第53話 掘削アンドロイドからのドワーフ王国
「我に領土はいつ授けて頂けるのだ!」
やけに必死なドワーフの族長グレダスさん、
ここはタワーマンション「ハルクパークレジデンス」の地下二階、
ドワーフ喫茶である、店員も移住してきたドワーフのお姉さんだ、かわいい。
「ええっと、そんな約束していましたっけ?」
「家名を授けてくれたではないか!」「あっ、そういえば」
「ダンディ領を、どちらにいただけるのか」「ここでは不服ですか」「狭い!」
贅沢な、とか言ったら可哀想か、
あとダンディて苗字をあげたとき、
やたらと喜んでいたのは、こういう理由だった訳か。
(知らんがな、そんなドワーフのローカルルール)
とも思ったが、まあ、よくよく考えてみれば、
こっちの世界の人間だって平民から貴族になるとき国王陛下から苗字を貰う、
その感覚なのだろうが、領地とはなあ、領土という言い方は、なんだかドワーフらしい。
「ここの地下部分では不服ですか、あと住居も」
「鍛冶設備は最高だ、それには感謝しかない、しかしあくまでも、ここは職場だ」
「やはり上で寝るのは嫌ですか」「六割の者がな、まあ外を見なければ良いので四割は平気だが」
タワマンでも高層階恐怖症とかあるからね。
「あっ、じゃあテントで暮らしている方も」
「そうだ、我々ドワーフは頑丈ゆえ、暑さ寒さは生活においてはそれほど気にしない、エアコンとやらも、無くても困らない」
「そうですか、うーん、地下が良いのですよね?」「ここの領土を全てくれるのであれば、ぎりぎり我慢するが」「流石にそれは」
思い出すな、ここへやってきた初期、
アイリス姫に『軒下を貸して母屋を取られる』状態になったのを。
となりでドワーフパフェをモリモリ食べている、話は聞いているんだか、聞いていないんだか。
(ここはパフェを食べていない人に聞こう)
いや、人ではないが。
「ガーベラさん、農地みたいに公園周辺にドワーフの地下帝国を、チンチロリンは無しで」
「周辺はお薦めしませんね、まずドワーフさんたちの想定する広さに足りない」「では周辺全部、公園の周囲に地下ぐるりと」
「農地の地下に作るのは反対です」「では、どこに作りましょ」「画面を」「はいはい」
ガーベラさんに任せると、
上空からの画像が出てきた!
「これ、いつのまに」
「タワーマンションの保守点検用ドローンですね」
「そんなのが付属していたんですか」「では高い位置から……防御バリアがぎりぎり届く、この岩山なんか、いかがでしょうか?」
確かにこの公園の3倍、いや4倍はあるな。
「良いと思いますが、硬そうですよ?」
「我々のピッチフォークなら、あと工事用管理人を、両手をドリルにできます」「なにそれ、かっこいい!」
「10体セットでクリスタル999個です」「だからそのお得感」「ついでなので、地下鉄で繋げちゃいましょう」「料金は」「10万クリスタルですが1年間は免除です」
またローンに出来るかな、
いや、なんとか頑張れば溜められそう。
「わかりました、グレダスさん、ドワーフ王国を作りましょう」
「ありがたい、立派なのが出来たら貴殿を名誉ドワーフとしてハーレムを」
「片桐●苗さんとか、馬場こ●みさんみたいなのでしたら嬉しいです」「誰だそれ」「いや、なんでもないです」
こっちでアイ●スネタはやめておこう、こっちの世界では。
「今、知らない女の名前を出さなかったか?」
「フィーナさん聞いていたんですか」「姫が不機嫌な表情になった」
「あっ、28歳と24歳の話で」「後者は私と同い年ではないか」「気にしないで下さいフィーナさん愛しています、あっ、アイリスさんも」
ジト目でパフェをおかわりするアイリス姫。
「……アイリス、愛してるよ」
「仕方ありませんわ、わたくしもですから」
「ということで掘削用の黒猫AIアンドロイド(メス)10体セット&地下鉄購入、っと」
駅はとりあえず、
3つ造れるのかあ。
(あと、ついでに片桐●苗さんみたいな低身長ポリスウーマンも追加しよっと)
こっそりねっ!!
「ところでハルク殿」
「はい、グレダスさん」
「チンチロリンとは何だ」「あっ、それは、知らない方が」
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一方その頃、王都では……
「アヤッペ、なんでも例の辺境伯領、滅びたそうよ」
「もう関係ないわスミッペ姉さん、それより次のターゲットが決まったわ」
「それは?」「聞いて驚かないで、いや驚くわね……第三王子よ」「それは……ほほほほ」「おほほほほほほ」
またもや悪巧みをする悪女姉妹、
それは叶う事が無いということも知らずに……、




