第13話 ハルクパーク誕生からの空から女性が降ってきた
今日から一日二回更新予定ですが、
間に合わなかったらごめんなさい、頑張ります。
「うりゃ、うらっ、うがーーっ!!」
昨夜よりも少しは収まったがまだまだ降り続ける雨の朝、
俺はここハルクパークで最低限の衣食住を更に確保するため、
魔物を荒地内に、近くに呼び込んではピッチフォークで倒して魔石を集めていた。
(これ、早くしないと風邪ひくな)
とりあえず自動販売機召喚のために、
入口石碑は荒地の適当な端に設置した、
これで正式に『ハルクパーク』が誕生した訳だ。
(で、次は自販機、っと……種類は……)
ジュースのが先か衣服のが先か、
いやいや溜めて両方設置してしまえ、
ついでに行けたら食料自販機も、ということでバシバシと魔物を倒し続けている。
「これくらいの雨だと、ちゃんと煙が昇って良かった」
魔物を引きつけにはやはり重要なようで、
これをやる・やらないでは寄ってくる数があきらかに違う、
まあついでに温かい、いやむしろ熱い魔物肉の朝食をいただけたのだが。
「なんとか夜の前に、お風呂を設置したいなぁ」
足湯だけど、
間に合わなければ温泉じゃなくてもいいや、
普通のお湯なら飲めるのかな、お腹壊さないと良いけど。
(にしても、着ている服のこの汚さよ)
追放された時、そのままの服……
水場で洗って六角堂内部の暖房を最強にし、室内干しで乾かしてって俺もついでに乾くのだが、
こんなの繰り返したら数日で風邪ひくな、とはいえ今は必要な労働だ、よっぽどの豪雨になったら考えるが。
「雨でも平気な、魔物とか従えられればなぁ」
俺は魔力がまるっきり無いので従属魔法は出来ない、
でも、ここへ来て二回助けたあの一角にゃんこなら……
さすがに今朝は、この雨だと来てないよな? 猫って濡れるのを嫌うし。
(それこそ『あの時、助けていただいた猫です』が発動しないかなぁ)
でも中途半端に人化されても困る、
ヘルメット被って『ヨシッ!!』とか言われたら嫌な予感しかしない、
ってこの記憶は前世のものだな、まあいいや、さっさとバシバシ、魔物を狩ろう。
「うお、岩だと思ったらこれ敵か」
でっかいアルマジロタイプ、
ただ岩のような鎧をまとっている、
ピッチフォーク効くかな、と思ったらあっさり裂いた。
(相変わらず怖いくらいの切れ味だぜ)
スコップもそうだが大して力を入れていない、
空中の敵を倒すときの遠投にしても、そこまで力を入れなくて良い、
別に前世はやり投げの選手でも何でもなかったはずなのに、面白いように命中する。
「よし、そろそろまた蓋を閉じるか……」
そう思って上空を見上げると、
雨空にも関わらず大きな影が見えた!
(あれは……ドラゴンか)
しかも見覚えがあるような、
そうだ、高度がありすぎてしっかりは見えないものの、
あれは俺を運んできたドラゴンに違いない、ということは、まさか……!!
「俺を、迎えに来たのか?!」
と思いきや、
何かを落下させて引き返して行った。
(なんだなんだ、支援物資? まさかなあ)
落ちてくる方を、
よーく、よーーーーく見ると……!!
「まさか、あれ……人?!」
しかも、女性っぽい!!
「どうしよう、助けなきゃ!!」
俺はあわてて、
小箱を閉めて……再び開いた!!
(間に合え、間に合ってくれーーー!!!)
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一方その頃、辺境伯邸では……
「なんだ、もう捨てに行ったのか」
「はっ、早ければ早い方が良いと言う判断です」
「目撃情報は無い方が良いからな、よしわかった」
執事からの情報を聞きながら、
雨を気にしつつ朝食をいただく次期当主クライヴ、
そこへメイド服でおかわりの紅茶を淹れる側室予定のケティ。
「今日は特に良い葉を選びました」
「そうか、それでスージーは」「朝風呂だそうです」
「綺麗好きなのは良いことだ」「クライヴ様と一緒に入りたかったと」「いずれな」
執事が言葉を続ける。
「ゴーレムの動きはまだ止まっており、
魔法防御壁もほぼ消滅しておりますが魔物の攻撃は受けておりません、
前回と同じ状況ですので、しばらくしたらまた復活するかと」「だな」
優雅に朝食をいただくハルクの兄クライヴ、
しかし、このような余裕のある日々も、そう続かないことを、
本人も、執事も、正妻側室も、父も母も祖父も、まだ知らないでいた……。




