第50話 ハルクパークからのお知らせでした。
そして夕方、辺境伯邸上空では。
「くそっ、ハルク殺す! 何がざまぁだ、王都に連絡して……あっ、辺境伯領が」
「荒地になっているわ、瓦礫の山、なんてひどい」「屋敷も廃墟に……」「ほう、あそこですね」
アカベラニャーのもつ手綱に、
ドラゴンも反応して高度を下げる、
そしてほとんど崩れ落ちている辺境伯邸の真ん中にドラゴンが口を開けて放り投げる!
「ぐああっっ!」
「あうっ」「ひゃああっ!!」
「これでも親切な高さですよ、はい、お返しします」
靴を投げてぶつけるニャーレンジャー達。
「それじゃあ確かに自宅へお帰ししましたから、じゃっ」
そして飛び立って行った二頭のドラゴン……
「くそう、もう夕方……はっ、ち、父上?!
父上よく御無事で! ハルクの野郎が……ちっ父上?!」
「死んでるわ……立ったまま、死んでいる」「ちょっと、ま、周りを!!」
ケティの声であたりに気付くクライヴ、
そう、あのドラゴン二頭が飛び立ったことで、
周囲の魔物が徐々に徐々に集まって来ていたのであった!
「ぐうっ、そうだスージー、ケティ、お前たち喰われろ!」
「なにを?!」「その間に俺は逃げる、少しでも生き延びるためにお前たちが死ね!!」
「……こんなのが御主人様だなんて、気持ち悪い」「ケティ、魔物に突っ込め!」「……あえて魔力を使うわ」
手に炎魔法を出すスージー。
「な、なにを」
「最後に私が葬ってあげる!!」
「ぐああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
こうしてスージーがこれまでで最も強い魔力で放った炎が、
クライヴを骨まで焼き尽くしたのであった……そしてケティに話し掛ける。
「もう一度、ハルク様に会って謝りましょう」
「で、でも」「クライヴを殺したわ、これで許して貰いましょう」
「どうやって、あそこまで」「明るい内に走るわよ」「は、はいっ!!」
こうしてハルクを追放した辺境伯家は、
辺境伯領は終焉を迎えたのであった……。
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一方その頃、ハルクパークでは。
「綺麗な夕日、41階から見ると格別だね」
「この階全て、園長の自宅となりますからね」
「アイリス」「私、世界一幸せな姫ですわあああああ」
超特大ベッドではしゃいでいる、
フィーナさんは上から降りてきた。
「最上階と繋がっているではないか」
「えっそうなんですかキャプテンベラさん」
「はい、展望レストランの個室と繋がっています、園長だけのプライベートルームです」
上で食事も出来るのか。
「素材は」「今まで狩った肉やついでに採取した野草、もちろんキノコや川魚も」
「じゃあ海の幸も欲しいね」「それは異世界から」「可能なんだ」「下のスーパーコンビニでも買えますよ」
「ところでハルク」「あっはいフィーナさん」「私も近い将来、『ざまぁ』がしたい」「あっ、ここへ追放した」
唇を噛みしめるアイリス姫。
「あのアップヒル侯爵家ですわ」
「そこの姉妹が、裏で手を引いて王家を動かして、私は姫に唯一、ついてきた」
「じゃあ、残してきた人々が心配ですね……でもなあ、ガーベラさん」「一応、最終兵器がありますよ」「え?!」「画面を」
秘宝の箱を開けて、
画面で購入一覧を見る、
ずらーーーっと見て行って……
「一番最後です」
「ええっと、あったあった、最終防衛ロボ、クリスタル1個って!」
「タワマンを購入すると、それを防衛するために買えるんですよ」「購入っと」
迷わず買ってしまった。
「では外に向けて」
「ガラス越しでも良いんですか?」
「ええ、誰も居ない所へお願いします」
空地へ向かって、出現っと!!
(うわわわわ、でかい、まさに巨大ロボットな二足歩行の黒猫だ!!)
タワマンとほぼ同じ高さ、
いやはや、これなら王都も全滅させられそう。
「どうですか最終兵器、その名も『ベラミロード』です!」
「メンテが大変そうなんですが」「伸縮自在ですよ」「えっマジで?!」
「普通の、我々と同じ大きさまで」「では、縮め~~! ほんとだ、縮小していった」
良かった、どこで待機をさせようかと、
あれはあれでオブジェとして観光客を呼べそうだけど。
「園長、あれで脅せば大概の相手は応じるかと」
「まさに兵器だね、ていうかこの公園は、いつか平和にお客さんを呼びたい」
「人間をですか」「うん、王都もだけど、辺境伯領から逃げて行った罪の無い領民にも」
いざとなったら、
僕がこの公園で引き受けよう。
「良いですね、宣伝をしましょう」
「そうだね、文面は、こんな感じかな」
そう、チラシを配るとしたら……
『ハルクパークからのお知らせ
楽しい楽しいハルクパーク、美味しいバーベキューや、
五階建ての変わったお城、スリルあふれるジェットコースター、
グラススキーにオークとオーガの相撲対決、更にはタワーマンションでショッピングも!
42階の展望レストランでは異世界のような美味しい料理のフルコース、
更に珍しい地域猫やそれを元にしたマスコットたちもみなさんをお出迎え!
休日は黒猫戦隊ニャーレンジャーもやっているよ、雨の日には児童館で遊ぼう!
園長は辺境伯を追放されてここへ来たけれども、
同じくやってきた公爵令嬢のお姫様と婚約したんだ!
だから今、ハルクパークは幸せいっぱい夢いっぱい楽しい事が目いっぱい!
皆さんもお休みの日はハルクパークへ出かけてみませんか?
タワーマンション内のホテルは長期宿泊も可能です、エステもあります!
宴会や結婚式、また移住にももってこいのハルクパークを黒猫従業員一同と一緒にお待ちしております!
ハルクパークからのお知らせでした!』
……という文面を言ってみた。
「園長、素晴らしいです、記録しておきました」
「もはや新しい国ですわ、ハルク様、早く結婚式を挙げてしまいましょう!」
「うむ、姫を喜ばせてくれるなら、私もハルクを喜ばせよう」「みんな……ありがとう」
そして心の中でお礼を言う。
(ハルカひいおばあちゃん、こと冨田陽歌さん、ありがとう、僕に、ハルクに、緑園春暮に受け継がせてくれて)
こうしてハルクパークの園長となったハルクは、
公園造りをますますエスカレートさせて行くのであったが、
その幸せなお話はまた後で、ということでひとまずは、おしまい。
皆さんから作品ブックマークや評価をあまりに沢山いただいたので、
この後、人物紹介とストーリーまとめの後、すぐに続きを書かせていただきます!
皆さんありがとう!!




