってそれには広すぎるか」「相撲専用の相撲館を、焼き鳥工場付きです」「前にも聞いたね」
お酒の自販機もあってフィーナさんが惹かれているが、
とりあえずはとグラウンドへ、広い天然芝は丁度良いベッドか。
「野球の時は芝が動くんですか?」
「さすが園長、よく御存じで」「札幌にありましたよね」
「ただ、あそこと違って上が、屋根が開きます」「あっ、エンシェントドラゴンが」
ばっさばっさと降りた、
あれっ、翼を畳むとそこまではでかくないな、
サッカーコート半分で寝るには丁度良い、そんな多いさ。
(入ると屋根が勝手に閉じた)
そしてスプーン片手に何か念じるラスカルさん。
「あっ、私が念話をしているので驚いております!」
「で、なんだって?」「思っただけで屋根が開閉するので便利だと」
「……それに何て返事してます?」「散水や人工芝をずらして地下の温泉にも行けますよと」
いやほんと便利な棲家だな。
「ムムム、園長、お礼がしたいと」「その前に」「はいガーベラさん」
「これを」「あっ、ピッチフォーク」「耳の端をカットして、名前を」
「いやこのでかさでカット意味ある?!」「むしろ削るのが少しで済みます」
わざわざ近づいてくれる、
カットして、よしっと、あと名前かあ。
「じゃあドラゴンドラで」「権利的にちょっと」
「ならドラールで」「わかりました」「ムムッ、お伝えしたら喜んでおりますっ!!」
「それでお礼でしたっけ」「一国くらいなら滅ぼして来ると」「ハルク様」「ハルク」「あっはい、じゃあ……」
ここはやっぱり、
王都へカチコミに行って貰おう!!
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一方その頃、王城では……
「スミッペ姉さん、良い歌声ね」
「ええアヤッペ、第二王子の娘らしいわよ」
「どうする? 私たちに歌えとか言われたら」「するわけないでしょ」
いかにも最高級といったワインを呑むふたり。
「さあ、今夜ね」
「ええ、婚約の発表にこぎ着けましょう」
「おほほほほほ」「おーっほっほっほっほっ」
いよいよ今夜、
悪女姉妹達への『ざまぁ』が、幕を開ける。
ごめんなさい、これあと2話はかかりますね。




