第61話 一気に解決からの超ビッグなお客様
チュンチュン、チュンチュン……
朝、ベランダに出ると例の毒々しい顎たぶの鳥が、
わざわざ挨拶の鳴き声をしにきてくれた、そうそう、
足に輪っかをつけて地域インコにしたんだった、名前は朝チュン。
「おはよう朝チュン、とてもインコに見えないけど、ほら」
どっちかというとニワトリだ、
前世でもニワトリはそこそこ結構飛ぶ、
でもコイツは棲家であるアイリス城の屋根から41階のここまで普通に飛んできている。
(インコやみつきチュルチュルゼリーをっと)
うん、美味そうに喰っている、
同じく前世の記憶だと鳥は種類によっちゃあ犬並の知能だ、
ましてや魔物、繁殖させたら卵とか美味しいのかな、後でガーベラさんに聞こう。
「おーはようございまっす!」
(声が、と思ったら上から来た?!)
ベランダの上から飛び降りてきた、
しゅたっと着地、いや心臓に悪いよ。
「どうしたんですか!」
「ドラミンさんと話を、それより園長、おめでとうございます」「何が?」
「借金完済です、一括払い扱いになって、もうローンの心配はありませんっ!!」
え、えっ、えええええ?!?!
後ろから、室内からフィーナさんも起きてきた。
「おはよう、どうした」
「はいおはようございます、タワマンの、ここの借金が全部なくなったそうです」
「建てた借金か、なぜだ」「ガーベラさん」「はい、ベラミロードが向こうでダークネスドラゴンを多数討伐して」
その魔石かあ、
降りかかる火の子は仕方ないが、
その火の子がめっちゃでかかったようだ。
「何匹くらい倒したんですか」
「ダークネスドラゴンの族長一派、22頭ですね、あとその眷属のシャドウワイバーンが多数」
「皆殺しだ! ってドラモンさんは無事ですか?」「ええ、ベラミロードの胸部ハッチから中へ入って安全を確保していました」
なにそれかっこいい!
ていうか中は空洞なのかよ、
いや、おそらく空洞部分もあるって感じだろうな。
「ドラミンさんもびっくりしていました、ダークネスドラゴンは呪いの力が凄まじいので、
竜以外は結界がなければすぐ全身の肉が腐るか精神が発狂するはずなのにと」「機械だからね仕方ないね」
「錆びない素材ですし、意外と物理攻撃にはもろかったようです」「あのでかさじゃあなあ、ビンタで吹っ飛んでたもんね」
じゃあ、あれでもかなり手加減していたんだな、
いつのまにか取り囲んでいたドラゴンも居なくなっていたし、
あと火事もしっかり沈下、まだちょっと焦げ臭さは残ってるっぽい。
「じゃあ戻ってくるんですか」「戻って来ましたよ」
「えっ? あっ、ベラミロードさんが、グライダーか何かで飛んできた?!」
「結局、ダークネスドラゴンの上層部家族を倒した後に事を治めてくれた方ですね」
今度は更に大きなドラゴンにぶら下がっている?!
そして俺の目の前に降りたベラミロードさん、目線が丁度、41階だ、
その横で翼を羽ばたかせて滞空している銀色の超巨大ドラゴン、いやほんとでけえ。
(あっ、ドラモンさんがベラミロードの胸から出てきた!)
そして銀色の超特大ドラゴンにぺこり。
「コノオカタハ、ワレワレガスウハイスル、エンシェントドラゴンサマダ」
「園長、上位の知能あるドラゴン種は、皆この古代竜を崇拝しており何でも言う事を聞くそうですよ」
「そうなんですか」「ただ会話は竜同士の念話、テレパシーですね」「ムムムムムーンってやつかあ」
じゃあドラモン、ドラミンは会話できるのか、頭の中で。
「それで、山奥の生活に飽きたそうで、こちらに引っ越したいと」
「えっ、エンシェントドラゴンさんが?!」「水や食料は勝手に溶岩を喰うので、住居だけ欲しいと」
「あるかなあ」「借金もなくなったことですし、新たなローンで」「ある? 特大竜の棲家」「公園で出来る代替を」
小箱から画面を出す、
あっほんとだ借金表示がなくなっている、
隣の『リボ払いにしますか?』のチェックも、うっかり押させようとするやつ。
(えっと、ええっと……あった、これかな)
20万人収容、屋根開閉式スタジアム、
芝生は散水機能あり、30あるVIPルームは公園避難住居としても可能、
地下にはお好きな施設を設置できます、例:屋内地下プールやカジノなど……
「カジノかあ、大変なことになるな」
「超特大の地下温泉施設にして、エンシェントドラゴンさんがギリ浸かれるようにする手もあるかと」
「いいねガーベラさん、ていうかこのエンシェントさんが居れば」「もうドラゴンには襲われませんね」
ある意味、公園施設としては最高レベルの『スタジアム』かあ。
「でも、払えるかなあ」「規模が規模ですから50年ローンまで可能ですよ」
「利子が凄そう」「計算しますね……ベラミロードが狩りを頑張れば九か月で返せます」
「エンシェントさん、本当にここに住みますか?」「……」「スマワセテクレルナラ、ニンゲンヲ『スウハイ』スルト、イッテイル」
うっわ、まさに『一番怖いのは人間だったとさ』状態だ。
「わかりました、では超大型多目的スタジアムしかも開閉式、ポチります!」
「公園内にも造れますが、ここは」「園外ですね」「ドワーフ山(予定)との間に造れば地下鉄を通せますよ」
エンシェントドラゴン(古代竜)の住むスタジアム、
イベントの時だけでも、ちょっとどいて貰えるかなあ……???
「きゃあああああ??!」
あっ、姫が起きてエンシェントドラゴンみて驚いてら。
「大丈夫だよアイリス、僕らの眷属になってくれるって」
「ほ、ほんとうですの?!」「うん、これからね、だからもう襲われることは」
「でしたら王都を襲ってしまいたいですわ」「姫?!」「このドラゴンで『ざまぁ』致しましょう!!」
急に過激なことを……
「ハルク、姫の命令だ」「いやいやいや、そんな戦争までは」
「ではハルク、私の命令だ」「はい、どう滅ぼしましょう」「園長、まずはけん制から」
ガーベラさんに冷静に突っ込まれましたとさ。
==============================================
一方その頃、王都では……
「アヤッペ、このドレスどうかしら?」
「スミッペ姉さま、素敵ですわ、まさに王城へ嫁ぐ貴婦人」
「例の故・辺境伯から奪ってきた宝石を散りばめていますもの、おーっほっほっほ」「ほーっほっほっほ」
まさに王城まで攻略せんとする悪女姉妹。
「今日の王城パーティーこそが勝負ね」
「ええ姉さま、この国を手に入れる第一歩になるかもですわ」
「「おほほ、おほほ、おーーーっほっほっほっほっほーーーーー!!」」
まさに悪女として生きてきた集大成、
しかし、そのような野望は、もうすぐ打ち砕かれることを、
アヤッペもスミッペも、この時はまだ……知らない。
あと2話予定だけど収まるかな、入らなかったらごめんなさい。
その後に番外編や後日談の執筆も考え中、★評価や作品ブックマークの伸び次第かと。




