自信の一歩⑤
竜之介の卒業式から数日。辰馬の卒業式も終わり、そして公立高校の合格発表の日も過ぎた。卒業、合格発表。人によっては様々な感情が揺れ動く時期だが、二人の少年はそれらのイベント自体はどうということもなく消化した。片や感情の整理がつかないまま漫然と消費し、片やただの通過点として認識しており、既に今後の展望で頭がいっぱいである。
そんなわけで今日も焼肉屋裏、寂れた駐車場のリングである。
「さて、無事に合格したことだし、いよいよ本腰入れてくぞ。もう学校に行く必要もないからな、一日中練習できるぞ」
「まさかお前が普通に受かるとは」
「人間、頑張れば大体のことはできるさ。お前の方はなんてこともなかったみたいだな」
「まぁな。そういや聞きそびれてたけど、なんで鳳西なんだ?お前の野望とかなんとか言ってたけど」
今日もシュートフォームの矯正に勤しみながら、竜之介は辰馬に尋ねる。県外の私立強豪校からのスカウトなどいくらでもあったであろう辰馬が、なぜこんな田舎の公立校を選んだのか。その野望に付き合っているにも関わらず、肝心の野望とやらを聞いていなかったことを思い出したのだ。
「ああ、それな。俺が不合格だったら何も始まらないから、受かってから言おうと思ってたんだ。あの時はお前も乗り気じゃなかったし」
「いや、今も乗り気ってほどじゃねぇよ。てか改めて思うけど、お前が落ちてたら何も始まんない計画のために、予め俺を巻き込んでたのか」
なんとも自分勝手な奴だ。そう思う竜之介だったが、辰馬の反応は思っていたのは違った。辰馬は眉を顰め首を傾げている。
「ん?あぁ……そのことか。確かに俺の計画にお前は必要だけど、仮にお前と別の高校になっても、俺はお前にバスケをさせてたぞ」
「は?それでお前になんの得が」
困惑する竜之介だったが、辰馬は寧ろそんな竜之介が理解できないようで腕組みをする。
「分かんないものかな……。まぁいいや、俺の野望の話だったな」
「ああ、その話だ」
「俺の野望、それはだな」
一旦それかけた話題を脇に置き、代わりにボールを脇に抱え、いつものキメ顔で言った。
「俺とお前、二人の才能。そして名将、村木先生。この布陣で、俺たちは全国を制する!!」
それは、あまりにも子供じみた発言だった。辰馬ほどの才能、それと同時に胆力と臆面のなさを持ち合わせなければ、口に出すことさえ憚られるほどの幼稚な言葉だった。その言葉を聞いた竜之介は嘲笑う気にはならなかったが、さりとて感銘を受けたり、賛同したりすることはなく、眉を顰めてその正気を疑うのだった。
「お前については言うまでもなく、そんで俺は論外としてだ。村木先生?そんなに凄いのか、その人」
「村木先生は去年から鳳西に転任してきたバスケ部の監督だ」
「その言い方からして、専任コーチとかでもない普通の教師だろ?」
一般的に学生スポーツにおいて、優れた監督、コーチという人たちは私立高校の教師か、或いは外部コーチであることが多い。それを踏まえての質問である。
「村木先生は学生時代には国体選手として活躍してた人でな、指導者としてはU-15日本代表のコーチをしてたこともある」
「日本代表のコーチ!?」
質問の答えに竜之介は思わず驚きの声をあげてしまう。その反応を見た辰馬は満足そうに笑う。
「な?夢で終わる話じゃないだろ?」
辰馬が言うには、村木先生は長い間、別の公立高校に勤務し、その間その高校を毎年のように全国に連れて行っていたそうだ。この田舎で「私立高校が一強時代を築く」という状態になっていないのも、この先生の影響が大きいのだとか。辰馬のように、今年は先生目当てで進学を希望した生徒もいるらしかった。もっとも、実際あの高校に入学できるかは別問題だが。少子化やら何やらで、志望者の数は減っているが、腐っても進学校ではある。
なんにせよ、辰馬が鳳西を選んだ理由を聞いて、入学試験の日より地味に気になっていた疑問は解消。竜之介の気分は爽快!……なわけはなく。
「ちょっと待て。元々お前の理想が高いところにあるのは察してたし、お前に付き合うだけならって試しに乗っかってはみたが……そんな大層な先生がいるとまでは思わなかった。そこまでの覚悟はしてねぇ」
「覚悟?」
「そんなとこに行けば、俺はバスケに全部を賭けないわけにはいかなくなる」
「いいじゃん、それで」
「あのな!いいわけねぇだろ。俺はお前じゃねぇんだぞ」
「だから言ってんだろ?お前にも才能があるって」
「だーかーらー!」
二人の会話は平行線。それはお互いにわかっている。そして辰馬が折れることはないし、自分にはそれに付き合う気力はない。それが分かっているから、今度も竜之介が折れる。
「まぁいいや、体験入部くらいは付き合ってやる。途中退部しても、なんなら入部しなくても恨むなよ」
「恨むに決まってるだろ」
「ブレねぇな、お前も」
「リュウがブレやすいだけだ」
ともすれば喧嘩にも聞こえるやり取りだが、二人の間に敵意はない。竜之介からすれば『いつまでも流されてやるわけじゃないぞ』と釘を刺すための言葉で、辰馬からすれば『また言ってるよ』と受け流す言葉だ。
だから次の瞬間には二人ともなんてことのない表情に戻る。いや、若干一名は露骨にニヤけていた。
「いやぁ、それにしてもラッキーだ。お前の方から体験入部には付き合うなんて言ってくれるとは」
「おい、その顔……お前またロクでもないことを」
見慣れた辰馬の表情に、作り慣れた竜之介の表情。続く言葉は案の定、竜之介を呆れさせるものだった。
「じゃあ、今週末から行こう!合格発表の時に、知り合いの先輩に頼んでおいたんだ。早速村木先生の練習を体験できるぞ!」
「お前なぁ……」
辰馬の有無を言わさぬ態度に最早何度目かわからない竜之介の閉口。しかし、それどころでない事態に気がつく。
「ん?ちょっと待てよ。おい、今日って何曜日だ?」
「金曜だな」
「明日じゃねぇか!」
「リュウ、中学でリアクション良くなったな。昔はもっと落ち着いてなかったか?」
「んなこと言ってる場合か!わざとギリギリまで黙ってやがったな!」
「おいおい、俺は別に好きでお前を振り回してるわけじゃないぞ。先輩からの返事があったのは昨日の夜だし、それに本当は『流石に萎縮するかもなー』と思って、誘うか悩んでたんだ」
「本当だぞ?」と付け加えながら、辰馬は弁明する。口ぶり的に本当のようだし、そもそも嘘をつくような男ではない。というか、寧ろ嘘をつく必要すらないと言わんばかりに人を巻き込む人間だ。
だからと言って、「はいそうですか」と従う気にはならないし、この状況のどこが『誘う』なのかも分からないし、行くにしても直近過ぎるだろとか言いたいことは山のようにある。けれど、例の如く言葉を尽くすだけ無駄であることは竜之介とて重々理解している。だから今回も全てはため息に帰結する。それはもう、大きな大きなため息に。
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「えー、今日の練習にはこの春からうちの高校に入る二人が参加する。二人とも自己紹介よろしく」
「宮ノ里中出身の三国辰馬、ポジションはどこでも」
「虎陵学園中出身、相原竜之介です。中学ではセンターをやってました」
「「お願いしゃす」」
3月の第3土曜。鳳西こと県立鳳城西高校の体育館。高校生に囲まれながら自己紹介をする中学生二人の姿があった。チームの人数は一般的な強豪ほど多くないし、一人一人が大きいわけでもない。けれど全体的に妙な威圧感がある。これが中学生と高校生の単純な年齢差によるものなのかは分からないが、いずれにしても、この空気の中で平然としている辰馬の神経が竜之介には理解できなかった。
二人を紹介してくれたキャプテンは170cm台後半と言ったところだろうか。身長はこのチームの中ではそこそこ高め。身長よりも筋肉質な体型が目を引く。ポジションは恐らくフォワードだろう。控えめに言って野生的な顔立ちだが、キャプテンらしい落ち着きを感じる。中学生相手に威圧的な態度を取らないようにという最低限の柔らかさは感じる。然りとて必要以上の愛想は持ち合わせない。なんとも体育会的なコミュニケーションだ。
それはキャプテンだけではないようで、チーム全体も二人を邪険に扱うつもりはないが、気遣うつもりもなさそうで、値踏みするような視線が竜之介には突き刺さっている。
「あれが三国かぁ」
「中学県総体のMVPの三国か。やっぱデケェな」
漏れ聞こえてくる会話は大体が辰馬についてだっ
たが、いくつかは竜之介に関するものだった
「隣の奴、見たことないな」
「虎陵って隣の県だろ?県外からわざわざ来たのか?うちも有名になったもんだ」
「うち公立だから県外の奴だと入学できないだろ。元々こっちの奴なんだろ」
「とにかくデケェな」
もう既に非常に居た堪れない気分なので、さっさと練習を始めてくれやしないだろうか。そう思う竜之介だったが、希望通りに練習が始まると、そんな愚かなことを願った自分を呪うことになった。
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高校の練習を舐めていたわけではない。断じて、自分になら高校程度の練習は可能だろうと高を括っていたわけではない。むしろ竜之介の自己評価は、少なくとも“現在地”に関して言えば非常に正確だった。竜之介は自分に期待などしていなかった。それでも、ないに等しい自信やら自負やら、そんなものを根こそぎ掬われ握りつぶされたような気分になっていた。
(引退してからのブランクがあるのは分かってる。体力がついていかないのは分かってた。それにしても、それにしてもだろ……!!)
自分に足りないものがあるのは分かっている。それでも人並み程度にできることだってあるはずだ。そう考えていた。
けれど目の前の現実は違う。もちろん根底にある最大の問題は体力不足で、体力がないからフィジカルはより弱くなり、思考も上手くまとめられない。しかし、それは時間をかければ解決する問題だ。一方で『体力さえつけば』全てが解決するかと言えば、答えはNOだと竜之介は確信していた。
(仮に体力があっても、そもそものフィジカルや知識に差がありすぎる。この場で俺にアドバンテージは何一つない……)
鳳西は田舎の進学校、それも村木先生が監督に就任したのは一年前の春で、つまりそれは先輩たちの中にはバスケが目当てで進学した生徒、即ち逸材と呼ばれるような選手がほぼいないことを意味する。事実、彼らの身長は平均して175cmもないだろう。
それでも彼らは“強かった”。そして、それが単純に筋力がどうこうという話ではないことは竜之介にも分かった。
彼らのプレーの一つ一つには意図がある。それが竜之介にもひしひしと伝わってくる。バスケットボールは5人の味方がそれほど広くはないコートに存在するため、攻守の両面で互いに意思を伝える必要がある。声や指さしによる指示もあるが、ポジショニングやアイコンタクトなど言外にも膨大な情報が瞬時に行き交う。
『俺はここにいる。つまり、こういうプレーがしたい。だから、お前にはここにいて欲しい』
そういう無言のメッセージが常に行き交っているわけだが、特に初めて参加するチームではその意図を汲み取ることが難しい。だが、それにしたって彼らの意図があまりにも汲み取れない。
現在はウォーミングアップ、レイアップ等の基礎練習、セットプレーの練習などを終え、ハーフコートで3対3の練習を行なっている。セットプレーをコールするも、アドリブで攻撃をクリエイションするも自由。正にバスケへの理解度が試される練習だ。そして、その練習において先輩たちが交わしている無言のメッセージが竜之介に汲み取れない理由は明白だ。
(俺にはバスケが何もわかってないってことだろ?)
先輩たちには共有されている予備知識がある。バスケというゲームを攻略する上で基礎的な知識、戦術、それらに対するカウンターがしっかり一人一人の頭に入っている。チームとして認識を共有できている。恐らくそれが先輩たちの“強さ”の一つで、竜之介にだけ圧倒的に欠けているもの。
バスケを理解し、先生に貰った知識を頭の中で再構築してプレーをデザインし、それを完遂する。それは個人で完結するものではないため、チームメイトにもそれを伝える力、チームメイトからのメッセージを理解する力も必要だ。たったワンポゼッションに詰められた情報量を思うと眩暈がする。
それに問題は理解度だけではない。彼らは練習の強度も高かった。端的に言えば、彼らの全ては徹底されていた。共有されているルール、決まりに忠実だった。
どんな時でもとにかく徹底。リバウンド一つ取ってもそうだ。ディフェンスは必ずスクリーンアウトを徹底しているし、オフェンスは絶えずスクリーンアウトを掻い潜ろうとしてくる。竜之介がこれまでの経験でやっている『このくらいでいいだろう』が何一つ通用しない。彼らと接触する度に、自分が今までやってきたことはなんだったのかと、嫌でも己の甘さを突きつけられる。
そうして頭は回らず、体は動かず。しかし打ちひしがれる暇もなく、次の出番が来る。この繰り返しの果て、周囲の音は遠ざかり、頬を伝う汗の感触はなく、ただ顔の周りに纏わりつく熱気と脳に響く鼓動が竜之介の思考をその内側に閉じ込めていく。
自分の体力不足、力不足、知識不足、意識不足。不足不足不足不足。
(俺だけが、俺だけが何も……!)
自覚していたはずだった。この場の誰よりも劣っていること、それが当然であること。それを理解して、それでも辰馬に『付いて』来たはずだった。
……『付いて』来た。そうだ、『付き合って』やって来たのだ。はたと竜之介は気づく。この場で自分だけが『選んで』来たのではなく、誰かに『付き合って』来た。それを理解した瞬間に、顔を覆う熱気も、頭の中を埋め尽くす鼓動も遠ざかり、一瞬で体が芯まで冷える。
(俺に一番足りないもの……)
覚悟。有体な言葉だった。言葉にすれば安っぽいものだった。けれど、それが生まれてこの方竜之介に欠けていたもので、辰馬と晴が特別に見えた理由だった。薄らと理解していたことを逃れられない現実として突きつけられる。
そして改めて周囲に意識を戻すと、いくつかの視線が自分に向いていることに竜之介は気づく。先輩たちは何も話してはいない。けれど、その視線はどんな言葉よりも雄弁だった。
『なんだデカいだけか』
『とんだ期待外れだ』
『ここにいるのが場違いだ』
これまで何度も自分に向けられてきた視線。先輩たちは害意や悪意によるものでなく、正当な評価として自分にその視線を向けていた。
(今の俺はなんだ……?辰馬のオマケで来た場違いな選手か?勘違いでノコノコやって来た大間抜けか?)
気づいた瞬間、冷え切っていた竜之介の体が熱気ではなく羞恥で赤く染まる。自分の力量も弁えず、ノコノコとやって来たデカいだけの間抜けな中学生。彼らの目に自分はそう映っているのだと自覚すると、どうしようもなく自分が情けなく思えた。今すぐこの場から消えたくなる。
片や辰馬はなんてことのない顔でチームに馴染み、練習メニューを把握し、早くも練習の中で自分の主張をしている。先輩たちにも臆することなく、プレーの中で『俺はこうしたい』という意思を示していた。
(なんで俺は、こんなにも無様なんだ。こんなのが俺の15年かよ)
絶え難い屈辱と悔しさ、何より惨めさに竜之介の心は折れそうになる。思わず体から力が抜け、両の掌を膝につきそうになる。
しかし、すんでのところでそれを止め、竜之介は両の拳を握り締める。ここで膝に手を置けば、それは投了の証に他ならない。そんなサインを周りに見せることだけは、なけなしのプライドが許さなかった。
中学時代、バスケのことを碌に知らない顧問が唯一教えてくれたことを思い出す。
『何か一つでも、自分は練習中にこれを続けたぞというものを持っていなさい。小さなことで構いません。膝に手をつかなかったとか。ダッシュの時、絶対にサボらず線を跨いでいたとか』
その言葉を受けて、根が素直な竜之介は言われた通りに、その二つを守り続けた。顧問は続けてこうも言っていた。
『そうした小さな積み重ねが、いざという時、自分という人間はこういう選手なんだという自信になったりするものです』
竜之介は中学の顧問のことがそれなりに好きだったが、恩師だとまでは思っていない。けれど、こうして無様でも立っていられるのは最低限のルールを守ってきたという自信と自負があるからだ。そう考えると竜之介の中学3年間も少しはマシに思えてくるし、改めて顧問に感謝をする気になった。
折れかけた心をなんとか立て直し、竜之介の瞳の奥には風前の灯ながら、それでも小さく火が灯る。
最後のメニューはオールコートの5対5というシンプルな実戦形式だった。竜之介と辰馬は3つに割り振られたチームの3つ目に組み込まれた。
この練習で辰馬は、高校生相手にも通用するどころか凌駕するスピード、スキルで既に存在感を示した。このチームは夏と冬の県大会でベスト4に入っていたはずだし、田舎とは言え馬鹿にしたレベルではないことは、誰より竜之介が痛感していた。それでも竜之介からすれば『辰馬ならこの程度当然だろうな』と驚きもなく受け入れられる。多分コイツはこの県では何十年に一度、もしかしたら史上初の逸材なのだから。
一方の竜之介は、これまで全ての練習で通用しなかったのに急に通用するはずもなく、時折リバウンドに絡むのが精一杯という有様だった。走るたびに息は上がり、自分のマークマンにカットで振り切られる場面もしばしば。オフェンスでは碌にボールに絡むこともできず、スクリーンをかけるのがやっとという有様。惨めも無様もここに極まった。
『君はもういいよ、練習にならないし下がってて』
そう言われるのではないかとすら思えたが、代わりに竜之介の耳に届いたのは
「じゃあCチーム最後の一本、新入生二人一緒に入って」
という言葉だった。それを聞いた瞬間、辰馬が竜之介のもとに駆け寄ってくる。そういえば練習が始まってからはあまり話せていなかったと、そこに至って竜之介は初めて気づく。そんなことにさえ気づかないほど内向的な思考に陥っていた自分に、竜之介は苦笑するのが精一杯だ。
「よし、やっとお前と組めるな。3年ぶりだ」
「組めたから何だってんだ…はぁ…俺はもう…死に体だぞ」
「でもまだ生きてる」
「鬼畜か」
睨む竜之介を意にも介さず、辰馬はコートへと歩き出す。しかし丸切り無視するつもりではないようで、竜之介のほうに半身だけ振り返り
「行くぞ。どーせ、できないことばっかり数えて勝手に凹んでるんだろ?」
と挑発的な視線をよこす。
「だったら何だってんだよ」
「お前にできることを教えてやるよ。今の相原竜之介にできることを、俺が教えてやる」
そう宣うと、辰馬はコートの中心へと駆け出していった。




