第28話 公園管理人からの警告
「楽しいですわああああ」
「姫、あまりはしゃぐと危ないかと」
グラススキーという名の人工芝の土手、
畳んだ段ボールを敷いて、はしゃいで滑る姫と巨女、
いや巨女が乗って更にその上に姫が乗る感じ、そしてお姫様抱っこで再び階段で上へ。
「はい次の段ボールです」「ハルクご苦労」
下で乗り捨てられた段ボールは、
後でベラドンナさんがまとめて回収してくれるらしい。
「では姫」「はいフィーナ」
また滑り降りて行った。
「ええっとガーベラさん」「どうしました?」
「夜のお客さん用に街灯でも付けましょうか」
「そうですね、というか公園内はまんべんなく」
ということでとりあえず、
土手を照らす感じで設置していく。
「♪にゃにゃにゃ~~」
「ふにゃふにゃ」「にゃう~~~♪」
「お、おいお前ら!」「皆さんも遊びたいようです」
子にゃんこも転がって遊んでる、
はいいが角が危ないっていうの、
さすがにフィーナさんもちょっと焦ってるな、姫は楽しそう。
「……警告です」「えっガーベラさん」
「怪我人が出る可能性が0.19%です」「現時点で?」
「はい、ふたつ対処して下さい、まずひとつ」「はあ」「ここを地域猫禁止区域にするか、警備員を配置するか」
ベラドンナさん一人いや一体じゃ足りないのかな、
猫避けスプレーで済ませる手もあるけど猫ロボを増やすかぁ。
「もうひとつは、事後に備えて」「えっ事故に備えて?」
「……まあそうとも言いますね、救急車を購入しましょう」
「ええっと消防車の他にも」「ええ、公園救急本部の設置です」
ということで子猫対処&段ボール回収にベラドンナさんを置き、
消防車庫へと行くと、でかい猫二匹がぎゅうぎゅうに詰まってら。
「ていうか、またハロゲンヒーター近すぎ!」
「ん”に”あ”あ”あ”~~」「ぬ”あ”あ”あ”~~~ご」
「ええっと救急本部は」「初回限定クリスタル100個です」「隣で良いよね」「はい」
画面で説明を見ると、
これまた二階建てて一階がシャッター付き救急車ガレージ、
二階が……医療室?! しかも公園保険医付き、ってこれまた猫アンドロイドだ!
「ガーベラさんこれって」
「付属品ですね、管理人と考えて良いですよ」
「白衣を羽織っている」「顔や体もカスタマイズできますよ」
あああああ手が滑って爆乳にいいいいい!!!!!
「……よし設定&購入完了!」
消防本部の横に並べた救急本部、
建物自体の大きさはほぼ同じ、色はやはり白い。
「開けますね」
ガラガラガラ……
「うわーお、救急車」
「ちなみに奥に、寝かせた人を運ぶエレベーターが」
「これで上の医務室へ」「直接運べますね」「乗って良いですか」「どうぞ、では一緒に」
二階へ到着すると、
爆乳の黒猫お姉様が!!
「はじめまして、ベラーノよ」
「女医! セクシーキャットさん!!」
「急患だけじゃなく健康診断も承るわ」
いやはや四体目の公園管理人、
医者が居てくれるのはありがたい。
「あっ、焦げたにゃんこを見て欲しいのですが、
ここから離れられないってことは」「無いわよ」
ということで外階段を一緒に降りて、
子にゃんこの方へ、じゃれあいながら転がり降りてら。
「おーーーいイエロ」「にゃぁ~~う」
来た来た、
舐めるのは痛いからやめて。
「この焦げですが」
「……皮膚はほとんど影響ないですね、この程度なら放っておいて大丈夫です」
「良かったぁ」「にゃう」「おっ、新入りか」「ですわね」「あっフィーナさんアイリスさん」
ってふたりとも、
ベラーノさんの胸を見てから僕の顔を見るのはやめてーーー!!
「さーてと、焼く魔物肉の仕込みとか、パンの準備をしーよおっと」
「わたくし、いちごジャムのパンが!」「ふむ、あんぱんを三ついただこうか」
「はいはい、食べ過ぎて夕食が入らないようになるのは、やめてくださいねぇー」
あっ、調味料自販機も出さなきゃ。
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一方その頃、辺境伯邸では……
「行ったか……スミッペ」
「クライヴ、まさかお金持って帰ってこないってことは」
「彼女のメイドが残っている、まあ大丈夫だろう、『アンロック』の魔法かあ」
早馬の馬車を窓から見送りながら、
その手があったか、という表情のクライヴ。
「あのクライヴさま、あのスミッペというおばさ、あのお方」
「そうしたケティ、珍しい物言いだな」「本当に信頼できるのでしょうか」
「父上が連れてきたんだ仕方がない」「……クライヴさまが、そうおっしゃられるのであれば」
スージーがクライヴに甘える。
「まあ外交的な部分はあのお方に任せて、
私とケティはクライヴと愛し合いましょう?」
「ああそうだな」「クライヴさま、では今のうちに」
またもや昼間から愛を確かめ合うクライヴとスージーとケティ、
しかし外では続々と領民が脱出を加速していた……辺境伯家である彼が、彼らが、
今、本当にすべき事を行っていれば、この後に訪れる悲劇も、少しは軽減できたかも知れない……。




