第43話 管理人メンテハウスからの家族が増えたよ!
「AIアンドロイドのメンテナンスハウス、クリスタル7777個かぁ」
「場所はどちらに」「ガーベラさん、正門付近と裏門付近どちらが良いですか」
「それはもちろん、園長の好きな方で」「だったら正門かなあ、管理棟の道挟んだ向かいに」
移動し、購入して設置、っと……
おお、黒い二階建ての建物が、結構大きい!
入口は自動ドアだ、とりあえず入ってみる、うん、エアコン完備。
「初めましてオーナー、アンドロイド総合メンテナンス担当ベラッチェです」
「設備メンテナンス担当ベラクールです」「あっはい、って園内設備もですか」
「公園の規模が大きくなると、やはりそういった担当箇所も多く」「あっそういえば」
前の城塞都市でも、
ゴーレムがひっきりなしに壁とか直してたもんなあ、
あんな感じで公園を金網で囲ったら、補修とかもしてくれるのだろう。
(まだここ、メンテ屋敷のロボって増やせたよな)
初期サービスで二体は安く買えたから購入したけど、
それこそ本格的に塀とかで囲うなら、もっと必要だね。
「じゃあ早速、ガーベラさん」
「私がメンテナンスされる所を見たいですか?」
「うーん、体内構造見てもわかんないしなあ」「声でも漏らしましょうか」「何そのサービス」
受付奥の大画面に文字が追加された!
「予約が入りましたね」
「あっほんとだ、って『はるにゃん』『なつにゃん』『あきにゃん』『ふゆにゃん』って!」
「早速今夜ですね、園長として何かご希望は」「えっ沿えてくれるの?!」「オーナーですから」
でもなあ、
アレはアレで個性だしなあ、
それに面白いし、うん、まあいいや。
「好きにさせてあげて、ってあんまり我儘は常識的に」
「はい、では常識的に対処させていただきます」「よろしく~」
と話していたら、
ガーベラさんが驚いた表情に!
「……ハルク園長」
「どうしたんですか?」
「家族が増えました」「誰の」「スザンヌさんが出産を」
あのお腹が大きい一角にゃんこか!!
「行きましょう」
「メンテナンスカーで送りますよ」
「ありがとうベラクールさん」「こちらです」
黒と黄色の四人乗りカー、
ベラクールさん運転でさっさと救急本部へ、
いや病人搬送するガレージで出産したんかーい!
「「「「「「みゃあみゃあにゃあにゃあ、うにゃうにゃ、なうなうな~う」」」」」」
子にゃんこが六匹も!
母にゃんこスザンヌさんが一生懸命舐めてる、
角が当たらないように気を使いながら、って元祖母にゃんこエルザさんも舐めてるな。
(って、いつから『さん』付けに)
母は強いからね、仕方ないね、
一方でレッド、ブルー、イエロは、
アイリス姫とたわむれている、フィーナさんが角に注意しながら。
(もう飼い猫だから、清潔にされてて虫は湧いてないよ!)
あんなでかい虫、
人間なんて頬を食い千切られるからね。
「ていうか、この時点で救急搬送されてきたらどうするの」
「階段を使いますね」「あっベラーノさん」「ちょりっす」「ベラールさんも」
相変わらずの爆乳女医&ナースである、
僕が大人になったら夜中の1時から3時の間だけ、
特別な診療をする時間に、だなんて余計なことは置いといて。
(ていうか、この世界だともう大人だった、十五歳で成人)
正確にはこの国、だけれども。
「奥のエレベーターに子猫が挟まれないと良いですけど」
「地下に行ってしまいますね」「えっ、エレベーターで地下って何があるの」
「霊安室です」「そりゃ駄目だ」「そのまま火葬場へゴーゴーできるよー」「ベラールさん……」
やはりここは。
「ガーベラさん、このにゃんこ専用の家って」
「地域猫ハウスですね、買えますよ、二件ですね」
「うん、場所はどこにしよう」「公民館の隣で良いのでは」「あっ、そういえば」「まだでしたね」
児童館の隣でも良い気はするが、
あとアイリス城……ってあれだけ大きければ中で飼う手も。
「アイリスさ~~ん」「さんはいりませんわ」
「にゃんこ、お城の中か隣で飼うとかどーう?」
「素敵ですわあ」「やめた方が」「えっガーベラさん、なぜ」「発情期にうるさいかと」「あーー……」
地域猫ハウスを防音にするか。
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一方その頃、辺境伯邸から王都へ向かう上空では……
「もうあそこは駄目ね、とんだハズレだったわ、アヤッペありがと」
「私の幻影を残して、上手くあの母親に化けて乗れてよかったわ、宝石もこんなに」
「まさかアヤッペの幻術で、ゴミを詰めた箱と入れ替わっているとは気付かないでしょうね」
汗を拭く大魔導師ダーナテツ。
「アンロックが連続で使えないことがバレなくて良かったわい」
「魔力全部使うものね、でも本当にあの中、からっぽだったんでしょう??」
「振った感じ、よほどぴったり紙とかくっついているならまだしも、更なる箱は入ってなかったようじゃ」
ふと、後ろをふり返るスミッペ。
「それにしてもアヤッペの範囲魔法、魔物の動きを完全に止めていたわね」
「単なる脅しだけど効果あったでしょう? 危険な光魔法、に見える幻術魔法、気付かれたら終わりだけど」
「ぎりぎり脱出できたわ、さすが聖女に見せかけた幻術師、身内として鼻が高いわ」「次はどこを陥れようかしらスミッペ」
悪女のような顔でほくそ笑むスミッペ。
「そうね、公爵家の次女、辺境伯家ときて……
いっそのこと大公爵でも狙おうかしら、おほほほほ」
「アップヒル侯爵家の未来は明るいですわね、おーっほっほっほっほ」
高笑いする悪女姉妹、
しかし彼女たちがそう遠くない未来、
きっちりと『ざまぁ』されるのは、また、後のお話。




