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第10話 蒼穹、墜ち行く闘い



 雲の上から爆速で落下中。


 何故か空から一気に叩こう、という話になり、遙か上空へと空間転移。

 暴風に吹かれ、衣服や髪がバサバサと激しく揺れている。


 上空から確認するところ、まだ小さく見えるその魔獣は、地上の様子と対比するとかなり巨大。

 遠景で詳しくは見えないが、巨大な像のような姿が見て取れる。


 要は、まともに戦ったのでは勝てないと踏んで、上空から油断を突き、超高火力を畳みかけ、速攻で倒してしまおうという作戦だった。


 世界は広く美しい。遠くの地平に太陽光の放つリング。

 その間にある広大すぎる自然風景を照らしていた。


「では、私から行きますっ」


 レナが更に上空の彼方、巨大な多重に連結された魔方陣を多数展開すると、それらが相互に連携し合い、超高エネルギーを生成していく。


「すっげっ」


 突然加入した超大型新人が成そうとしていることに、目をむくほど驚く。


「わーお。私より凄いかも-」


 大地に背を向け、華麗に落下しながら風を浴び、寧ろそれが心地良いとでも言いたいぐらいの表情をしているエレナ。


 陽光の輝く世界の中に、更に超強烈に眩しい光の柱が生成される。


「うおっ」


 もしあったら、サングラスでもしたい眩しさだ。


 下方彼方に居た超巨大魔獣に直撃。

 その瞬間、上空に向けて今度は魔獣が放つ超巨大な多重連結魔方陣が展開。

 黄金色に輝いている。


 だが同時に、流水が動いている。

 「斬った」

 その魔法陣は全て彼が遠方から放った斬撃によって斬られていた。


 崩壊して消失していく魔法陣と魔法力。


「うわ~。斬っちゃった。魔法使いの天敵だぁ~」


「早くしないと、次、来るぜ? エレナさん」


「実は、もう用意してあるよ~」


 それは遥か彼方、宇宙空間。

 そこに遠すぎて小さく見える巨大な雷撃の玉が、エネルギーを蓄積しつつ、巨大化中だった。

 

「もうちょい時間必要。流水くん、行ける?」


「オーケー、ちょっと一撃、入れてみるな」


 鞘に黒光りする刀を収める。


 シン……と一瞬静まり返ったように錯覚して、放たれた光速の斬撃が、その先の魔獣を真っ二つに分断した。

 無空刃……。


「えっ……。終わった?」


「いや」


 分断した傷は超高速で修復されていき、魔獣はまるで星の大地の多くを覆わんばかりの巨大な一重魔法陣を展開し、超高速で魔力を高めていく。


「あれは斬れねぇって……。デカすぎるっ」


 バンッ!!!!!!! と何かが超爆発したような爆音を超えた爆音。

 と同時に先程よりも強烈な光。

 一瞬光って、視界が暗転する。


 鼓膜が……。


 超巨大な雷撃が魔獣を貫き、爆砕されていた。


 ……あれはさすがに、修復できねーか?


 少し、様子を見ている。


 もし修復し始めたら、どう対処する……。

 そんな嫌な感覚が一瞬過ったが。



 大地、広範囲に爆散した血液。

 そのまま魔獣は、静止していた。


「終わったなっ……」


「効いてよかった~。無理かと思った~」


 空を堕ちながら、彼女に告げる。


「お見事」


 流水が素直に褒める。


 やはり、まだ距離がある。近いようで遠い気がした。


「じゃぁっ、転送するよっ」


 次の瞬間、元いた街、朝焼けに輝く建造物群の中に居た。


 便利だねえ~、魔法って。


 先程までの、鮮烈な情景が嘘のように、街は静かな朝の空気に包まれていた。



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