第56話 伝説級ドラゴンからのお願いと忠告
「こちらが屋上となります、と言いたいのですが屋内です」
「つまり、どういうことだってばよ、キャプテンベラさん」
「うちの従業員に、山中●の似が居ますよ」「マジでー?!」
昼食にタワマン最上階のレストランでランチをいただいて、
更に上の、屋上に住む地域猫ならぬ地域竜が人気というので、
姫&巨女と見に来たのだが、到着していきなり半透明のシャッターが降りている。
「つまりはですね、何も設定しなければヘリポートだったのですが、
地域ドラゴンの棲家にすることになり、屋上に屋根を設置致しました」
「じゃあ屋上ではないのでは」「上がれますよ梯子で、上はソーラーパネルしかありませんが」
そんなの造ったんだ。
「それにしてもお供え物がいっぱいありますね」
「はい、エルフ族やドワーフ族が信仰しているので」
「魔石まであるんですが食べるんですか?」「これでドラゴンがリクエストする食事を買えと」
お賽銭みたいなもんか。
巨女ことフィーナさんが訪ねる。
「ふむ、ではドラゴンの好物は何だ」
「雑食ですから何でも、当初はオークやオーガが観に来た時、餌と勘違いを」
「それはいけませんわ」「はいアイリスさん、ですので我々で止めました」「良かった」
魔物だからね仕方がないね。
「で、このシャッターは」「はい園長、三段階の二段目ですね」
「なんですかそれは」「ドラゴン側でスイッチを押すと、灰色の壁、半透明の壁、透明の壁になります」
「ああ、つまりはプライベートに配慮して」「ええ、繁殖活動も行っているようですし」「それは見られたくないね」
などと話していると、
シャッターがガラガラと上がった!
「ナンダ、エンチョウノコエガキコエタゾ」
「ドラモンさんこんにちわ、お宅を初めて見に来ました」
「ココハスゴイナ、カイテキダ」「あっ、ドラミンさんも」「アリガトウネ」
黒い竜と白い竜が仲良く寝そべっていて、
近くには確かに特大スイッチが、あとシャッターを上げ下げするレバーも、
ちなみに外に向かってもシャッターがあるな、あれで空へ出入りするのだろう。
(ドラミン側にあるボタン&スイッチは、あっち用か)
それにしても高さがあるな、
あとこの広さなら子育てにも最適だろう、
見回しているとドラモンが供え物の果物とかを回収してら。
(魔石はキャプテンベラさんが手にした)
そして見上げる。
「ドラモンさん、何を買ってきましょうか」
「オイシイモノダナ」「ではバケツプリンを」「ウム」
「アレ、オイシイノヨネ」「園長、ちなみに園長だけが買える良いものが」「あっ、見た見た」
小箱から購入画面を出してっと、
あったあった、『竜やみつきチュルチュルゼリー』猫版の隣に出てた、
必要魔石は多めだけど、以前『ざまぁ』を手伝ってくれたから……二個購入っと、
「ナンダソレハ」「ご馳走です、ご褒美です、今回は以前のお礼と新住居祝いで」
「ハルク、開けるぞ」「はいフィーナさん、じゃあ僕も」「アラ、イイニオイダワ」
「クワセロ」「うわ、匂いだけでがっつきますねえ、はいどうぞ」「さあ喰え、私達は喰うなよ」
僕とフィーナさんから押して渡されたゼリーを、
ばぐばぐ喰う……いやほんと喰いつき良いなこれ。
「キャプテンベラさん、なんだか『餌付け成功』みたいになっていますが」
「ダークネスドラゴンもホーリードラゴンも、この世界だと伝説級なんですけどね」
「そんなにですか」「まず人間の生活圏には来ませんから」「ワレワレハ、ニゲテキタカラナ」「シカタナクヨ」
駆け落ちみたいなもんかあ。
「……フウ、ウマカッタ、マタタノム」「オネガイネ」
「あっはい、いつもとは行きませんが、お願いされました」
「アトコレハチュウコクダ、カナラズ、オッテガクル」「ワタシタチノネ」
あー、禁断のカップルに対するお仲間の制裁か何かかあ。
「お強いんですか?」「ヒャクハクル」「オタガイニネ」
「つまりは合計200匹か、一匹は私に任せてくれ」「フィーナさん……」
「ならわたくしは応援致しますわ」「ええっと、キャプテンベラさん」「ベラミロード一体で平気ですよ」
三百六十度囲まれても、
大丈夫なんだろうか、巨大ロボ一体で……
防御バリアがあるにせよ、持ちこたえられると良いけど。
「ええっと、防衛費を」「ですから平気ですよ」
「信じて良いんですか?」「信じて下さい、出来なかったらサービスで全AIアンドロイドに無料でセクサロイド機能を」
「いや、出来なかったら滅びてるでしょ」「実際にピンチになったら保険として無料で防衛装置を出しますから」「お願いします」
ということで忠告も貰いました。
(地域ドラゴンかぁ、繁殖したらタワマン増やさなきゃ)
帰ろうとしたら、
たまたま来てたエルフさん達がひれ伏してた、御開帳かよ。
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一方その頃、王都では……
「ねえアヤッペ」「なあにスミッペお姉様」
「第三王子が自ら例の辺境伯領へ視察に行くらしいわ」
「それはいつ?」「近いうちですって、ついて来いって言われたわ」
考え込む悪女姉妹。
「いざとなったら、まだ幻術を使おうかしら」
「同じ敵には使えないんでしょう?」「入れ替わっているでしょ」
「まあ、あくまで視察よね」「ええ、もしいざとなったら逃げましょう」
高笑いの出来ない悪女姉妹、
それは嫌な予感がしたから……
果たして廃墟となった旧辺境伯領で、何が起こるのか……?!




