スタイリッシュドーナツホール:バースデーケーキ俊介
男女二人の思いが交差する恋愛ラブストーリーです
「俊介……もう終わりにしよう……いや、これが私達の」
「勝手に1人で決めるな!!!!俺は……俺はッッ!!」
「いっ、嫌だッッ!!!!!!ッ!!!」
「始まりかな…………またね……俊介」
ズンッ…………
「ッッ……!」
「……ッ…」
「」
━
━━
━━━
…目が覚めると、私は……卵になっていた!?!?
そうか、これが俗に言う『転生』って奴なのかな……と
理解……するのは難しいことでは無かった。
彼女に殺されて幾許か、私の精神は思考も何もせず、
唯彷徨い続けるだけだった。
目が覚めた時、それから2時間位はずっと闇の中だった私の視界は急に開けた。
私が居たのは何処かのスーパーマーケット。
何故私は卵の姿になっているのだ?
それに売場にいるという事は私は無精卵なのだろうか。
No、稀に鶉の卵には有精卵が混じっていて雛が産まれてくるという話を聞いたことがある。
もしかしたら私は生まれてこれるのかもしれない、という場違いな幻想を抱いて居た頃もあった。
私は一人の従業員の声、スピーカーから響き渡るその声は正に死を知らせる死神の鐘のようなその声により、終わりを告げられた。
『ただ今より卵パック袋に入るだけどれだけ取ってもワンコインタイム始まります!!!!』
余りの下品さに反吐が出たのも束の間絶句していると
私の周りには、いや、正確には『私たち』の周り。
そう、隣には後を追って死んできた彼女も無精卵として再びこの世に生を受けていたのである。
「また一緒になれたね」
そうとでも言わんばかりの卵の模様だ。
束の間、私が物思いに耽っているとそう、辺りにはご婦人達がひしめき合って居た。
若い殿方もどうやら居るようであるが押しつぶされているようである。
そして私達も婦人達の手やそれに押された他の『卵』……『人』の圧に割れ、押しつぶされた。
第2の人生まで他人に終わらせられるのか……
いや、
もしかしたらずっと
『そう』
だったのかも知れないな。
性格はとんでもなかったけど
顔だけは良い女だったから……
最後にこうやって黄身白身を混ざり合って死ねたのは
良かったのかな…………
「ありがとう」
[完]
この後滅茶苦茶ケーキになった
駿太くん(5)によるとしょっぱかったらしいです
駿太くん誕生日おめでとう
みんなも祝おうね