表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/40

7話 失態が見えてくる その2

「アルゼイ・サンマルト王子殿下、お久しぶりでございます。それからエリザ公爵令嬢、お会いするのは初めてでございましたかな?」


「ルービック・キングダム侯爵、お初にお目にかかります。エリザ・ガーランドと申します。以後、お見知りおきを……」


「これは、ご丁寧にありがとうございます」



 アルゼイ様と私達は楽しく会話をしていたけれど、その間にも、アルゼイ様に挨拶に来る貴族は多かった。それも伯爵以上の上位貴族が多い。次期国王陛下という噂は伊達ではないということね。立ち位置的に、私も挨拶を交わすことになったのだけれど、フリック様の婚約者としてサポートをしていた時のことを思い出してしまっていた。


「ふふふふ、お二人はお似合いのカップル、という気が致しますな……」


「これはキングダム侯爵。危険な発言は止してくれ。エリザ嬢に叱られてしまうではないか……」


「おおっと、これは申し訳ない。お気になさらず、二人だけの会話をお楽しみください。ふふふふふ」


「まったく、最後まで勘違いをしていたな。冗談のつもりだったのかもしれないが……」



 怪しく笑いながらルービック・キングダム様は去って行った。彼の瞳は妹のシリカに似ていた気がするわね。同じように私達のことをからかっていたのかしら? そういえば、シリカとマイケルの姿も見当たらないわ。


「シリカと執事長のマイケルも何処かへ行ったようです」


「ふむ、なるほど。もしかして、気を遣ってくれたのかもしれないな」


「えっ、アルゼイ様……それって……」


「いや、気にしないでくれ。何でもないよ」



 アルゼイ様は少し焦っているように感じられた。詳しくは聞かないでおくけれど……。普通は二人きりになったことに照れている、と取れるけれどアルゼイ様に限ってそんなことはないわよね。



「それにしても……やはり流石だな、エリザ嬢」


「なんのことでございますか?」


「いや、先程までの私に挨拶に来た貴族達への振る舞いだよ。全ての人物のフルネームをしっかりと覚えており、その人物に合わせて微妙に態度を変えていた。貴族令嬢であそこまで出来る人物はなかなか居ないだろう」


「あ、そ、それは……ありがとうございます……」



 アルゼイ様にしっかりと見られていたようね。品定めを受けていた……そんな気持ちにすらなってしまうわ。とても恥ずかしい……私は合格点だったのかしら?


「相手の身分を重視し、微妙に態度を変えることは重要なことでもある。簡単に出来ることではないがな」


「アルゼイ様、そのようにおっしゃっていただきまして、とても光栄でございます」


「いやなに……君があれくらい出来ることは予想済みだったがな」


「そうなのですか……?」


「まあな」



 そういえば、フリック様の婚約者をしていた時から見られていたのだっけ。どうしよう……アルゼイ様には想像以上に見られているケースが多そうだわ。身体がどんどん熱くなるのを感じている……さっきよりも確実に熱い。少しだけクールダウンをする為に、外に出ようかしら……そんなことを考えていると「事件」は起こった。



「貴様……もう一度、言ってみろ!」


「何度でも言って差し上げましょう。あなたは、サンマルト王国の恥でしかない!」



 パーティー会場の中央付近から言い争う声が聞こえて来たのだ。私とアルゼイ様はそちらの方向に目を向けるけれど……そこには、フリック様とルービック・キングダム侯爵の姿があった。どうやら、二人が喧嘩をしているみたいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ