第54話 地下鉄建設からの鉄道警察
ハルクパークレジデンスの地下五階、
すでに駅は出来ている、うん、前世の地下鉄も6両編成×2だ、
駅員の要らない完全自動運転、トラブル要員はこっちで準備しろと。
(鍛冶しないドワーフの雇い先に出来るな)
完全機械化といってもヒューマンエラーはあるからね、
前世の記憶だと、転落防止にホームドアを設置したところで、
ベリーロールされたら終りなんですよ、こっちだって足湯におしっこするウェアウルフも居たし。
(あっ、ちゃんと釈放されましたよ、結構前に)
それはそうと、
線路に黄色いヘルメットを被った黒猫AIアンドロイドが10体。
「初めまして園長、リーダーのベラワンです」「はい、よろしくお願いします」
「ベラツーです」「ベラスリーです」「ベラファイブです」「ベラシックスで」「4は?!」
「縁起が悪いので」「あっ、なるほど」「ベラセブンです」「ベラエイト」「ベラナイン」「ベラテン」「ベライレブンっす」
みんな身体が普通より、
ひとまわり大きいし両手ドリルだ。
「それ不便ない?」
「ドリルでしたら外せますよ」
「あっほんとだ、普通に手が出てきた」
ちょっと安心。
「ではエイトまでが岩山へ、ナインからがエルフ農園へ」
「7対3かあ」「ちなみにエルフさんからの要請で地上駅に」「地下鉄とは」
まあ、前世でもよくあることか。
「あっ、でもそれじゃあ地下5階から地上って、すんごい坂道じゃ」
「きちんと距離もありますから、抜けるのは公園から出てからですよ」
「なるほどなるほど」「更に駅舎は木造で二階は休憩所です」「観光にも出来るね!」
人間にとっちゃ、働くエルフを観るだけで観光資源だ。
「それにしても、よく見るとこの車両、でかいね」
「オークやオーガも無理なく乗れます」「あとフィーナさんもね!」「余裕かと」
「あっ、自販機10台並びから走ってきた!」「地獄耳ですね」「ガーベラさん、それ声にして言っちゃ駄目ですよ」
しるこドリンク缶を2本飲み干してやってきたフィーナさん。
「私がどうした」「この車両、フィーナさんでも中はゆったりですよね」
「どれ、座ってみよう」「開けますね」「懐かしい感じが」「ふむ、横になって眠れるな」
「酔っ払いじゃないんですから」「ハルク様、上のこの明かりは」「すげえ、トレインビジョンだ」
例の『にゃんこキッズ』がアニメになって動いている。
「あっ、いま気がついた、オークとオーガ、同じ車両で大丈夫ですか?。」
「では専用車両を設けますか」「あとホームで揉めないか」「そのために私を召喚したのよね?!」
「そ、そっ、その声はあああああ!!!」「鉄道警察官、ワタナベラッキーよ」「ちっちゃかわいカッコイイ!」「警察手帳よ」
渡辺幸運て書いてある、キラキラネームかよ!
「声も記憶が」「それは触れない方が良いわね」
「で、どこに基本居るんですか?」「詰所があるわ」
「どこどこ、行きましょ」「改札隣よ」「こ、こっ、これはあああ!!!」「何よ園長」「駅弁の自動販売機がある!!!」
来た時に気付かなかったが、
改札入る前にも、入った後にもある!!!
「えっ、そっちが大事?!」
「はいはい、開通したら牧場出身みたいな超爆乳の相方を用意しますから」
「もう一声!」「じゃあムムムムーン言いそうなのも」「3人揃うわね」「これで混雑しても捌けるでしょ」
あっ、待ちきれずに姫とフィーナさんが駅弁買っちゃった。
「じゃあ僕も……」「どこで食べれば良い」
「誰も乗っていないから、電車内で」「開通前ですからね」
というガーベラさんのフォローを受けて、
みんなで旅気分、いかめしは大きいのが2個も!
アイリス姫は幕の内弁当、お箸の使い方がわからないみたいだ。
「姫、こちらを」「まあ、スプーンですわ」
「こちらの弁当についておりました」「あっ、ロケ弁カレー弁当」
「3種類全て買ってみたぞ」「ビーフ、チキン、ポークかあ」「あのー、すみませーん」
線路から声が!
「あっ、ベラワンさん」
「私たちはもう、出発しても」
「すみません、いいですよ、では出発!」
こうして地下鉄工事が始まったのでした。
(で、どのくらいの期間で開通するんだろうか?)
向こうの駅舎もあるからね。
「ハルク、その『アイド●マスターシンデ●ラガールズデラックス弁当』というのは」
「黒いイカ墨パスタが、闇に呑まれるよ!」
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一方その頃、王都の王城では……
「ちょっとアヤッペ、第三王子て四十代じゃないの!」
「私の夫は50歳よ、それよりスミッペ姉さん、おかしな噂が」「何よ」
「例の辺境伯領付近で、調査に行ったドラゴン兵が黒い空飛ぶ虫を見たそうよ、巨大な」
ふう、とため息をつくスミッペ。
「そんな情報いらないわ、それより第三王子を虜にするための情報を」
「そうね、あと今のうちに、いざという時は逃げる先の国を探しておきましょう」
「おほほほほほ」「おーっほっほっほっほっ」
悪女姉妹は知らなかった、
その黒く大きな虫の名が、
ドローンだということを……。




