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第10話 雨の日に肉を焼く方法からのこの空中透明タブレットよく調べてみよう

「うー寒い、煙よあっちへ行け~~」


 しとしとと降る雨の中、

 僕は『タコ滑り台』の中、一階ね、

 そこへBBQセットを持ち込んで魔物肉を焼いている。


(いや、あんま奥へ行くと煙にやられる)


 なのでタコの足と足の間、

 ぎりぎり雨で濡れない所で焼きつつ、

 とあるアイテムを魔石(クリスタル)5個で買ったのです、それは……


「風力あるなあ、野外用扇風機」


 そう、ライブとかコンサートで、

 夏の屋外で回される大きいオレンジ色のやつだ、

 きちんと高さがあって、焼いた肉の煙を外へ逃がしてくれる。


(寒い時期に、扇風機を買わされるとか)


 まあいいや夏にも必要になる、

 それまではこの滑り台下へ置いておこう、

 にしてもあいかわらず電源はどうなっているんだろう、コンセント要らずだけど。


「……これ、中に魔物肉の匂いがついちゃうな」


 やはり屋根だけの東屋を買って、

 その下のテーブルで焼いた方が良かったかも?

 六角堂の中でやったら窓を開けていても畳が焦げちゃう。


「今更だけど、調味料が欲しい」


 ……ここで前世の一部を思い出した、

 キャンプ場にある自動販売機って確か、

 調味料とか売っていたはず! ……後で見るか。


(それはそうと、雨の時に箱の蓋を閉じても魔物は来るかな?)


 ていうかあの透明のやつ、

 確かタブレット端末とか言わなかったっけ前世で、

 さすがに空中に浮かんでいた記憶は無いけど、あれもじっくり見ないと。


「……焼けた焼けた、今後のために多めに焼いておきたいけど、寒さが……」


 と焼いているうちに本降りになってきたので、

 なんとか三食分を確保して扇風機を止めて中に置き、

 走って六角堂へ、お水を汲んできたいけどコップも水筒も無い。


(キャンプグッズでありそうだけど)


 いっそトイレで喰うか、

 でもそれだと本格的にホームレス、

 また赤ランプで怒られちゃう、いやほんと生活水準を上げなきゃ。


(もっとこう、人権というものをですね……)


 まあエアコンがあるだけ上等だ、

 それに稼ぐ手段はしっかり用意してくれている、

 ゲームと同じ設定ならよほど変な事をしなければゲームオーバーは無いはず。


「よし、今日は雨で暇だし、止むまで端末を調べよう!」


 ということで例の小箱をまじまじと見る、

 宝石箱をもうちょっと大きくしたような、

 なんだろう、遊戯なんとかって言葉が浮かんで消えた。


(なんとかパズルって言葉も、まあいいや)


 にしてもこれ、

 まじまじと見ていると、

 凄く幼い頃に見た覚えがある気がする。


「まあいいや、画面を見て……」


 色々とスクロールして見ていると、

 ふと、とあるマークに気が付いた。


「これって、メールマーク?!」


 しかも赤丸で1っていう数字が、

 つまり一件メールが来ているってことか。


「見るしかないような……クリック、っと」


 そこに書かれていたメッセージは……!!!


====================================


 一方その頃、辺境伯邸では……


「父上、何でしょうか」

「ああ、来賓がまだひとり残って居てな、ルターベルグア公爵家だ」

「王都の北ですね、そこが何か」「何でも捨てたいものがあるらしい、罪人だ」


 捨てたいもの、

 その言葉だけでピンとくるクライヴ。


「では、ハルクと同じように」

「同じ場所で良いだろう、あそこは仕事が早い」

「しかしまた王城のドラゴンを」「公爵家が連れてくるそうだ」


 互いに目を見合わせ、

 にやりと不敵に笑う親子。


「父上、公爵家とも繋がりができれば」

「ああ、色々と大きな仕事が出来るかも知れないな」


 そこへ入って来た衛兵。


「失礼致します、例の『秘宝』の鍵が開きました!」


 ガタッと立ち上がるウィリパテル辺境伯当主。


「中は! 中は無事か!!」

「そ、それが、五ケタの数字は順番にずらして開いたのですが」

「あったかなかったか言え!」「はい、中に、更に六ケタの鍵の箱が」


 ガタッ、と力が抜けたように腰かける当主。


「父上」「まあ良いそれだけ厳重なんだ、中身はあるだろう」

「その、私は『箱』としか聞いておりませんが」「ああ、この辺境伯家の全て、と言って良い」

「ではそこまで大切なものが」「まあ良い、引き続きその六ケタを開けろ」「ははっ、すでに始めております!」


 この時、ウィリパテル辺境伯家の皆は知らなかった、

 すでにその箱の中身はもう……窓の外の雨は、更に強くなっていたのであった。

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