第25話 テープカットからのお客様を迎える準備
「それでは、テープカットです!」
♪ジャンジャジャジャンジャンジャ~~~ン!!
ガーベラさんの声と共に街灯からファンファーレが鳴り響き、
新たに設置したウェルカムゲートでテープにはさみを入れる僕ら、
園長の僕と来賓のアイリス姫、そして公園職員としてイザベラさんの三人でカットした。
(ゲートから道が出来て伸びた!!)
そう、これで獣人の村と開通したはずだ、
しかも安全地帯らしい、城塞都市を思い出すな、
あそこも遠い他の街まで、こんななぜか魔物が入れない道が広く長くあった。
(にしてもイザベラさんの巨乳よ!)
じゃなくって。
「姫、お疲れ様でした」
「ふう、美味しいココアが飲みたいわ」
「足湯の中で温めてあります」「さすがフィーナね」
いや買ってあげたの僕なんですけど!
何本溜め込んでいるんだよまったくもう、
僕があげたしじみ汁は飲んでるの見た事ないな。
(いらないなら飲むのに)
そしてイザベラさんが僕の前へ。
「では魔物を狩りつつ獣人の皆さんを誘導してきます」
「うん、通貨は魔石だっていうことも」「お伝えします」
ということで道を走って行ったイザベラさん、
さてさて、魔石も溜まったことだし公園設備、
何をプラスしようかなあ、ってここでふと心配なことがひとつ。
「ガーベラさん、来る獣人って安全なんでしょうか」「と言いますと」
「いや、気性が荒かったり人間に敵意を持っていたりとか」「報告では大丈夫そうですよ」
「その、戦闘になったら無能な僕なんかすぐ」「無能と言ってもここでは異世界人だから仕方が無いですよ」
やはりそうなのか。
「じゃあ僕に力が無いのって」「元の世界は魔法なんてありませんし」
「剣術が出来なかったのも」「関係ありますね」「商才が無かったのも」
「それはここで使うため、ということにしておきましょう」「やさしいんですね」「にゃあ」
ちょっと惚れそう、
いやそういう趣味は無いけど。
「えっとじゃあ次の整備は」
「広場は必須と言っても過言では」
「じゃあ全体的に慣らしちゃいましょうか」「それが良いですね」
ということで荒地を平地に、
パネルを操作してクリスタルを、
ってリアルタイムで増えてるな、イザベラさんが狩ってるのか。
(小箱を向けて整地、面白いように平らになっていく)
石とかどこ行った、
あとこれ後でスコップで掘るの楽になりそうだな、
それと敷地内? の端までわざわざ行かなくてもライトみたいに照らすだけで見える範囲全部……
「……よし、出来た」
「これでBBQ場を作れますよ」
「えっマジで?!」「沢山のお肉を焼いてもてなしましょう」
クリスタル50個か、
意外に安いな、男女トイレも付けよう、
水場は最初から用意されている、これで……良し、っと。
「これで食事はオッケー、あと泊まる所は」
「とりあえず簡易テントを買いましょう」「あるの?!」
「BBQ場設置で」「……ほんとだ、ひとつクリスタル2個ってやさしい」
何人くらい来るんだろうか。
「それとこれは念のためですが」「なんでしょ」
「従業員をもうひとり」「管理人ですよね?」「ええ」
「警備用ですか」「案内用でもあります」「んー、どのタイプにしようかな」
掃除用でもいいかな公園内の、
あとは売店販売員なんてのも!
それと農作業員も居れば……最後のセクサロイドは見なかったことにしよう。
(公園でそれは生々しすぎる)
ていうか治安的にいいのかそれ。
「よし、それでは清掃員で」
こうして三体目の黒にゃんこを召喚するのであった。
(さあ、公園造りはますます面白くなってくるぞ!)
ちゃんと利益が出るようにしないとね、
それはそうと、やってくる獣人っていうのは、
いったいどんな種類、種族なんだろうか……???
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一方その頃、辺境伯邸では……
「ふむ、領民が次々と出て行っているな」
「クライヴ、いえクライヴ様」「心配するなスージー、箱を開けるまでの念のためだろう」
「あの、その、本当に大丈夫なんですよね?」「ケティ、何も心配することはない」「はい、信じます」
……何やら足音が近づいてきた。
バタンッ!
「なによあのゴーレム、運搬途中に崩れて粉になったじゃないの!」
「スミッペ、この敷地から無理に出すとそうなるようだ、理由はわからない」
「まあ良いわ、残っているゴーレムを分析させているから、そ・れ・よ・り・も!」
ぐいっとクライヴに迫るスミッペ。
「な、なんだ、どうした」
「豊富で完璧な農作物とやらは、どうなったのよ!」
「それが急に不作に、これも時間が解決する、蓄えもまだ少しは」
唇を噛むスミッペ、
本来の年齢が垣間見える。
「まあ良いわ、生産が再会したら我が侯爵家へ」
「独占するつもりか?!」「94%で良いわ」「ほぼ独占じゃないか」
「あとついでに」「どうした」「あくまでおまけだけど今できることを」
スージーとケティが居るにも関わらず、
クライヴを押し倒したスミッペ、執務室のソファーに。
「な、なな、なにを」
「子作りよ、急ぐわよ」
「そんなこんな昼間から、うわ、うわああああ!!!」
あまりの迫力に、逆らえないクライヴ、
そして何も出来ないスージーとケティであった……
これもまた、ある種の『寝取られ』と言えなくも、ない。




