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捨てられ貴族の公園造り ~婚約者もメイドも寝取られ危険な荒野に追放された僕は、前世を閉じ込めた箱を開けて未来型都市公園で暮らします~ ざまぁもあるし地域猫もいるよ!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 新たに捨てられた姫との公園生活。

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第15話 事情聴取からの二馬力

「そのなんだ、ここはどこで、どういうことなのだ」

「すみません、とりあえずこんな狭くて暗くて寒い所に入っていただいて」「構わん」


 タコ滑り台の二階部分、

 いやほんとキャンプライトで照らしてみても迫力あるなこの巨女さん、

 髪とかも汚れているから洗って欲しいけどまだ朝で小雨で……お湯を早く設置しなきゃ。


「申し遅れた、私はルターベルグア公爵家付き近衛兵、フィーナだ」

「あっはい、ウィリパテル辺境伯次男家、ハルク=ウィリアヒルです」

「……次男は死んだと」「もうそんな話に」「聞いた直後に我々も、これは何か関係があるのか?!」


 いや知らないよっていう。


「それで先ほどの、お姫様は」

「ああ、私が生涯かけてお守りすると誓った、アイリス=アルグリーア公爵令嬢だ」

「アルグリーア家って確か」「現国王の親戚で、二桁だが継承権の順番も」「そこのお姫様ですかあ」


 確かにそんな気品あふれるオーラはあった、金髪だし。


「それで改めて聞く、ここは、どういう場所だ」

「あっはい、ええっとまずここは、我がウィリパテル辺境伯家が昔、

 曾祖母の真似をして開発しようとして失敗した荒地です、といっても森林破壊で終わったみたいですが」


 ぽっかり丸く広がっている荒野は、

 前世で言う爆撃実験場みたいな感じだ。


「なぜ失敗した」「敵が、魔物が強くて多かったみたいです、

 危険な大森林にこんなひらけた場所、飛ぶ魔物や地上を走る魔物に」

「見つかり易いという訳か」「あとは地盤とか天候とかまあ色々と、詳しくは知りませんが」


 そもそもあの城塞都市だって、

 ひいお婆ちゃんしか造れない代物だ、

 今となってはわかる、完全に小箱のおかげだ。


(異世界転生者特権ね)


 それが今は、

 僕の手元に届いている。


「にもかかわらず、君は」「……どこまで話して良いかわかりませんが」

「話せる範囲で良い」「さっきおふたりを助けた力に関係します、実は僕、捨てられたんです」

「そちらも派閥争いか何かか」「というか元から嫌われていたみたいで、確かに無能でしたし」


 あと実の母上じゃなかったっていうのが地味に大きいだろう、嫌われていたはずだ。


「しかし君は、姫を助けてくれた」「そりゃあまあ」

「改めて恩に着る、それでここから脱出する方法は」

「……出た所でどうするんですか」「王都で味方を探す」


 これ絶対殺されるやつだ。


「あてはあるんですか」「……姫だけでも何とか」

「多分、ここへ捨てられた時点で手詰まりかと」「ではどうしろと」

「とりえずここに居れば安全です、と言いたいですが、設備が足りません」


 タコ滑り台に街灯二本に、

 多目的トイレに東屋(あずまや)だ、あとBBQセット。


(キャンプライトも、もうちょっと暖かさがあればなあ)


 充電とかしなくて良いのかなコレ。


「この設備は、開発を始めた頃のものか、あのエアコンも」

「いえ、さっきの箱から出せるんです、魔石は必要ですが」

「……私達が追放された建前は、三百年前の技術『エアコン』『クルマ』を再現しようとしたかららしい」


 おそらく随分前の転生者が使ったんだろう、

 って車まで出せるんだ、後でメニューを見て確認しよう、

 いや買える物があまりにも多すぎて確認し切れない、まだ買えないのはモノクロで購入不可って出てるし。


「とりあえず人がふたりも増えたとなると、住居を増やさないと」

「魔石集めということは魔物退治か」「はい、沢山停止してたの見ましたよね」

「確かに沢山居たような気はするが、姫でそれどころでは、姫は安全なのだな?」「それはもう」


 やっぱり心配みたいだ、

 さっきからちらっ、ちらっと伺っていた。


「わかった、もう少し詳しい話を聞きたかったのだが」

「僕もその、フィーナさんについてもっと色々と詳しく」

「ではこの後は」「魔石を稼ぎます、お二人の家を、今のは狭いですよね」


 まあ抱きかかえて丸まれば、

 母猫子猫みたいな感じで眠れそうだけれども。


「……手伝う」「えっ」

「剣は無いが手伝わせて貰う」

「いいんですか」「姫のためだ」


 こうして二馬力作業が始まったのであった。


==============================================


 一方その頃、辺境伯邸では……


「スージーもケティも、立派な連携だったぞ」

「クライヴのためよ」「クライヴ様が喜んでいただけで嬉しいです」


 雨も止みそうなのでと、

 外出の準備を始めた三人であったが……


「クライヴ様」「なんだ、どうした」

「大変です、街から外へ行く道の結界も弱まってきているようで」

「なんだ、それは前回なかったことか」「ありましたが、今回ほどでは」


 ふんっ、と鼻で笑うクライヴ。


「通れなくなってから心配しろ、それより買い物だ、馬車を用意しろ」

「わかりました、遠出なされるのですか」「いや、外へは出ない、さっき疲れたからなっ!」


 この時、彼は知らなかった、

 ともすれば、これがこの城塞都市の脱出ができる、

 最後のチャンスとも言えたということを……破滅への足音は、もうすぐそこまで。

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