第35話 オークとオーガ大集合からの来客百人メモリアル
「ここで待っていれば良いんですよね」
「そうよ」「いざとなったわ私達が護るわ」
夜遅く、なぜか一団を迎えに行ったガーベラさんの代わりに、
正門ウェルカムゲートで待つ僕とWポリスウーマンの蘭&来夢さん、
いざとなったら発砲できるのは大きいな、魔法が使えない僕としては。
(姫とフィーナさんはウチのお風呂をいただいて戻りました)
ただ、このあたりあんまりウチに通って欲しいとか悶々とするよりは、
近いうちに、いや早ければ明日にでも、という話はとりあえず置いといて、
待っていると来た来たやってきた、ウェアウルフの一団、って今朝戻ったのも居るな。
「がうがうがっ、うがうがうーが」
ガーベラさんが通訳する。
「初めまして、族長代理です、取り急ぎ怪我人を連れてきました」
「あっはい、ああそれで運ばせるために、一旦戻った人までまた」
「いえ、単にこっちに移住したいようです」「まあいいや、怪我人は」「ひとり居ます」
ということでベラーノさんに救急車で来て貰い、
酷い怪我のウェアウルフを乗せてアベランさんと行った、
ポリスはひとりになっちゃったな、病院も女医以外に爆乳ナースを追加しよう。
「あの怪我は道中ですか」
「いえ村で、治るかどうかわからない状況でした」
「そちらの生活も大変なんですね」「こちらは楽園と聞いております」
言い方が丁寧なのは族長代理だからか翻訳のせいか、
まあいいや、とウェアウルフ会館へ誘導、の前にパンを渡し、
実はゲート横に男女多目的まとめたトイレを設置してあり、そこの水場も提供する。
(手を近づけたら水が出るって実演で教えてあげました)
長距離歩いてきたから、
やはり水が優先みたいで長蛇の列、
なので箱から『井戸』をクリスタル8個で購入、管理棟横に設置した。
(あと管理棟の外にある掃除用蛇口も使わせてっと)
夜で寒い中の水なんだけど、
ウェアウルフは本当に寒さに強いらしい、
何せ県人会館より引き続きテントのが良いって猛者も居たくらいだ。
「……という訳で、こちらが皆さんの住居です、
空いている部屋はまだまだあるので適当に使って下さい」
「ありがとう、本当に住んでも」「今のところは無料で、将来はまあ、その時に考えます」
農園が出来たら働いて貰わないとね、
という感じで案内が終わってって子供は遊具に行きたがっている、
あとジェットコースター、まだ乗ってる奴居るっていうか何気に二十四時間営業だ。
(たまーにベラレインさんを休ませないとね)
一応、ハロゲンヒーターは買って向けている。
「園長、同時に来るそうです」
「えっ、オーガとオークが?!」
「顔を合わせると大ゲンカするそうなので、西門と東門に分けて」
ということで二手に別れて、
僕は西門へ、といってもハルクパーク西入口って石碑があって、
人の入ってない例のプレハブ簡易管理小屋を置いただけで、まだゲートも何も無いけどね。
(金網で取り囲んだのち、このプレハブで警備員を常駐させるんだ)
おっと、さっきみたいにまた怪我人、
病人が来るかも知れないからナースを召喚しよう、
ええっと、セクシー爆乳ギャルナースっと、いやいやセクサロイド機能とかお奨めしないでー!!
(そんなオプションは後だ後、よし購入っと)
箱から出現させた、黒猫ギャル、
いや髪は黒いがナース服にギャルっぽく色々飾ってる、
前世の記憶じゃこれを『デコってる』 ていうんだっけ、黒い付け爪なげえ、業務に支障をきたさないか?
「ちぃ~~~っす、ベラールっす」
「ギャル猫さん、とりあえず一緒に待って、
何もなければベラーノさんの所へ」「ちっすちっす」
待っていると来た来た、
ベラドンナさん先頭でオークの皆さん、
ということは東門はイザベラさんとオーガだな。
「ようこそハルクパークへ、園長のハルクです!」
「ブヒブヒ、ブッヒブヒ」「オークの長だ、腹が減った」
「あっベラドンナさん通訳ありがとう、オーク民会館が設置してあって、そこに焼いた魔物肉が、って石碑におしっこかけないでー!」
西門と東門にも、
トイレは必要だったかぁ。
(……あー、遠くからパトカーのランプが)
注意前だから、
なんとか口頭注意で許して貰えるようにお願いしようっと。
「箱を回収、ってあれ、またメールが来ている」
読むとそこには運営から意外なメッセージが!
「ハルクパーク来園100人達成記念! だって、
本文は……ハルクパークのメモリアルマスコットを作りませんか? ってなんだこれ」
公園のマスコット、かぁ。
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一方その頃、辺境伯邸では……
「くっ、魔物がじわりじわりと侵入して来やがる」
「クライヴ、奥の魔物を私の魔法で削ると、引っ込んで体力を回復するようになったわ」
「学習したか、前にくるまでにある程度の体力を削る作戦……というか数は増すばかりだな」「回復を」「すまないケティ」
あきらかに持久戦、
夜も遅くなろうとしてきている、
そろそろ交代を……ずっと休んでいる母上は、攻撃魔法を少し使えたはず!
「クライヴさま、上を!」
「どうしたケティ、あ、あれはドラゴン!」
「何か魔法が降ってくるわクライヴ!」「これは……光魔法?!」
城塞都市を取り囲んでいた魔物たちが、
その光りに驚いて一斉に引いて行った!
しばらくしてドラゴンが着地し、その背から運転手を除いた三人の人影が!
「おーっほっほ、わたくし、戻ってきましたわ」
「スミッペ!」「まずお約束の大魔導師『ダーナテツ』様よ」
不気味なフードで顔を隠している。
「すぐに、早速『アンロック』を!」「……うむ」
そしてもう一人は、
スミッペと同じようなお嬢様だ。
「こちらは私の妹、聖女アヤッペよ」
「結界魔法くらいなら任せなさい、お姉様のためだからね勘違いしないでよっ!!」
「妹、さんか」「ええ、しばらくこちらで防衛させるわ」「アヤッペ29歳よ」「……あれ、妹?!」「うっさいわねお黙りきいいいいいいいいいい」
そう言うと妹と屋敷へ入るスミッペ。
「何はともあれ、これで落ちつける」
「クライヴ、もうへとへとよ」「ああ、休もう」
「失礼します、怪我人の回復を」「なんだ衛兵、ケティは俺専用だ、行くぞ」「はいクライヴ様」「そ、そんな!!」
こうして全てが終わったような気になったクライヴ、
しかし、そういった期待をことごとく裏切られる事になるのを、
今はまだ、知らなかった……そう、魔物達が引いた、本当の状況も知らずに。




