第3話 やはり公園にはこれがお約束からのでも優先はライフラインだよね
「ふう、とりあえず三分の一くらいかな」
様々な魔物を倒しまくって、魔石が82個になった、
空中に浮いている魔物はピッチフォークの遠投で何とかなったが、
あっちこっちに魔物肉がゴロゴロ落ちていて、血の匂いが……どうにかしたい。
(そうだ、物を出せたということは、ひょっとして)
空いた小箱を、
魔物の肉片に向けて……
「吸いこんで!」
おお、入って行った!
これはアレか、マジックボックスとかいうやつか?
どのくらい入るのだろう、というかお腹が空いたから肉を焼こう。
(ゲームだと普通に喰えたよな、焼いた魔物肉)
とりあえずBBQセットを……
いや、その前に雨風を防ぐいつものやつだ、
ゲーム『クリエイトパークへようこそ』で最初に買うお約束の……
「ええっと、箱を床に置いて、うん、画面が浮かんだ」
購入画面に進むもクリスタルの個数はゼロだ、
ということは……うん、集めた魔石を突っ込むと数字が増えた、
そして遊具メニュー、スクロールしていくと……あったあった、100個で『タコ滑り台』これだ。
(前後左右に滑り台があって、真下が空洞になっている)
つまり、ここに寝泊り出来る、
いやこれホームレスだろう、でも贅沢は言えない……
ゲームと同じ100個必要かあ、あと18個、の前に肉を喰おう。
(いや、その前に水場だ)
荒野に池なんてないよな、森まで行けばありそうだが、
どうやらこの箱が結界になっているので持って行けば魔物の心配は無いのかな?
でも急な斜面や崖とかあって気付かず落ちたら、魔物とか関係なしに死にかねない。
「仕方ない……買うか」
購入メニューから公園遊具ではなく公園設備を選ぶ、
あったあった、水飲み場が50、噴水が300かあ、まずは水の確保っと、
指でタッチするとクリスタル82が32になった、購入済×1って出たのは良いが……
(あっ、箱を向けるのかな?)
持って空いた面を地面に向けると……
おお、吐きだされるように出てきて設置された!
うん、上は先が丸でスイッチ押すと垂直に水が出る蛇口だ。
(で、下は下で普通の蛇口がある、こっちは捻る方)
これでとりあえず水の心配は無くなった、
少し離れた所にBBQセットを購入して……
更に10個減って残り22か、そしてセットを出して設置。
(薪とマッチと立てられる網、トングと紙皿、紙コップかあ)
食材は入ってない、
本当に焼くセットのみだな、
追加の紙皿と紙コップが欲しい場合は魔石を更に1個か。
「組み立ててっと、これ肉を切る包丁欲しいな、それ言い出したらきりが無いか」
だったらバケツも欲しい、
そのあたりは『調理器具』のメニューで買えそう、
とりあえずは入手した魔物肉から、適度な大きさのを……
「大きすぎず小さすぎずの魔物肉、出てこいやー!!」
言いながら箱を逆さに振ると出てきた、
便利だなこれ、肉は八切れ、網の上に乗せたのち、
薪に火をつけて……うん、簡単についた、そして炎上。
(トングでちゃんと、肉を転がして……)
という感じで普通に焼いて食べたお肉は、
普通に美味しかったです、ただやっぱりパンは欲しい、
あと贅沢言えば前世で食べ慣れたお米、御飯を……とりあえずお腹は膨れた。
「よし、次は雨が降る前にタコを買おうタコを、いやタコ肉じゃなく」
現に風が強くなってきている、
元々、住んでいた辺境伯領は天気の移り変わりが激しい、
要塞都市から悪天候で三日は出られないみたいな時もそこそこあった。
(そう、とんでもない僻地に巨大な街があったんだよな)
そんな追放された故郷はとりあえず忘れて、と。
「……そうだ、アレも試そう」
スコップを手に地面を掘ってみる、
うん、サクサク掘れるな、本当はこんなに力なんて無いのに、
まさにゲームの世界っぽい、そうこうして掘っていると八カ所目で……
「出た、魔石だ、こんなことまでゲームと同じとは」
公園予定地を掘ると出るんですよ、
まあ大昔に死んだ魔物が風化して埋まって、
とかいうバックグラウンドはあるのだろうけど。
(細かいことは、いいんですよ!)
クリスタル入手方法は、
多ければ多い方が良いからね。
「さあ、掘るのは後にして、まだ動けないでいる魔物を倒しまくろう」
今の1個で23、あと77個だ!
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一方その頃、辺境伯邸では……
「スージー、ケティ、奴の持っていたもので金目になりそうなものは」
「溜めていたお小遣い程度ですね、はいクライヴ様」「これだけか、アイツめ」
「衣服も大したものはありませんでした、さっさと燃やしてしまいましょう」「そうだな廃棄だ」
すっかり片付けられるハルクの住んでいた部屋。
「それでクライヴ様、この部屋は」
「俺とスージーの間に生まれた、子供の部屋だな」
「まあ、楽しみですわ」「では私はそのお世話を」「ケティも俺の子を孕むんだ、いいな」「嬉しい……です」
厄介者を追い出したような三人、
しかしこの時、彼らは知る由もなかった、
すでにこの要塞都市に、ほころびが出始めていた事を……。




