第18話 男としての我慢からのえっそういう展開?!
「ええっとごめんなさい、色々買ったら安い管理棟になりました」
「構わない、ただエアコンは」「付いてないです、雨風は凌げますが」
すっかり日が落ちた夜、
二つ目の六角堂には足りなかったため、
仕方なく公園の入口石碑その奥隣にプレハブ管理棟を召喚した。
「暖房の代わりになるものは」
「ええっと……あれ? 購入できるようになってる」
管理棟を買ったからかな、
ハロゲンヒーターが魔石10個で、
今の残りが9個だからあと1個か、よし、掘ろう!
「中で待っていてください」「わかった」
そして穴掘り、
スコップでざっくざっく……
「ぶにゃあ”あ”あ”~~~」
「お前らいつ帰るんだよ」「「「みゃあみゃあみゃあ」」」
まあいいか、
ちなみにあの身体に包まれたら暖かそう、
と思ったらでっかい虫が潜んでいやがった、やはり野良猫は油断できない。
「……よし出せた10個目、これで購入っと、あとは中で温めれば」
見ると脚立を出し、中で横になっているフィーナさん、
ほんと、ぎゅうぎゅうだな、テーブルの上に買ったハロゲンヒーターをっと、
これで普通に眠れるくらいには暖かいだろう、これが夏だったらあの扇風機かな角度難しいけど。
「助かった」「じゃあこれで」
「おい待て、どこへ行く」「いや僕も寝ないと」
「……まさか姫に夜這いに」「行きません、タコ滑り台ですよ」
男としての我慢だ、まあこの後、
また魔石10個出せば中は暖められるでしょ、
すきま風はあるけど、凍死を避けられれば良いや。
「そうか……わかった」「では、おやすみなさい」
「来い」「えっ」「良いから来い」「どこへ」「この中だ」
「いやいやいや」「私は平気だ、それに姫の近くへ行かれるよりは」「あっ」
つまり姫の貞操が心配と。
「遠慮するな」「本当に姫の事が大切なんですね」
「私の命以上にな」「……羨ましいです、僕にはそんな人は居なかった」
「ついでだ、事情を聞こうか」「長くなりますが」「構わん、さあ、中へ」
靴を抜いて入り込む、
あっ、にゃんこ達どっかへ行った、
気を使ってくれたのかな、と思ったらお湯を飲みに行ったのか。
(まあいいや、では……緊張するなあ)
スペースが無いため、
どうなるかと思いきや、
僕は……フィーナさんに、抱きすくめられた!!
「さあ、温めてやる」
「そのっ、せっ、狭くてごめんなさい」
「謝ることは無い、ここまでしてくれたんだ、礼だ」
……暖かい、
は良いのだが、その、フィーナさんの身体が当たって、
いやね上はハルクパークTシャツ一枚なんですよ、
下は言わせないで、泥だらけで脱いだのはカウンターの上に。
(まさか、こうなるとは)
えっ、こんな展開?!
という気分である、いやはや。
「その、ぼ、僕は」
「なんだ、婚約者に操を立てたいのか」
「いえ、捨てられましたし、てそれ女性から言うことじゃあ」「気にするな」
いや、背後から抱きすくめられて、
緊張するっ、あ、あくまでも添い寝というか、
スペースの都合上、仕方なくですからね? ねっ??
(でも、こういう感覚、前世以来だ)
ひいお婆ちゃんに添い寝はして貰ったが、
母親にはまったく愛情を注いで貰えなかった、
実の子供じゃないなら仕方ない、とは思いたくない。
「あの、そ、その」「どうした、向きを変えたいか」
「いえ、せっかくなんでというか、ひとつ、質問がっ」
「ふむ、何でも答えよう」「お、怒らないでくださいね」「内容によるな」
どうしよう、やはり失礼かも、
でも、どうしても気になるから……
あっそうだ、ここは僕の方から言えば、流れで!
「まず、僕ハルクは、十五歳です」
「若いな」「それで、フィーナさんは」「二十四歳だ」
ぎり一桁差きた!
(あえて言おう、セーフであると!)
もちろん、
口には出さないけれどもね。
「そ、それじゃあ、あの」「なるほど、わかった」
「えっ」「姫は十二歳だ」「わ、若いですね」「目的はやはり姫か」
「いえいえ、そんな」「やはり捕まえておこう」「えええ」「朝まで逃さないからな」「ちょ、そういう事では!」
こうして僕は、
朝まで密着されまくったのだった。
(これはこれで、ヨシッ! なのか?!)
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一方その頃、辺境伯邸では……
「なんだ、外が騒がしいな」
「クライヴ、きっと単なる風よ」
「きっと周囲の森も、クライヴ様を祝福しているのでは」
ベッドの上、
両脇で寄り添う正妻側室にニヤけるクライヴ。
「そうだな、もっと、もっと近くへ寄れ」
「もうぴったりよ」「これ以上となると、あっ」
何かを察して頬を紅らめるケティ。
「もう一生、離さないからな」
「はい、絶対に離れませんから!」
「私が生涯尽くさせていただくのは、後にも先にもクライヴさまだけです」
満足そうなクライヴ、
しかし、今こそが彼にとって、
いや、彼らにとって、生涯最高の幸せなのかもしれない……。




