第42話 楽しい寸劇からの怖いよこのマスコットたち
「はぁ~い、最後はみんなで楽しい歌だったぱっぱ~」
「でもざんねんながら、お時間さまさま~ごめんにゃお」
「またお会いするにゃん、ひらひら~」「すのすのすのすの」
お遊戯ルームで『にゃんこキッズ』のショー? が終わった、
悪の女幹部役が居なくても、四体だけでこんな寸劇できるんだ、
これ営業で回っても良いくらい、うん、お金が取れるね、この世界だと魔石か。
(いや、ちゃんと辺境伯領では、人の住むところでは貨幣を使っていたけど)
そういやこっちにそういった金貨銀貨を持ち込まれたら、どうしよう。
「はぁ~い、では皆さん、にゃんこの皆さんはここでお着替えで~す、
しばらくしたら握手&ハグ会ですので、それまで皆さん良い子にして待ちましょうね~」
「「「「「「はああああああああい」」」」」」「はいですわぁ~!!」
あっ、最初の声はウェアウルフ、オーガ、オークの子供に教えました、
ちゃんときちんと『はーい』っていう言葉を憶えさせましたよ、歌も『る~』とか『ら~』とか
あと『にゃんにゃんにゃん』とか、まあ、はしゃぎすぎてた子供も居たが元気なのは良いってことで!
(さて、休憩中にお礼を言わなきゃ)
ってAIアンドロイドに休憩は無いか、
お着替えタイムだ着ぐるみロボなのに!
MC(司会)してたリベラさん(眼鏡じゃない方)にちょっと聞いてみる。
「挨拶しても良いかな、にゃんこキッズに」
「園長なんですから構わないかと」「着替え中だよね」
「アンドロイドですが」「恥ずかしがったりは」「まさか」
ということでノックして、
お遊戯準備室へと入らせて貰う。
「失礼しまーっす」
テーブルを囲んで座っている四体。
「ちっす」「今日の客は温いわ」
「つーかさ、舞台蹴ってたガキ、絞めてえ」
「アタシなんか小声で『お前は石にされるんだよ』って言っちゃった」
おいおいおいおいガラ悪いな!!
「その、皆さん今日はお疲れ様です」
「この後、握手会でしょ? 終わった後のビオレ用意しといて」
「あとタオル、今治のフッカフカなヤツをお願いね、でかいやつ二枚、かける四」
「生意気なクソガキはアッパー入れていい?」「あんまり酷いとアタシの体内に閉じ込めて三日は真っ暗闇に」「やめたげてー!」
ていうか中は空洞なのか……?!
「ねえ、もっと大きい箱を用意してよ、後ろに生バンド用意してさ、スカパラみたいな」
「メンテナンスハウス用意してよ、全身エステしてくれるようなのが居る、共同でいいから」
「で、休みいつー? バカンスとか行ける場所あんの? 無いなら造って」「あ~男欲しい、セクサロイド機能つけてよ」
おっかしいなあ、
これAIアンドロイドだよな?
「最初に召喚したとき、こんなんじゃなかったよね?」
「初対面はサービスね」「猫被ってただけよ、猫だけに、ってウケる~」
「それでギャラは月末? 事務所によっては翌平日振込とかあるらしいよ」「あ~だりぃ~」「股を開かない!!」
思わず注意してしまった、
まあ前世じゃキ●ィさんのパンチラ盗撮してた奴とか居たらしいし、
いやいや着ぐるみ型AIアンドロイドにそんなの気にする僕がアレか。
「んーっとリベラさん、これ、いいんですか?」
「園長次第かと」「ガーベラさんに注意して貰うとか」
「無理ですね、系統が違います」「種類が?」「あと管轄ですね」
面倒くさいなあ、もう。
「メンテハウス造るんならドライルームよろ~」
「あとさ、ハロゲンヒーターじゃなくセラミックヒーターにしてよ」
「んあ~、そろそろ二部の時間じゃね?」「しゃ~ね~な、着替えるか」
って首輪に各色の蝶ネクタイを着ける、
そして円陣を組んで……はるにゃんが号令を!
「にゃんこキッズいくよー……せーの」
「「「「にゃん、ぱら、りーーーん!!!!」」」」
そして準備室から出て行く。
「さあ、はじまるぱっぱ、にゃんにゃん」
「みんな~、おまたせさま~おまちどうさまさま~」
「先頭の子は誰ひらひら~?」「わたくしですわあ!」「またお会いできて嬉しいすのすのすの~」
……プロだなあ、
でも怖いよ、このマスコットたち。
「ええっと、僕、何か間違えたかなあ?」
箱から画面を出して、
マスコット設定を見る……
「特に変った所は……あれ?!
CVの所、
設定が『おまかせ』になっているのは良いが、
その横に『R18』ってあって、間違えて? チェックされてる!!
(原因は、これかあああああ!!!)
うーん、どうしよう。
「リベラさん、今更ながらこのチェックって外すとどうなります?」
「さあ、そこまでは……ご本人に、いえ、ご本体に聞いてみてはいかがでしょう」
「うん、まあ、後で聞いてみるよ、それよりビオレ……あ、買えちゃうね」「付属オプションなのでしょう」
まあ、メンテハウスは総合的に必要だから、後で建てようっと。
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一方その頃、辺境伯邸では……
「あぁ、最後のドラゴンが、最終便が」
上空を見上げるクライヴ。
「集中しろ!」
声を飛ばしながら魔物を跳ね返す父、
婚約者のスージーも魔法攻撃に忙しく、
メイドのケティは周囲の衛兵まで回復魔法をかけている。
「ちょっと、あれ、私が乗ってるじゃないのよ!!」
走ってやって来たクライヴの母。
「えっ母上、どういうことですか?!」
「強引に乗ろうとしたら、すでに私が乗っていて、飛び立ったのよ!」
「それはどういう」「知らないわよ!」「クライヴさま、屋敷から衛兵が!」
息を切らしながら片膝を着く。
「ご報告致します、瞑想しておりました聖女アヤッペ様が、煙のように目の前で、消えました!」
「何ぃ?!」「うぬぬ、敵が、魔物が一斉に来るぞっ!」「くそっ、いったいどうなっているんだ!」
「もうつきあっていられないわ、馬車を借りるわよ!」「おいよせ」「まだ道はあるわ、隣町まで走り切れば……!!」
馬屋へと行き、
強引に自ら運転して道を走って行くクライヴの母、
その姿を最後に、消息は一切、不明となるのであった……。
全50話予定なのにこんな話を突っ込んでしまってごめんなさい><




